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2010年5月 4日 (火)

リーマンショックの原因の原因

リーマンショックの根本的な原因は、金融機関がお金の使い道に焦点を当ててお金を貸すことをやめてしまったから。

昔、銀行の融資はもっと健全でした。お金を貸すということは、それなりにリスクを伴うことなので、銀行員はそのリスクを吟味して判断するための知識や知恵を身につけようとたゆまない努力を重ねてきました。だから多くの銀行員は、貸したお金が返ってくるかというリスク判断に結構自信をもっていました。

ここで、貸したお金が返ってくるかというリスク判断は、単に借入人に現状の姿で観た返済能力があるかどうかということではなく、貸したお金が借入人の意図に沿って有効に使われ、そのお金が生きて、将来返済資金を含む果実が得られるかどうかという点に重きがおかれます。

その為には、貸出先の経営者や企画担当者などから、お金の使い道をよく聞き、それがどんな計画で、実現可能性は十分かなど分析するのです。融資審査担当者はなにも財務諸表だけ分析しているわけではありません。

それは、社債などでも同じです。

社債を発行するときは、目論見書をつくります。目論見書には集めたお金をどのように生かすのかという、文字通り目論見が書かれていて、それで投資を促す。もちろん、証券会社はその目論見が正しく実現可能で意義のある事業かどうかを見極めて納得しないと引受しません。

金融とは、そのようなものであったはずです。

ところが、最近はお金が生きるかどうかという事業の中身より、単に借入人や発行者に、現状の姿で観た返済能力があるかどうかということだけに着目してそれを数値化し、統計学の手法を駆使して、切り刻み、或いは加工し、或いは組み合わせるなど、当初の姿をとどめない金融が幅をきかせるようになりました。

そうなるともう、投資家や資金の貸し手にはもともとのお金を生かす事業や目論見など見えません。借入人は、返済する為に借りるのではなく、お金を使って何かを生み出す為に借りるのです。

整理すると、問題は2つあります。

ひとつは、数値化できるものが現状の借入人の状況だけだということ。昔、銀行員が持っていた、お金を生かして果実を生む事業に有効に使われるのかどうかという視点がここから欠落しています。統計学は過去データを帰納法的に分析するものであり、財務分析は現状の財務の状態が見えるにすぎません。それに対して、お金が生きるかどうかという問いかけは、人の頭で考える以外に正答を得る方法がない。

もうひとつは、切り刻んでいる間に、元の姿が見えなくなるということです。元の姿とは、お金を生かす方法のことです。数学を駆使して加工した金融商品を創り出す過程で、一番大切なそのことが見えなくなっています。

そんな金融手法が世界中に広がり、お金はなんのために必要なのかを忘れてしまった人たちが、それにとびついてリーマンショクが起こりました。

そんな中でも、本来の商業銀行に立ち返って、お金を生かすための融資機会を探している銀行支店長も多いと思います。中小企業は、そんな支店長のとこへお金の相談をしに行くべきです。その方法はまた別の機会に。

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