« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第17章(全61章) | トップページ | 東日本大震災、被災地東北の高額消費活発化の意味するもの »

2011年9月25日 (日)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第18章(全61章)

18.仕事事の生産性を高める(2):管理とツール

(1)   管理手法の基本要件

  仕事とはプロセスであり、あらゆるプロセスは管理する必要がある。

a.  生産プロセスに管理手法を設けておくべき諸点は、方向性、品質、時間と稼働当たり生産量、機械保守や安全性等に関する基準、経営資源の使用効率(経済性)。

  管理システムは以下の基本要件を満たさなければならない。

a.  対象は仕事であって働き手ではない。

ž 管理は働き手のツールであり、働き手がツールに使われる事態は避けるべき。

ž 最小限の負担に抑える。管理のせいで仕事に支障をきたすことは避ける。(第39章参照)

b.  成果や誤差の許容限度を予め決めておく。

ž 管理とは「例外」をもとに行われる。標準から外れた場合だけが管理の出番。

c.   終わった仕事からフィードバックをもとに行う。

ž 検査は管理システムの管理(検査により管理システムの改善を図る)。

  管理システムは、プロセスのどこに管理手段を設定すべきかを示すものであるべき。

管理を要する箇所、特定の局面だけの管理十分な箇所、予防的措置が求められる箇所、問題発生時に改善を施す箇所を明らかにした上で管理システムを設計する。

(2)   定型処理と例外処理

  管理システムが対処できるのは定型的業務のみ。

a.  対処できるのはプロセスそのものに支障が生じないようにすることだけである。

b.  例外まで対処しようとすると、プロセスそのものを狂わせる。理解を超えた、3%の事象のために、理解の範囲内にある97%を犠牲にしてしまうことになる。

  管理システムは例外に対処できないが、例外を検知することができる。

a.  例外の発生を防ぐことはできないが、業務プロセスから取り除くことはできる。

b.  例外だけを個別に扱えばよいのだ。

(3)   定型作業の3タイプ~定型作業には以下の3つのタイプがある。

  入力と出力がともに画一化された作業

a.  前章で示した2タイプの大量生産の両方に当てはまる。

  表面的には多彩だが実際にはいくつかの定型作業の組み合わせになっているもの。

a.  例えば、病院では患者が1人ひとり異なっていても、9割は10程度の病気のいずれが原因で通院・入院している。だから予め決めた少数パターンで管理すればよい。

  独自性の高い案件を扱うプロセス

a.  個別生産ですら通常は予測可能なわずかな形態が繰り返し現れるだけである。

b.  一件ずつ異なる案件でも、いくつかの傾向がある。じっくり考えた上で基準を定め、各人が基準に従って仕事を定型化し自分なりの管理を行う。

c.   このタイプは3つのうちとりわけ重要である。あらゆる専門職に共通する知識労働は主としてこのタイプに属する。

(4)   仕事とツール

仕事の生産性を上げるためには、それぞれの仕事に適したツールを選ばなくてはいけない。ツールは仕事のごとに異なるが、マネジメント上の基本要件を押さえる必要がある。

  ツールは最小限の努力や馬力で必要な仕事を極力シンプルにこなせるものが望ましい。

  ツールは仕事をこなるためにあり、ツールの為に仕事があるのではない。

a.  例えば、新型コンピューターが登場すると、それを何かに使いたくて、しきりに仕事を探すようになるが、本末転倒している。

b.  巨額な設備投資をすると、投資を正当化するため絶えず稼働させるようになりがち。

(5)   機械化とオートメーション

ツールは仕事の生産性を高め、働き手の達成意欲を引き出すように設計しなければならない。このためには適切な機械化の要件を理解しておく必要がある。

  機械化が適切に行われるための留意点として、(⇒第21章参照)

a.  人間が機械の一部に成り下がる危険を回避する。

b.  作業グループを分断する方向に使われ、仕事をとおして人の輪をつくりたいという人間の基本的欲求に逆らう結果を生まぬように注意すること。

ツールが仕事と労働の橋渡しであることを忘れ、仕事の中身だけを念頭にツールを設計すると上記のような病理が生まれる。

  機械化が労働を妨げるようになった場合は、下記のような対策がある。

a.  機械化を再設計する~たいていの場合はこれが唯一の解である。

b.  機械化を超えてオートメーション化を推進する。~例:電話交換システム~その4つの原則は・・・

ž 業務プロセス全体をひとつのシステムを看做す

ž 自然界の現象はいくつかのパターンに分類でき、それぞれ確率分布で定型化可能である。

ž フィードバックをもとに自己管理が行われる。

ž 人間は作業に携わらず、システムの設定を行う。

(6)   肉体労働を超えて

  仕事の分析(生産、管理、ツールの原則を見極める)手法は、肉体労働だけではなく、サービス業、情報処理、既存の知識の習得や応用にも使うことができる。

  この手法を応用できるか否かいまだ実証されていない分野が知識創造の分野だ。

a.  しかし、この分野も王できると考えて差し支えなさそうだ。

b.  エジソンは発明の生産性を高めるために、創造性を確実に育む体制や手法を築いた。「創造的なひらめき」を引き出したわけではなく、発明プロセスを細分化し、それらを相互関係や順序を検討して体系的な手法としたのである。

|

« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第17章(全61章) | トップページ | 東日本大震災、被災地東北の高額消費活発化の意味するもの »

「マネジメント」(ドラッカー)のサブノート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548369/52826798

この記事へのトラックバック一覧です: ドラッカー「マネジメント」サブノート、第18章(全61章):

« ドラッカー「マネジメント」サブノート、第17章(全61章) | トップページ | 東日本大震災、被災地東北の高額消費活発化の意味するもの »