著書

2017.09.10 「事業資金調達の教科書」中央経済社

~事業に活かす為の資金調達の考え方と活用方法

2015.02.20 「為替リスク管理の教科書」中央経済社

~為替相場の変動に振り回されず本業に専念するための考え方と対応法

2013.06.15 「事業再生の現場プロセス」中央経済社 (共著)

~知的資産経営の活かした、事業再生の手法と事例集

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2017年11月 1日 (水)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年10月末現在)

【米ドル】・・・対円

10月も円安に振れました。

9月のような勢いは見られなかったものの、引き続き円が米ドルに対して売られました。但し、9月の円安材料は少し色あせ、ふらふらと迷っているようにも見えます。

9月のドル高円安材料は・・・

Ÿ FOMCで年内の利上げにまで踏み込んだ発言があったこと(日米金利差拡大予想によるドル買い円売り)

Ÿ 衆議院選挙で、消費税の使途変更や凍結が公約に挙げられ、財政再建が遠のくとの見方から円への信頼が少し揺らいだ

などでした。特に、利上げに関しては、FRBのイエレン議長の後任に利上げに積極的なテイラー氏が有力であるとの予想も、将来に向けた日米金利差拡大を予感させ、それを見越した円売りが加速しました。

10月は112円台半ばで始まり、前半の冴えない米国経済指標を受けて111円台半ばまで緩む場面があった後は、じりじりとドルが買われ、一時114円台半ばまで上昇(円安)しました。

しかし、月末にかけては弱含み、結局113円台半ばまで月を越えています。上記9月の材料に関しては・・・

Ÿ 米利上げ観測 :イエレン議長後任として緩和策に理解を示しているパウエル氏がテイラー氏より有力しされるように少し状況が変化したこと

Ÿ 衆議院選挙は、結局自公の勝利に終わり、財政再建への不安は残るものの、野党が主張する引き上げ凍結などの芽はなくなったこと

で、色あせてドル買いの勢いはさほど大きくならなかったと言えそうです。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

10月も下がりました。

ただし、それは下旬に入ってからです。上旬中旬では1.17から1.18半ばの間を往ったり来たりする動きでした。

9月のユーロも円同様、米FRBの予想外の利上げ言及にあおられて下落しました。また、独選挙結果などもこれに拍車をかけ、米ドルに対して売られた構造は円と良く似ていました。

この2つの材料が10月にどうなったかというと、まず、米利上げの材料が相場に織り込まれて色あせた点は円と同じです。しかし、他方の政治材料については、カタルーニャの独立騒ぎがあってさらに€売りの材料となった点が円と異なる展開となりました。

さらに、1026日のECB理事会とその後のドラギ総裁発言も€売り材料となりました。

理事会では資産買い入れの縮小を決定してテーパリング開始が明らかになりました。これは事前予想通りでしたが、ドラギ総裁の記者会見では、買入縮小するからといって緩和を止めるわけではなく、買入終了時期を201712月から20189月に延期したうえで、その後も緩和を続けることを匂わせる発言があったのです。この結果、€は1.160近辺まで下落し、1.16台半ばで月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短期では、米国の利上げが材料です。これが年内にあるか、年内にあるという動きがさらに出てくるかで115年をうかがうドル買い円売りがおこるかもしれません。その後は、FRBイエレン議長後任が利上げに積極的なテイラー氏になるかに注目が集まっています。FRB議長の後任は長期的な米国金融政策スタンスにも影響があるはずですから、この後任選びは相場の中長期動向を占うことにもなるでしょう。

一方で、米経済指標や物価動向はいまだに安易な利上げを許さない状況にあります。根中で利上げを続けると、新興国を含む世界から資金が米国に還流する速度が速まると、世界経済が減速し、出口を出た緩和トンネルに再び入っていくことも考えられます。

対する日本は、一向に緩和出口の話は出てきません。このまま出口を模索することなく、再び米国が緩和トンネルに入るなら、円は大きく買われることになるでしょう。

 

ユーロドル ・・・

ユーロを支える経済的な材料は豊富です。10月のユーロ圏経済景況指数は17年ぶりの高水準になったようですし、失業率も改善が続いています。経常黒字も相当に積み上がり、中長期的なユーロ高材料を形作っています。

しかし、政治的材料はネガティブです。政治は経済も破壊する可能性がありますから、いくら経済ファンダメンタルズが良くても政治要因であっという間にひっくり返ってしまいます。

