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2011年10月 1日 (土)

ドラッカー「マネジマント」サブノート、第19章(全61章、第二巻)

19.   仕事と労働 :その理論と現実

(サブノート作成者「とかるや」の注釈 :仕事については、1718章でみたが、労働についてはどうだろうか。働き手と労働についての研究は、人間関係学派の諸説にみることができる。そのうちもっとも広く読まれた、マクレガーのX理論・Y理論について、現実と課題をみる。)

(1)   X理論・Y理論

  X理論 :働き手と労働への従来型のアプローチ。人々は怠惰で働くのを嫌うため、アメとムチをうまく使い分けながら働かせなくてはいけない。多くは責任をもって行動できないため、誰かが注意を払う必要がある。

  Y理論 :人間には働きたいという心理的欲求があり、達成感や責任を求めている。人間は成熟した存在でありたいと願うもの。

(2)   マズローによる批判

  Y理論を実践しようとすると、マネジャーやその部下の負担は大きい。Y理論の求める責任や自己規律に耐えられず持ちこたえられない。(とかるやの注釈⇒Y理論はそれだけでは実現性に乏しい)

  抑圧を取り除くだけでは不十分。

a.  X理論での安定性や確実性に代えて、別の安定性や確実性の枠組みを用意しなくてはいけない。X理論で命令や懲罰が果たす役割を別の手段によって実現する必要がある。

b.  X理論に代えてY理論を取り入れるだけでなく、X理論のはるか上をいかなくてはいけない。

(3)   マネージャーにとっての現実とは何か

  「スイッチが入る」などの口語表現が示すように、日常では、自分から行動を起こすのではなく、何か自分の外にあもの(動機、衝動、刺激)に反応する。人間の行動は、X理論・Y理論とも馴染まず(人間の本質論ではなく)仕事の仕組み応じて決まる。

  マネージャーが問うべきは、人間の本質はどの理論が正しいかではなく、自分の状況にはどちらが適しているかである。

(4)   「ムチ」(恐怖~大きな恐怖と小さな恐怖)

その中でも、事実は、X理論に基づく従来のアメとムチはもはや機能しない。その理由は・・

  過去には、大きな恐怖(クビになる恐怖)で労働へと駆り立てたが、現在は失業の恐怖は過去ほど大きくはない。

  小さな恐怖は~規律を守る方策は必要だが~労働へ駆り立てる効果はなく、規律を守るための方策を誤って仕事への動機づけにすると、反発を招くだけ。

(5)   効き過ぎる「アメ」

ではアメについてはどうだろうか。

  世の中が豊かになると、物質面の報償は、その期待が高まっているため、それだけでは働き手の士気を引き出せずメネジメント・ツールとしては有効性が衰えている。

  また副作用も伴う。総収入はが増えて十分になっても、周囲と比べて少ない場合の不満は大きくなっていく。経済的報償というアメに頼ると。多額報酬者とその他の両方を疎外し、組織が分裂しかねない恐れがでる。

  知識労働者と新世代肉体労働者にはとくに効き目が弱い。

(6)   アメとムチに代わるものはあるか

以上のように、アメやムチは現代では頼りにならない。ではそれに代わるものはあるか。

  たいていの場合は、X理論の精神はそのまま活かし、恐怖や金銭に代えてモチベーション要因を取り入れようとするが、それは多くに全知全能を要求することになり難しい。

a.  最近の産業心理学では自己実現、創造性が強調されるが、肝心の中身は心理操作によるものであり、それはX理論が前提としているものである。

b.  物質的報償に代えて、疎外感への恐怖や心理的安心を使っているに過ぎない。

c.   この場合は、命令に代えて説得が使われ、18世紀哲学者が唱えた啓蒙専制君主と理屈と同じように、成果をあげるには支配者に万能が要求される。(あらゆるタイプの内面を見通し、部下全員に感情移入しなくてはいけない。)

  (とかるやの注釈 :結局、Y理論を実践しようとして、実はX理論を脱せず、しかもX理論の実現をさらに困難にしている。)

  では、何がうまく機能するだろうか。

a.  Y理論だけでは答えとしては不十分。ただ、幸いにも多くの人が達成意欲を持つという裏付けがある。

b.  しかし、機会さえ与えれば達成しようと努力するY理論ではなく、弱者などを想定して、X理論における命令や心遣いのような安心材料も提供しなければならない。

c.   このような組織として、第20章で事例をみる。

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