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2011年2月 7日 (月)

新燃岳噴火と地熱発電

新燃岳噴火のニュースを見ていてふと思った。日本は世界有数の火山国でありながら、あまり地熱発電に利用する取り組みについて聞かれないのは何故だろうと。

そこで、日本での地熱発電について調べてみた。

まず、国別の地熱発電容量は、

アメリカ合衆国    2,534.10MW

フィリピン           1,930.80MW

メキシコ           953MW

インドネシア            797MW

イタリア          790.5MW

日本              535MW

で日本は、世界で6番目だ。米国は国土が広いから比較が困難だとして、注目したいのは、フィリピン。フィリピンも日本と同じように火山国だが、国土はフィリピンが約30万平方キロと日本の約38万平方キロより狭い。でも、日本の4倍近い地熱発電容量を持っている。そして総発電容量に対する、地熱発電容量の比率は、フィリピンの14.4%に対して、日本はわずか0.2%だ。いかに日本では地熱発電に目が向けられていないかが分る。

国家のエネルギー戦略を見てもその様子が分かる。最新のエネルギー政策は、平成22年6月18日に閣議決定された、「エネルギー基本計画」だが、二酸化炭素を多く排出する化石燃料からの脱却を目指すものとして、原子力発電については、何ページにもわたって記述があるが、地熱発電については総ページ数65ページのうちの僅か3行しか記述がない。

何故なのか。地熱発電はこれほどまでに軽んずるほど魅力がないのか。そうではない。地熱発電のメリットを揚げてみよう。

   二酸化炭素をほとんど排出しない環境にやさしい方法であること。

   安定供給ができ、風まかせとかお天気まかせではないこと。

   発電コストも8.3円/kWhと十分安く、建設費用の回収も早期に可能であること。

などいろいろあるが、なんと言っても重要なのは、製造業などのように空洞化の心配がないことではないかと思う。

地熱発電はそこにエネルギーがあるから、そこでしかできない事業だ。その製品である電力は海外から送電線を通じて輸入しようとしても難しい。しかも需要が大きい。国内に十分な需要があって、海外からの調達ができない産業は関税などで保護しなくても、国内に居続けることができる。地熱発電事業はその典型ではないだろうか。

さらに、安定したエネルギー確保という産業にとって一番大切なインフラが確保されていれば、海外に移転しようとしていた製造業も思いとどまるかも知れず、海外の企業も対日直接投資を活発化させる可能性さえ出てくるかもしれない。

だから、地熱発電は、産業の空洞化、雇用機会の縮小といった日本経済の重大な悩みも解決してくれる可能性がある。

では、なぜ進まないのか。

それは、候補地となるような場所の多くが国立公園や国定公園の中にあり、開発が規制されているためらしい。観光地の景観を損なうとか、温泉資源に変化があると困るとかいうことだ。

そんなこと、いくらでも工夫できるのではないだろうか。観光地では、下品なガラクタばかり売る土産物屋の街並みこそよっぽど景観を損なっている。温泉資源の変化は調査してみないと何もわからない。

最近は技術も進み、公園の外から斜めに掘り進んで地熱を拾うことも可能になってきたという話も聞いた。閉塞する日本経済の突破口を築く為にもなんとか研究を進められないだろうか。

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