短期的にはカタルーニャ独立騒ぎですが、長期的には、その動きがイタリア北部、ベルギーのフランドル地方、ユーロ通貨には関係ありませんが、イギリスのスコットランドと地域の政治不安定が大きく揺らぐ可能性があります。先月も書いたように、各国とも現政権を維持することには成功したものの、この1年、反移民や極右勢力が大きく勢力を広げたことも根っこは同じです。

ユーロを占う中長期的材料としてきた、銀行行政の統合や財政の統合の行方など、これら政治の動きの前にはひとたまりもありません。ユーロに関しては、ECBの金融緩和などの政策スタンスや経済指標より、これらの政治的な材料にしばらく注目していく必要がありそうです。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動の動向ユーロ圏不安からユーロ売り要因

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 5. FRB議長の後任指名の動き(利上げに積極的なテイラー氏か緩和に理解示すパウエル氏か)

 6. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(資産買入)終了時期が201712月から延期された20189月に本当に終了するか

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 3. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

 

以  上

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2017年10月 2日 (月)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年9月末現在)

【米ドル】・・・対円

9月は円安になりました。

月初、110円台前半で始まったドル円相場は、しょっぱなに発表された米国雇用統計のぱっとしない数字に米FRBの緩和出口策への不安が市場に広がり、その後の1週間で107円台後半まで弱含みました。9月の米FOMCでは、年内での量的緩和を収束させて買入資産を圧縮するよう決定されるというのが半ば既定路線になっていますが、このところ不安定な物価動向もこの規定路線に不安をもたらしています。

ところが、21日に開催されたFOMCでは、規定路線であった量的緩和の収束を決めたばかりは、それはないだろうと思われていた年内の利上げにまで踏み込む発言があり、112円台半ばまで上昇しました。一時は113円台前半もつけました。

FOMCの内容は下記のとおりです。

 2008年危機後の量的緩和政策を完全に終結し、保有資産の段階的縮小開始を決定

 6月に続く利上見送り、FF誘導目標は年1.001.25%据置いたが、同時に公表した金融政策見通しでは、会合参加者の多くが年内1回の追加利上げを予想

市場は12月の会合で再び利上げに踏み切るとの観測が強まり、その結果、ドルが買われたのです。9月はそのまま112円台半ばで月末を越しました。

円が売られた要因はもう一つあります。それは、消費税の使途修正です。衆議院が解散され、解散によって信任を問う内容の柱に10%への引き上げが予定されている消費税の使い道を一部修正して教育に充てる方針が持ち出されました。これにより、2020年までの基礎的収支均衡の目標達成が一層困難になり、財政悪化が円への信頼を失わせたのです。さらにそれに輪をかけ、野党も引上げを当面凍結するなどの選挙公約を上げる様子。選挙で与党が政権を維持しても、仮に野党が政権を取るようなことになっても、いずれの場合も国家財政を悪化させる方向であるということなのですから。これは9月の相場変動要因としてだけでなく、長期的な円相場の方向感を修正せざるを得ません。

なお、21日に開催された日本銀行の政策決定会合では、短期金利▲0.1%、長期金利ゼロ%程度に誘導する長短金利操作の現状維持を決めています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

9月でピークを越えたようです。

前半は強かったユーロが後半は弱含んだというのが9月のまとめです。

前半の強かった原因は、ECB(欧州中央銀行)の理事会の動きです。7日理事会では、今の金融政策を維持したものの、10月の理事会では資産買い入れ策に言及し、具体的にテーパリング(資産買い入れによる量的緩和策を徐々に縮小すること)に触れたことで、間枠の出口がいよいよ現実のものとなり、ユーロ圏経済も安定して堅調に推移していることから、対外金利相対水準と経済ファンダメンタルズの両方からユーロ買いを誘った形です。

ところが、後半にはこれに水を指す材料が2つ出されました。

1つは、米FOMCです。【米ドル】でも述べたように、既定路線であった買入資産の年内縮小に加え、市場が予想していなかった年内利上げ観測もだされたことから、これまで円を除く主要通貨に対して弱かった米ドルが強さを取り戻しました。これまで買われてきたユーロを売るポジション調整が進んだのです。

他の一つは、独選挙結果などユーロ圏政治要因です。924日に行われた独連議会選挙では与党は第一党の地位を確保したものの、移民政策などの異を唱える勢力が存在感を示し、連立教義の難航も予想されています。ユーロ圏をまとめる筆頭である独の基盤が弱くなるとユーロそのものへの信頼も揺らぎ、売りにつながったのです。

