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2011年8月31日 (水)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第15章(全61章)・・・第二巻

15.   かつてない現実

(1)   仕事も働き手も急激な変化にさらされている。それは、

  労働人口の大半が「雇い人」になったこと。

  労働人口の主体が肉体労働者から知識労働者に移行しつつあること。知識労働は、高い技能や学歴を要するものとは限らない。

(2)   上記の変化が意味するものは、肉体労働者を襲う危機と労働組合の危機だ。

  肉体労働者を襲う危機

a.  知識労働者の台頭により、肉体労働者の地位が低下している。

b.  労働者の階級闘争は、対資本家ではなく、肉体労働者対知識労働者でこそ厳しい。

  労働組合の危機

a.  肉体労働者を襲う危機は、肉体労働者たちの組織、つまり労働組合の危機になる。

・  リーダーの問題 :有能な若者は高等教育を受け、専門職やマネージャー職につくため、人材の空洞化が起き、大志より怒りや恨みに駆られた人々がリーダーとなる可能性が高い。

・  組合員の問題 :併せて、労働者が負け組意識にさいなまれているため、リーダーにすら反発する。

b.  こうして、組合のリーダーは統率力を失い、労働組合はその役割を果たせない。

c.   しかし、経営層は権力の担い手であり、権力には抑制が働かなくてはならないから、経営側と対峙するための労働組合は(社会にとっても)必要である。

d.  マネジメント層は労働組合の将来、役割等をじっくり考えるべきだ。労働組合の弱体化をマネジメント層の強さの証だとするのは、とんでもない自己欺瞞である。

(3)   知識労働者のマネジメント :新たな挑戦

  しかし、肉体労働者や労働組合との関係をマネッジメントするのは、社会にとって重要でも、経営者にとっては後ろ向きの仕事である。できることはせいぜい産業革命以後放置されてきた痛みを取り去る程度でしかない。

  それに比べ、知的労働者のマネジメントは新しく、より困難な任務になる。例えば・・・

a.  肉体労働者マネンジメントは、経済的困窮など恐怖という武器がその代役を果たしてきたが、知的労働者の生産性を向上させるのは動機づけと方向付けである。

b.  知的労働者は過去の「知識プロフェッショナル」とも異なり、むしろ従来の熟練労働者の後継にあたる。だから、知的労働者の地位、役割、位置づけなど明確にする必要がある。

c.   知的労働の生産性の測定は定義が難しい。

d.  知的聾者の達成感の定義はそれ以上に難しい。自己充足できているなどという実感は当人しか向き合えないからだ。

(4)   労働者のセグメンテーション

  では、労働者は知的労働者か肉体労働者かに二分されるかというとそうではない。生産分野に従事する事務員は独自の重要なグループであるし、性別による労働者のセグメンテーションはやはり重要である。

  企業でも他の組織でも、雇用主は人事方針を一本化していたが、将来は働き手のセグメント数と同じだけの人事方針がもとめられるだろう。とりわけ働き手の達成感を満たすためのセグメント毎の異なる手法が必要になる。

(5)   新世代の働き手

  以上の変化を受け、新世代の働き手が登場した。高い教育を受けた若者を中心に仕事とマネジメント、組織、経済関係や権力関係などの分野で伝統に挑み、古くからの「プロテスタントの倫理」(サブノート作成者「とかるや」の注釈 :野中郁次郎「知識創造の方法論」P103参照)が崩れつつある。

  新世代の働き手は、経済的報酬への欲求を失っていないが、その反面、それ以外に心理面、社会面の満足を期待している。

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