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2011年11月24日 (木)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第25章(全61章)

25.   社会への影響と社会的責任

(1)   組織はみな、二種類の社会的責任を負う。

  組織そのものが社会に与える影響から生じる責任:組織の社会への行いに関わる。

  社会が抱える矛盾から生じる責任:組織は社会のために何か出来るかという問題。

(2)   社会的影響への責任

  意図していなくても責任を負う

a.  組織が周りに影響を及ぼしたら、意図したものであろうとなかろうと、責任を負わなくてはならない

b.  たとえそれが有益そうな影響であっても、本来の役割を超えたものであるなら、いずれは反感や抵抗を招き、厄介の種と看做される。

·  世の中は反対していないという理屈は通らない。

·  世間からそんな要求はなかったというは十分な弁明にはならない。

c.   例 :

·  大手電力会社が、州の公益委員会に対し、排気管清浄装置の認可を求めたが、委員会は電力料金が高くなることを理由に再三にわたってこれ退けた。

·  にもかかわらず、やがて公害への不安が大きくなると、理不尽にも、電力会社が環境を汚染していると叩かれた。

  社会への影響を見極めるのは不可能

a.  組織の何が周りに影響を及ぼすかを見極めようとする取り組みとして、新技術の導入に当たって、社会や経済への影響を見極めようとする、技術アセスメントがある。

b.  しかしこのような取り組みは失敗に終わりかねない。

c.   その例 :

·  熱帯病など病原中から米軍兵士を守るために開発されたDDTは、全く想定されていなかった農業従事者や林業従事者が植物に使ってしまい、おびただしい環境破壊を引き起こした。

d.  他方、専門家が技術の影響を予測しても、現実がその通りになる例はまずない。

e.  このように、社会への影響を見極めるのはほぼ不可能である。

  技術を監視する必要性

a.  従って、新技術が及ぼす影響を予め見極めるのではなく、導入されたら、どのような影響が生じているかを慎重にモニタリングするのがよい。

b.  必要なのは「普及途上にある技術」にめを光らせること。そして、それは経営層の責任である。

c.   技術以外の、社会や経済の発展や革新の影響も重要である。

  影響にどう対処すべきか

a.  目標は、社会、経済、地域、個人への影響のうち、組織の目的や指名から外れたものは最小限にとどめ、できればなくすこと。

  規制が必要とされる局面

a.  上記のような自社での取り組みは常に行われるべきだが、できない場合もある。

·  一般の人々に負わされていた「外部性」が、これに取り組もうとする企業にコストとして転嫁される。

·  このため、業界全体が同じ規則受け入れない限りは、それに取り組んでいる特定企業の競争優位が脅かされることになり、取り組みが広がらないからだ。

b.  これに対処するため、規制(なんらかの公的措置)を導入するほかなく、問題解決につながりそうな規制内容を考え、導入を働きかけるのも経営層の仕事だ。

·  企業や組織はこの責任を避け、「規制はないに越したことはない。」と考えてきた。

·  しかし、これが当てはまるのは、組織の影響を事業機会に変えられる場合だけである。

c.   また、好ましくない問題を解決しようとするなら、トレードオフは避けられない。

(3)   社会矛盾への責任

  社会問題は、企業にとっては事業機会でもある。

a.  社会問題を事業機会へ変えることにより、社会のニーズに応え、組織そのものにも奉仕できる。

b.  変化をイノベーション(新しいビジネス)へとつなげるのが企業の仕事。

·  イノベーションを技術としか結び付けられないようではだめ。

·  産業史をとおして、社会変革は技術イノベーションと同等以上に重要であった。

c.   社会問題から事業機会を生み出すなら、新しい技術ではなく、新しい製品やサービスであろう。これらは社会変革のなか生れ、企業と産業に恩恵と活力をもたらす。

·  組織は技術研究には取り組んでいるが、社会革新はいまだに偶然やひらめきに頼っている。技術と同じように社会や地域の為のR&Dを組織的に進めるべきだ。

d.  考えられる分野は、中年の知識労働者の疲労へのニーズがあるだろう。

  社会の「退行性疾患」

a.  社会問題のなかには、事業機会に変えることができない深刻なものもある。

b.  社会が病んでいては企業も健全ではいられない。我々はこれらに対しても挑むべきか否かという議論を避けようとしてはいけない。

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