結局、前半に1.20台前半まで買われたユーロは、後半に1.17台半ばまで弱含み、1.18台前半で月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

当面の主な判断材料は下記のとおりです。

a. 米、年内利上げ可能性と来年の利上げ速度

b. 本邦、財政再建をめぐる選挙、及び選挙の政策決定

c. 北朝鮮などの政治リスク

d. 経常収支と対外投資の動向

まず、米国の年内利上げの可能性は9月のFOMCから想定を超える形で浮き彫りになった議論の動向です。物価や雇用がさえないなか、買入資産の縮小は既定路線通り実行しても利上げまではないだろうとしていた市場の期待を裏切っています。所謂ハト派といわれているFRBイエレン議長の任期切れで後任は利上げに積極的になる可能性があるというのも、付随材用です。これらが当面の米ドル押し上げ要因になります。

本邦の財政再建をめぐる議論もここ数週間で出た材料です。積極的な経済政策への期待がある一方で財政は大きな問題です。政権が思っているほど、世界の目は甘くないのではないでしょうか。現に日本国債の長期格付けは低迷したままでこれに慣れっこになってしまっています。円安要因になります。ただ、これは長期的な材料として捉えておく必要があります。

長期的材料としては、経常収支と対台投資の動向にも注意しておく必要があります。貿易は新興国経済に依存しつつあまり大きな期待はできず、対外投資は国内のカネ余り現状を反映してとても活発です。当面は短中期では円安要因となり、長期では経常収支黒字を支えて円高要因になります。

以上から、短中期では、ドル高円安、中長期では財政要因と経常収支要因のせめぎ合いの中、どちらとも言い難い状況と言えます。

 

ユーロドル ・・・

ユーロは9月の1.20台を以って、当面のピークを越えたとく見方が市場に出ています。ここまで主要通貨(円を除く)に対して弱かった米ドルが利上げ可能性を機に強みを発揮し始めていることで、ユーロを買い進めていた向きがポジションを調整しつつある、つまり溜まった買いを売り始めたという見方です。

そこには、ユーロ圏経済の基礎力は底堅く、堅調に推移しているものの、それを背景した緩和策の収束はもう市場に織り込まれているという判断があります。

長期的材料としては、政治に目を向けておく必要があります。ここ1年近く、2016年暮から2017年の独連邦議会選挙までの一連の主要国選挙に焦点が集まっていました。どの選挙においても、移民に不寛容な極右勢力が政権を握るのではないかとの不安があり、それがユーロ通貨を抑えていました。しかし、選挙結果は、いずれも現政権を維持するものとなり、不安がひとつずつつ片付いていくに従って、ユーロには不安解消の買いが入ったのです。このことが、金融管措置収束という材料に加えてユーロ高に寄与してきたことは明らかです。

しかし、直近の独連邦議会選挙では移民に不寛容な勢力が存在感を示したことに注目されました。この点は、実は他の選挙でも同じように言えることだったのではないでしょうか。仏や蘭、オーストリアでも極右が票を伸ばし、一定の勢力を確保しています。

極右とか極左とか両方の言われ方がされますが、その主張するところは移民を排除し、労働者階級を含む自分たちの生活を一番に考えようという民族主義的な一面です。極右と極左はこの点を共有していると言えます。反グローバリズムはユーロ圏の結束を不安定にするでしょう。通貨統合に続く、銀行検査の統一や財政統合など現在進めようとしている各政策は円滑にすすまなくなると考えられます。これらの政策はユーロ通貨の信頼を強める効果があるはずでしたから、結果としてユーロ売りにつながると予想できます。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 消費税の使途修正や引上げ可否の論議など財政悪化から円通貨への信用を損なう

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動の動向ユーロ圏不安からユーロ売り要因

 5. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 4. 英のEU離脱交渉の行方

 5. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 3. 消費税の使途修正や引上げ可否の論議など財政悪化から円通貨への信用を損なう

 4. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 5. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 6. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 7. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 8. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

 

以  上

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2017年9月14日 (木)

iPhone X の公表で感じた。 iPhoneの人気は高い。

日本はiPhoneのシェアは非常に高いそうです。今日の読売新聞朝刊によれば、出荷数でスマホ全体の5割。それに対して、世界では1割強。サムスンのシェアの方が高いとのこと。

