« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第16章(全61章) | トップページ | ドラッカー「マネジメント」サブノート、第18章(全61章) »

2011年9月17日 (土)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第17章(全61章)

(1)   仕事の生産性を高める4つのステップ

  仕事と労働を混同してはならない。

a.  仕事の中身は普遍的で変化せず、技能や知識は労働に宿っている。仕事≠労働

b.  だから、科学的管理法(テイラー)のような合理的で人間味の薄いアプローチと働き手の達成感を高めようとする試みとは矛盾せず、互いを補う関係にある。

  仕事の生産性を高めるには4つのステップが必要。すなわち「分析」、「統合」、「コントロール」、「ツール」

(2)   ステップ1:分析

  従来の仕事の分析は、以下の要素からなる。

a.  特定成果物を得るのに必要な作業をすべて数え上げる。

b.  作業を合理的順序に並べ、簡単で円滑な低コスト作業フローを築く。

c.   個々の作業を分析して、最大限効率が実現できるよう再設計する。

d.  これらの作業を業務単位にまとめ上げる。

  上記に加え、「求められる成果が何かを見極める」要素が必要だ。

a.  最初に、何を生産しようとしているか、そもそも何が仕事かを自問自答すべき。

b.  最終成果が何であるかは常に自明ではない。最終成果を無条件に受け入れることで、非効率が生じ、相当の生産性が失われてきた。

  また、従来の発想は労働の分析を含むが、それは仕事の分析とは異なる。

a.  従来の発想は、労働(作業)をいかに業務として統合するかを4つ目要素として列挙しているが、それは仕事の分析ではないからここでは除外すべきだ。

(3)   生産原理

正しい理屈を明快に一貫して合理的に当てはめるのが生産の本義である。そのため生産原理が求められる。4つの原理が知られている。個別生産が最も単純で一貫生産が最も高度である。

  個別生産

a.  ひとつひとつ異なる製品を扱う。常に標準ツールを使い、大抵は原材料も一定。

b.  個別生産では同種の作業段階をそれぞれひとまとめにする。

  画一的な大量生産と非画一的な大量生産

a.  大量生産では、一定のツールと原料を使い、標準化された部品を組み立てて最終製品にする。

b.  画一的な大量生産では、ツール、原材料、部品に加え、最終製品も規格化されているが、非画一的な大量生産では、規格化された部品を用いながらも最終製品に多様性を持たせる工夫がなされている(基本プロセスは標準だが多様性は個別性遺産方式によって最後に添えられる)。

c.   非画一的大量生産導入のコツは、製品を体系的に分析し、表面的な違いの裏に隠された共通性を見抜くこと。共通性に基づき最小限の標準部品を組み合わせてできるだけ多彩な製品を作るようにすること。

  一貫生産

a.  統合型体制が取られ、段階や部分に分かれておらず、使用プロセスも一種類だけ。

b.  全体がひとつの体系をなしているため、適切に運用すれば凄まじい経済性と生産性が引き出せる。

(4)   各生産原理の要件

  原理別要件

a.  個別生産

·  労働集約的で、融通がききやすいので、少量生産や生産量の変動が激しい状況にも対応できる。高い技能を要する半面、判断はほとんど求められない。

·  多大なコストを要するが、損益分岐点は低い。

b.  画一的大量生産

·  労働集約的な性格が強い。極めて多い生産量にしか適さず、わずかな変動も経済性にマイナスの影響を及ぼす。

·  プロセス設計、保守・修繕に高い技能を要し、判断が求められるが、実際の運用には低い技能で対応できるか、要しない場合もあり、判断はほとんど介在しない。

c.   非画一的大量生産

·  資本集約的な性格を強めるが、依然かなりの労力を要する。全体として膨大な生産量が必要だが、製品ミックスは自由度が高い。

·  システム設計・保守に高い技能が求められる。運用には低い技能で足りるが、判断を求められる局面は多い。

d.  一貫生産

·  極めて多額の設備投資を要する。損益分岐点が高く、製品ミックスを変えにくい。最小限の生産単位が大きく、少し増やす方法は不可。

·  運用では大量生産を途絶えさせず常にフル稼働(に近い状態)が求められる。

·  製品とプロセスが不可分であるため、プロセス変更は新製品を意味し、新市場を切り開く必要がある。

  意思決定期間

·  個別生産では短く、大量生産ではそれより長く、一貫生産では遠い将来の意思決定を行う。

  人材

·  個別生産には技術人材が必要、大量生産には分析的思考、スケジュール管理、プランニング能力に長けたマネジャーが欠かせない。

·  一貫生産には事業全体を視野に入れる、概念統合や意思決定能力が必要。

17.仕事の生産性を高める (1):仕事のプロセス

|

« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第16章(全61章) | トップページ | ドラッカー「マネジメント」サブノート、第18章(全61章) »

「マネジメント」(ドラッカー)のサブノート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548369/52755190

この記事へのトラックバック一覧です: ドラッカー「マネジメント」サブノート、第17章(全61章):

« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第16章(全61章) | トップページ | ドラッカー「マネジメント」サブノート、第18章(全61章) »