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2011年10月 1日 (土)

東日本大震災、被災地東北の高額消費活発化の意味するもの

東日本大震災の被災地で、高額品の消費が増えているそうです。9月27日付け日経新聞朝刊の記事によれば、仙台三越の時計宝飾サロンでは、東北で生産する高級ブランドが例年の3倍売れているとのこと。

また、ヤナセ東北では、4~8月のメルセデス・ベンツの販売台数が前年比4~5割増のペースで伸び、伸び率は全国15拠点でトップとなったとのこと。高額消費が伸びているだけでなく、買い方も、クレジット・カードを使うより、現金で購入する人達が増えているそうです。

さらに、東北6県の銀行・信用金庫の預金は増加し続けており、7月末の預金量は前年同月比10%増えました。これは全国平均の2.3%を大きく上回る伸び率です。

これは、震災後、東北の経済活動の一面を切り取ったものに過ぎませんが、今までとはちょっと違った角度から見た現象なので、この記事を読んだとき、「おや」と思いました。

震災後、連日TVで被災地の悲惨な様子が放映され、全国が支援・応援一色になっています。そんな中、支援・応援以外のものの言い方を少しでもしようものなら、「なんだ、お前。非国民!」と言われそうな。「日本中が頑張れと応援してるんだから、空気読めよなあ。」と言われそうな。

しかし、空気を読むことしかできない人々、その空気を乱すのは良いことではないと考えている人々ばかりでは、民主主義の中からうまれたナチスや、大東亜戦争にどんどんのめり込んで行った、かつての日本と同じになってしまいます。

そんなことを思うと、支援・応援・同情一色になっている震災関係報道にも、少し違った角度から震災復興事業を見る機会があってもいいのではないのかなと思います。というより、様々な角度から常に復興事業を検証していくのは、「望ましい」より「必要」なのではないでしょうか。そう言う意味で、この記事は皆が一方方向に駈け進むことに注意をうながした、勇気ある記事だなと、ちょっと興味を持ちました。

そこで、この記事を書いた記者の意をくみ、マスコミだから書けなかった内容を想像しながら、こういった現象がどうして現れるのか、その背景は何だろうかと想像してみます。あくまで想像ですから、正しいかどうかはわかりませんが、3つほどあります。

1.    震災で壊れた物や津波に流されてしまった物を、生活のためにもう一度揃える必要があるから、消費が活発になった。

これはごく自然で当り前のことです。生活に使っていた物を失ったから、新たに購入しなければならない。だから消費が活発になる。震災後しばらくの間は、日用品を買い揃える必要があったが、それが一巡したので、耐久消費財の購入の段階に入ったと想像できます。メルセデス・ベンツも、震災前にベンツを使っていた人が今買っているのだと。もっとも生活を取り戻すなら、ベンツでなくてもいいような気もしますが。

2.    震災の義捐金や復興援助などがたくさん入って、震災以前より豊かになってしまった。

これは、所謂「焼け太り」というやつです。火災保険に入っていて、火事で全焼したので保険金を受け取った。それで家を立てたら、以前よりももっと立派な家が出来てしまったというケースですが、これはどうでしょう。銀行の預金量が前年同月比10%増えたということですが、義捐金や保険金・補助金が震災前の資産を100%以上カバーする規模であったとはとても考えられません。万が一そうだとしたら、政府は復興財源をただちに見直すべきです。

3.    震災の義捐金や復興援助などが入ってきたが、家や工場を建て直すには不十分なので、それは諦めてベンツを買ってしまった。

現実に、私の住んでいる近くに、貧相なアパートに住んでるが、ベンツを乗り回している人が居ます。家を買うなら5千万円以上かかるが、ベンツ1台なら1千万円以下で済む。お金が全然ないなら、家も車もあきらめるが、多少のお金があるから、周辺を豪華にして満足しようという生活態度です。わからないわけではありませんが、これが被災者の状況だとしたら、心配です。持続する安定した生活の基本をあきらめて、せめてもの刹那を1点豪華でいこうというのは復興事業費そのものが全くの無駄に終わりかねません。この場合も、政府は復興計画と復興財源規模をただちに見直すべきでしょう。

冷静に、合理的に、科学的に物事をよく見極めたうえで、それらを材料に最終的には「思い」に照らして決めるという態度が政治には必要なのではないでしょうか。

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