日本におけるiPhone 人気の理由はなんでしょうか。それはカッコいいから。

ノートPCでは、モニターを開くと、かじりかけのリンゴマークが立ちますね。それを見ると、なんだか使っている人の「こだわり」を感じてしまいます。なんか仕事ができそうでカッコいいなあ・・・と。同じように、iPhoneもなんだか先端を行ってて、なんでも先取りする・・・・先取りできる敏感なセンサーを持っているようで、カッコいいなあと思ってしまいます。iPhone コンプレックスと言えるかもしれません。

今日の日経新聞朝刊によれば、iPhoneを使っている人の79%が次もiPhoneにしたいと思っているそうです。サムスンより16ポイント上回っています。特に日本ではiPhone-userの忠誠心が強いのでしょうね。

因みに、本日の各紙。日経新聞は2面の社説のすぐ左隣に比較的大きな紙面を割いてiPhone Xを紹介していました。読売新聞は政治面にはありませんでしたが、経済面のトップに。NHKは朝7時ニュースのトップ、夜7時、9時でも相当の時間を割いていました。相当高い位置付けです。因みに本国での扱いは・・・、New York Timesworld欄、US欄にはなくてBusiness 欄の27項目中20番目、Technology面の3番目の扱い。Washinngton Postでは、World欄、US欄にはなくて、Business欄の下の方に、「アップルはここからどこへ行くのか」ってなニュアンスの見出しで紹介していました。

ところで、日本ではWindowsのスマホ売っていませんね。昔は、ドコモがサッカーの中田英寿でPRしていたT-01というのがあり、僕はPCが全部Windowsなので重宝していましたが、今はそれがまるでドコモの過去の汚点みたいな扱いになっています。世界ではWindowsスマホもそれなりのシェアを持っているのに、日本では頑なに触れようともしない。なんだか変な感じですね。

 

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iPhone X、新機能をどう評価するか

アップルがiPhoneX という最上位機種を発表しました。実際の販売は11月ですが、PRへの力の入れ方は大変なものです。NHKのニュースではトップに採りあげ、日経新聞は2面の社説のすぐ隣で紹介していました。

新たな機能や特徴が紹介されていましたが、私にはiPhone6 が世に出される時に強調されたクラウド活用ほど大きなインパクトが感じられません。

まず、ホームボタンが廃止されたこと。画面したからスワイプしてホームを表示させるようですが、押す方が明らかに楽じゃないですか。スワイプしなければホームに行けないのは、昔あった、触れなければ時刻が表示されない時計と同じです。はじめは珍しがって人が群がりましたがすぐに廃れました。スワイプは「次に行く」というワクワク感があって、その作業負担に耐えられますが、単に戻るだけなら押す方がいいと思います。つまり敢えて変える必要はなかったのではないかと思います。アンドロイドは家の形に振れるだけなので調子がいい。「触れるだけ」に対抗するために敢えてスワイプにしたのでしょうか。単に奇をてらったとしかいいようがありません。

次に有機EL。液晶に比べ色が鮮やかで、速い動きにもついていけるという点で進化しました。動画がきれいに見え、今後利用が進むと思われる仮想現実や拡張現実の世界にも対応可能です。これらは、現状では主に遊びの分野で話題になっていますが、今後はAppsの開発次第で、実用の分野、救護や医療の分野でも手元のスマホが使えるようになればいいなあと思いますね。ただ、当面の間、部品をサムスンから調達するとのこと。サムスンは既に導入しているわけなので、この点ではアップルに先んじています。そのサムスンから調達するのは当面の間とはいえ少し心配ですね。

顔認証にういてはどうでしょう。寝ている間に他人がかざしても認証はしないということで、例えば奥さんがご主人浮気の証拠を押さえようとして、ご主人が寝ている間にスマホの中身を見ようとしてもできないそうです。認証ミスは指紋認証ミス確率の5万分の1に比べて、なんと100万分の1だそうです。安心ですね。でも、暗証番号ではなぜ駄目なんでしょうか。僕は妻に一切隠しだてはありませんので、Codeも使っていませんが。

ボディはガラスとステンレスだそうです。以前のガラスとアルミによるものより重たくないのかな。メルセデス・ベンツは車を軽くするために半分をアルミに代えたそうです。アルミは傷つきやすいので、ステンレスの方がきれいなまま使えるという利点を優先したのかもしれません。

非接触充電は、それが必要とされる状況になったことがないので、なんとも評価できません。僕は、つながっている方が、ちゃんと充電しているなと安心できるのではないかと思ってしまいます。

