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2010年5月20日 (木)

ギリシャとEUの金融危機はリーマンショックと内容が違うがつながっている

ギリシャ財政危機に端を発するEUの危機と、いわゆるリーマンショックと言われる、米国発の金融危機とは同じ危機でも内容が違います。大雑把にいえば、EUの仕組みにもともとあった矛盾がリーマンショック後の対応によって表面化して事が大きくなったと言えます。

リーマンショックは、お金を実体経済の為に使うことを忘れてしまった人たちが、信用リスク売買市場(CDS市場)に大量の流動性をつぎ込んだ結果起きたもので、その本質はバブルです。ついでに言うと次のバブルは、二酸化炭素排出権取引市場かもしれませんね。

これに対して、EU危機はもともとあった矛盾が表面化して信用収縮が起こったのであり、バブルではない。

EUの仕組みにもともとあった矛盾とは、異なる経済単位を単一通貨で統一している仕組みそのものです。当然ですけど、異なる経済単位とならぬよう、通貨以外のあらゆる経済政策も統一すれば矛盾は生じないはずです。でも、そうはしない。みんな自分の国のアイデンティティを大切にしたいし。豊かな国は貧乏な国に足を引っ張られたくないからです。

だから実際には、通貨にかかわる政策(金融政策)では、単一通貨を使うことで各国の自由度を奪うが、財政政策の自由度は残してあるなんてことになっています。経済政策は、大きく金融政策と財政政策に分類できますから、各国で自主的に操作できるのは財政政策だけということになって、残り半分の金融政策ではEU全体のルールに従わざるを得ません。

その結果、ギリシャのように経済活動が貧弱な国がなんとかしようとすると、財政政策しか選択肢がないので、財政赤字がどんどん膨らむことになります。そこへ、リーマンショックが起こり、無理に無理を重ねて財政が出動した結果破たんした。

そのあとに発生した、欧州全体の金融市場の信用収縮は、大型の(ギリシャ国家のような)不良債権が発生する、或いはしそうになる場合によくあることですから100年に一度ということはない。

結局、財政破綻も信用収縮もバブルではありませんから、この意味において、リーマンショックとEU危機の内容は異なります。

ただ、EUのこの矛盾は、様々な工夫をすることでいままでなんとか大事に至らずに済んでいたのに、リーマンショック後の対応として財政が大きく出動したもんだから、一気に悪い面だけ露呈して危機になったと言えるわけで、その点では、リーマンショックが欧州危機に形を変えて続いていると言えるのかもしれません。両者はつながっているんですね。

で、思い出すのが、夏目漱石の「道草」。「世の中に片付くなんてものは殆んどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから他にも自分にも解らなくなるだけの事さ。」

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