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2010年5月 1日 (土)

可哀相な英ブラウン首相と思いあがったマスコミ

英ブラウン首相が、遊説先の路上で女性有権者とちょっとした口論になりました。口論の後は、冗談など飛ばして、なごやかな雰囲気を取り戻し、なんとかおさまりましたが、その後がいけない。

顔で笑っていたものの、内心ではよほど反論されたことにむしゃくしゃしていたに違いありません。首相は車に乗り込むやいなや、側近に「あれは、どうしようもない。偏見に満ちた女だ。」と、不満をぶちまけたのです。

こんな車内の会話がどうして知れるところとなったというと、首相が放送用の小型マイクを取るのを忘れていたからです。しかも、放送局は、それを報道した上に、わざわざ件の女性有権者につげぐちしました。当然女性は怒り心頭に発し、首相はとうとう女性の自宅までお詫びに出向く始末。

この一件では、まず首相の過ちが責められるのは仕方ないとして、BBCかどこの放送局か知りませんが、その放送局も余計な事をしたもんだと思いませんか?ひょっとしたら、その女性有権者だって、家に帰ってご主人か誰かに、首相の悪態のひとつもついたかもしれない。でも、もうそれはオフレコです。首相の車内での本音もオフレコです。それをまるで鬼の首でもとったように暴いて見せるのはやっぱり大人げないと、僕は思います。

マスコミは、言論の自由を盾に取って、あまりにも悪意に満ちた取材と報道が多すぎます。日本でもそうですね。少しくらい漢字の読み方を間違えたからといって、一国の首相を馬鹿にするような報道はすべきではありませんし、たった10分の首脳会談で米紙が首相を敗者よばわりしたことに、そうだそうだと喝さいするのもどうかと思います。例えば普天間基地移転について、それぞれの案にどのような功罪があるのかといった肝心の中身に関する冷静は報道がほとんどなく、誰が先走ったとか、昨日の話と違うとか、離党したとかくっついたとか、芸能ニュースのような報道ばかりが目につきます。

ペンは剣よりも強し・・・とは、英リットンの戯曲「リシュリュー」のなかの台詞ですが、これもマスコミを思いあがらせている原因のひとつかもしれません。宰相リシュリューが謀反人を倒したくてもその手段を思いつかないでいるときに、側近が「あなたには、死刑執行できる権力があるのだから、ペンでサインすればいいじゃないか。」と言う場面があり、ここから「ペンは剣よりも・・・。」となりました。

しかし、上記からわかるようにもともとは、強権があるのだからペンで署名すればいつでもそれを発動できるのだという意味であって、文章の説得力で不当な(とマスコミが思っている)権力乱用に立ち向かい勝利できるのだ・・・・という意味ではありません。権力を行使する意味だったのに、権力に抗する意味になってしまいました。

仮に、100歩譲って、文章で説得できるし、言論は自由なんだという前提なら、そんな強い力を持っているマスコミは、もっと高貴な義務感を持って、報道活動に当たってほしいものです。

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