新機能、いろいろありますが、10年記念の画期的な・・・と言えるかどうかは微妙かもしれませんね。昨夜のNHKニュースセンター9時では、ITの世界は、10年毎に大きな変化があると有馬キャスターがおっしゃっていました。Windows95でインターフェイスがマウスに変わった。デジタル革命ではインターフェイスがタッチに変わった。で、今回はどうか。声に変わった。

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2017年9月 5日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年8月末現在)

【米ドル】・・・対円

8月は、箱型相場でした。

しゃにむり日本語にしましたが、所謂ボックス相場といことです。北朝鮮のICBM発射で108円台前半まで下落したほかは、概ね110円台半ばから109円台後半の間を往ったり来たりする相場でした。

ボックス相場ですから、上げ下げ両要素が絡み合ったということになりますが、上げ(ドル買い)要素は、ずっと話題にのぼっている日米金融政策スタンスの明確な違いです。日銀は緩和スタンスを変更しないと言い続けている一方、米FRBは、年内の再利上げこそ微妙になってきているものの、買い取り資産の縮小を今月にも決定すると見られていることから日米のスタンスの違いははっきりしています。中期的には引き締め通貨は買われるとの理屈から、ドル買いの要因になります。

それに対して、ドル売りの要因は、米FRBの再利上げは指標次第とされている中、このところインフレ指標が落ちていることです。また、北朝鮮問題もリスク退避先である円買い要因となっています。

結局、110円近辺で月末を越えました。なお、高値は月初の良好な雇用統計によるものでした。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

8月はまた引き続き上昇しました。

中期的には、201612月を底に、毎月目に見えてユーロが買われています。

月初は1.18台半ばで始まりました。その後、欧州中央銀行ECB理事会議事録に、ユーロ高を懸念するむきがあったことから、月央に1.16台まで弱含む場面がありました。しかし後半は、好調なユーロ圏経済の各指標から、金融緩和を徐々に(テーパリング)脱する方針が間違いなく貫かれるだろうとの期待感にじりじりと上昇し、一時20151月以来の1.20台をつけました。

ユーロ圏経済は、GDP成長率や失業率低下はこのところずっと続いていますし、長い間金融緩和出口を危ぶむ材料となってきたインフレ率も伸びている状況です。

相場は結局1.19の前半で月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

当面は、以下の上げ下げ要因が相半ばするものと思われます。事態の進展や報道のタイミングによっては乱高下する可能性がありますが、相反要因が相半ばするなかではやはりボックス相場が続きそうです。

・米米金融スタンス

日銀の緩和スタンスは当面変化しないでしょうから、注目するのは米国です。特に9月19~20日はFOMCが開催されます。焦点は資産買い取り規模の縮小を決定するかどうか。市場は決定すると見ていますので、これが外れるとドル売りです。

・米予算案と債務上限引き上げ承認動向

米再利上げなどの金融スタンは基本的に、指標を見ながら判断するというのがFOMCメンバーの考えですが、その指標に影響を与えそうなのがこの要因です。トランプ氏の議会運営が混乱している中、予算が承認されないと政策が執行できずに停滞し、経済にも悪影響を及びかねません。また、例年問題となる債務上限の引き上げも認められないということがあれば、同様に行政が止まり、金融緩和から出ることが困難になる。困難になると日米スタンスの開きが縮まってドル売りとなります。

・北朝鮮リスク

いわゆる知政学リスクが高まると、リスク回避先の円に資金が逃げ込む為、円が買われるというのが影響の仕方ですが、中東のリスクと北朝鮮のリスクでは事情が異なるはず。北朝鮮は日本も巻き込まれる可能性があるため、円に逃げ込むより円から逃げるインセンティブが働くだろうという予想です。しかし、実はこれも微妙です。数年前、東日本大震災では日本が当事者であるにも関わらず、円が一時高騰しました。保険金支払い準備の為に海外投資資金を国内に還流されるだろうとの思惑が働いたためです。

以上は、短中期の要因ですが、展開の仕方によっては長期要因にもつながるかもしれません。特に政治リスクは転び方によってその後の体制を大きく変えてしまう可能性があり、その時には長期シナリオも大きく書き換えなければならなくなるでしょう。その意味ではトランプ政権の行方も気になります。

 

ユーロドル ・・・

上記のように201612月を底に毎月上昇し続け、中期的な相場動向の傾向がはっきりしています。上昇を裏付ける経済の基礎力はユーロ通貨の信用力を支えていますが、相次ぐ各国の選挙の動向が右傾化リスクをはらみ、これが上値を重たくする要因になっていました。それが1つずつ安堵する形で片が付いたおかげで上値を押さえていた重しが外れたという流れになっているような気がします。話題にのぼる選挙の最後であるドイツ(924日)も一時低迷したメルケル氏の支持率が盛り返しており、市場もこれを懸念していません。当面はユーロ強含みという方向は変わらないと思います。

もちろん、中長期的なリスクはあります。経済ではユーロドル相場はあくまでドルとの相対比較で決まることから、米政権が思いのほか安定して経済積極政策が効き、FRBのスタンスが一気に引き締めに向かうなら、それがユーロの重しになる可能性があります。長期では英国の離脱交渉の行方とその影響、移民政策の影響などです。特に移民政策は将来、移民二世の不満がユーロ社会の根幹を揺るがしかねません。そうなると、地位を脅かされそうな中間層に再び右傾化思想が広がっていく可能性があります。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米予算案・債務上限引上げの議会承認可否 :円滑に承認されれば経済積極先に期待集まりドル買い

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. 20179月の米FOMC :資産買い入れ規模の縮小が予想通り決定されるか否かされなければ期待外れのドル売り

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 英のEU離脱交渉の行方

 5. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. ギリシャ問題:2018年に第3次支援終了

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

以  上

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2017年8月30日 (水)

「事業資金調達の教科書」を中央経済社から出版しました

書籍を出版しました。

「事業資金調達の教科書」中央経済社 著者:金森亨

事業性評価という言葉が浸透しつつあります。資金は事業に活かしてこそ。

活かすには、その事業に「事業として成り立つ素質」があるかどうかを吟味し、資金をどこにどう使えばそれを発揮させられるかを考えなければなりません。

本書では、そんな事業性を念頭に、事業資金調達の考え方として、資金使途、リスク、金利予測等を解説し、後半に調達手段毎の活用方法を説明しました。

企業経営に携わる人のほか、資金調達をコンサルする診断士の皆さんにも指導要領として使っていただければありがたいと存じます。対銀行対策にも使えますよ。

よかったら、前著「為替リスク管理の教科書」「事業再生の現場プロセス(共著)」(いずれも中央経済社)もどうぞ。

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2017年8月11日 (金)

小池百合子氏の知事としての働きぶり

小池百合子氏は、ゴタゴタしたあげくにようやくオリンピックの開催施設問題が着地した際の記者会見。

 

「大山鳴動してネズミ一匹しか出なかったといわれていますが、いかがか」と質問した記者に対して、

 

「それは失礼ではありませんか。費用も削減できしたし・・・」と口だけ笑って反論しました。しかも、「あなた、なにを馬鹿なこと言ってるの。人が聞いたら嗤うわよ。」とでも言いたげに、淫蕩な嗤いを表情に出して。

 

「失礼」とはいったいどうしたことでしょうか。記者は削減できた費用等の成果を指し、それが大山鳴動の後のメズミだと評価する声が世間にあることを引合に出したに過ぎません。実際に世間の評価はそうであったと思います。失礼でもなんでもない。その評価が間違っているなら、事実を添えて間違っていると回答すれば済むこと。相手を馬鹿にしたような淫蕩な笑いを浮かべた失礼と言う方が、よっぽど失礼ではないだろうか。私にはかなり違和感がありました。

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小池百合子氏の都民ファースト、若狭の国民ファーストは無政策の政策で受け皿になるのか

都民ファーストが圧勝した都議選。何故、民進党は、支持率が低下した政権与党の受け皿になることができないのか。一度はなったけど、その期待を裏切ったからだというのが大方の見方でしょう。民進党の前身である民主党は、1年毎に首相が代わる自民党に嫌気がさした無党派票の受け皿となって大きく票を伸ばしました。それまで耳にしなかった「マニフェスト」には、小泉政権が取り入れた新自由主義の浸透で広がった格差是正を念頭に、国民生活の目線に沿った公約を掲げていました。概ね以下のような内容だったと思います。

 

Ÿ 目指すのは、コンクリートから人へ、直接給付型による人間の安全保障、外交では新時代の日米同盟とアジア外交強化

Ÿ その為の手段として、事業仕訳などによる財源確保と政治主導による戦略実行

 

消去法による民主党選択もあったと思いますが、上のマニフェストに大いに期待したむきもあったでしょう。しかし誠に残念なことに、理想に経験値と戦略がついていかなかった。そのうえ、リーマンショクの後始末と東日本大震災という不幸な出来事が重なり、小沢対反小沢の確執やら、唐突に口をついて思わずでてしまった「最低でも県外」が、当初のマニフェストを粉砕してしまった。誠に不幸としか言いようがありません。

 

都民はそんな民進党を見きってしまったといえます。なら、自分の票を都民ファーストに持っていくしかないと大方の人々が思ったのでしょう。

 

ところで、都民ファーストの政策は、・・・・・なんでしたっけ?

 

よくわかりません。都政を変えるとは言ってたような気がします。都議会を改革するとも。でも、それは政策なのでしょうか。マニフェストなのでしょうか。都政が歪んでいるなら、とっととやればいい。都議会が腐っているなら、さっさと直せばいい。それは政策でもマニフェストでもありません。ことさら言い立てる必要のない、単なる方法論です。

 

政策とはなにか。間違っていた方法が正しい方法に変わったとして、その方法を使って、何をどうするのかが政策です。政策とビジョンがあって、それを実行するための方法の両方が揃ってはじめて知事の仕事が始まるのではないでしょうか。

 

私は別に民進党を支持しているわけではありませんが、上の民主党のマニフェストは少なくとも、政策と方法が網羅されていると思います。ところが、小池百合子氏も、都民ファーストも国民ファーストもそれがない。実行に失敗しても、政策がある民進党の方が、政策のないファーストよりまだいいような気がしますが・・・。

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2017年8月 7日 (月)

北朝鮮のICBM開発、国連安保理制裁決議の効果に疑問 立場を逆転できないだろうか

 

北朝鮮のICBM発射実験が続き、米国東海岸を射程に入れる核弾頭搭載ICBMの完成が間近いのはないかとの懸念が広がっています。しかし、これを阻止しようとする国際社会は足並みが必ずしも揃わず、制裁を強化して強制力に訴えようとする日米韓に対して、中露は対話による解決を主張しています。

 

 

 

対話で本当に北朝鮮が核武装を断念するなら、それにこしたことはありませんが、それは過去のいきさつからして実現可能なシナリオではないように思えます。なのに、中露はあくまで対話を優先する姿勢を崩そうとしません。

 

 

 

そんな状況から勘ぐると、ひょっとしたら、中露は北朝鮮を日米に向けて装備した攻撃手段として位置づけているのではないでしょうか。暴発して実際に攻撃しないまでも、予測不可能な懸案事項として、ずっと日米をその頸木の中に閉じ込め、次第に国力を損なっていくのを待っているのではないでしょうか。ならば、中露にとって北朝鮮は都合のいい外交ツールですから、当面はそれを今のまま温存するのが国益にかなうはず。彼らが国益を優先する限り、国際社会に協力するように見せて、ばれない方法で北朝鮮の核武装を支援する構図がしばらく続くような気がします。

 

 

 

但し、中露のそういった戦略が成り立つためには、なにをしでかすか予測不能な北朝鮮でも、中露に対しては敵対しないはずだという前提が必要です。かれらにはその前提が揺るがないという安心感があるのでしょう。

 

 

 

さてそこで逆転の発想です。

 

 

 

日米韓が逆に、現在の中露の立場に立つことは出来ないのでしょうか。北朝鮮は中露に敵対することはあっても日米韓に敵対することはないはずだから、我々にとって北朝鮮問題は心配するに値しない。むしろ、北朝鮮は我々にとって都合のいい対中・対露の外交ツールになっているという状況です。資本主義、社会共産主義というイデオロギーの違いや民主主義対一党独裁という体制上の違いはひとまず置いといて、経済支援など北朝鮮が最も必要としている利益を気前よく与え、彼らの利害を我々の方に近づけるのです。

 

 

 

ただ、そのためには、やはり対話が必要という皮肉なことになるかもしれませんね。まさに先が見えない、悩ましい問題です。

 

 

 

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2017年8月 1日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年7月末現在)

【米ドル】・・・対円

7月は、6月とは逆に動き、中旬以降下降しました(円高)。

前月のドル堅調の流れを受けて、112円台半ばで始まった米ドルは好調な米雇用統計の結果(非農業部門雇用者増加数予想比大幅増加)を受けて、さらに伸び、10日には114円台前半に乗せました。しかし、その後、下がっては少し戻りを何回か繰り返し、結局110円台前半で月末を越えています。

材料は、ほぼ日米の金融政策スタンスの違いに集約されます。

米FRBは利上げの機会をうかがい、買い取り資産の縮小を視野に入れるなど緩和策から出る方向が明らかであるのに対し、日銀は6度目となる物価目標達成の延期を決めて、緩和を継続する姿勢が明らかです。

したがって、経済指標がこのスタンスを後押しするような形で現れるなら、ドル高円安です。それが7月上旬の形でした。

しかし、米国では物価上昇の兆しが弱く、買い取り資産の縮小こそ年内にも実施されるとの見通されるものの、金利については二の足を踏んでいます。対する日本では「景気」は回復基調を続けているもののやはり物価が伸びないという状況です。いずれも両国の金融政策スタンスを思惑通り進めることの難しさを象徴し、中旬以降は当局のスタンスとは逆の方向でだらだらと流れていく結果となりました。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

7月はじりじりと上昇しました。

先月も書いたように、ここ当面は201612月の1.04台を底値に、その後毎月1段ずつ上昇してきました。7月もその続きです。

ユーロ圏の経済は、結構前から堅調に推移しています。ファンダメンタルズを考慮するなら通貨ユーロはそれなりに評価されてしかるべき。それなのに、上値を抑えつけられていたのには2つ理由があります。

1つは、政治リスクです。英国の国民投票でEU離脱が決まってしまった悪夢を欧州各国の選挙で繰り返すのではないかとの懸念が年初にはありました。これがオーストリア、オランダ、フランスとひとつずつつぶされていくに従って、安心感が広がってきたのです。

もうひとつは、ECBの金融政策スタンスです。経済が堅調に推移しているのだから、そろそろ緩和策を出てもいいのではないかと声に対して、ドラギ総裁の発言は徹頭徹尾慎重でした。それが、ここへきて少しずつ打ち出すようになってきました。20ECB理事会後の会見では、テーパリング(徐々に量的緩和策を縮小すること)を検討することを明言し、さらにユーロを押しあげました。月初1.14台前半で始まり、月末には1.18台前半で終えています。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

しばらくは日米金融当局の政策スタンスを反映した動きになるものと思われます。ただ、7月も思惑通りに進まなかったように、そのスタンス推進を許す環境にあるかどうかが相場動向に影響するでしょう。

その意味で物価動向や雇用統計などに引き続き注視すべきなのは言うまでもありませんが、米国の場合はそれを動かす、経済運営もみておく必要がありそうです。雇用が促進され物価も上昇するためには、積極的な経済運営が大事です。この点では、トランプ大統領が公約している、減税や公共投資など経済刺激策がスムーズに実行されるかどうかがポイントです。そもそも、トランプ大統領当選で、それまでの予想に反してドルが買われたのは、その積極政策に期待したからでした。また、7月に米ドルが伸び悩んだのは、政権運営がぎくしゃくしてそれがなかなか進まないからでもあります。ここへきて、就任したばかりの広報部長をわずか10日で解任するなど、混乱は収拾するどころかますます拡大しているようです。米ドルの上値は重いと言わざるを得ません。

また、北朝鮮や対露・対中の政治リスクも大きくなってきました。ちょっと前までは、制裁や軍事行動など対応策がありましたが、いまは先が見えない状況です。ただ、これが有事の円退避と出るか、それとも日本も危ないと見られて円売りと出るかは判断しにくいところです。

 

ユーロドル ・・・

ECBのスタンス舵取りが緩和縮小方向に明確に切られ、具体的にテーパリングの検討段階に入ったことで、市場ではシナリオの組立てが始まりました。

年内に量的緩和の縮小段取りを検討して固め、来年初から夏にかけて実行するというものです。この間、物価などの経済指標がしっかりしていれば、利上げも検討されるでしょう。米国が躊躇しているのに比べて、EUの足取りはしっかりしているようにも見え、リスクがなければ、米ドルに対して引き続き伸ばすのではないかと思います。

リスクは、秋に控えるドイツの選挙と来年夏のギリシャ向け第三次支援期限です。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い、もしくは日本への不安からくる円売り。

 3. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況:混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。

 3. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 英のEU離脱交渉の行方

 6. 第3次ギリシャ支援期限(2018年夏)の再交渉の行方

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. ギリシャ問題:2018年に第3次支援終了

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. 北朝鮮、中東の政治リスク:リスク回避は円買い。但し、北朝鮮リスクは日本の当事者なのでいちがいには言えない。

 

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