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2011年11月 4日 (金)

ギリシャのユーロ離脱を許してあげてほしい。自由な市場を維持してこそユーロは安定する。

先月下旬(2011.10.26)に、ギリシャ救済パッケージを含むユーロ対策包括案が合意されたばかりなのに、今度は、当のギリシャがこの救済パッケージを受けるか否かで国民投票を実施すると言いだしました。これには独仏が我慢できず、怒りを露わにした。読売新聞によりますと、まるで居酒屋の口論を見ているようであったということですから、メルケル首相もサルコジ大統領も大変な剣幕であったのでしょう。

その気持ちはよくわかります。財政内容を粉飾していたギリシャがユーロ圏の皆に迷惑をかけ、それでも我慢して支援しようとしている。支援のためにはギリシャ自信も自助努力が必要ですよと言っているのに、当のギリシャがそれは困ると我儘を言っているわけですから。

ちょっと前に、日経の大機小機に面白いことが書いてありました。「どの国にもいくら施してもどうにもならない教育がある。それは、米国で行う反戦教育、日本で行う英語教育、イタリアで行う純愛教育。そして、ギリシャでは金銭教育だ。」というものでした。ギリシャ人には、お金の使い方をいくら教えても身に付かないということを言っているのです。今のギリシャの状況を見ると、申し訳ないが本当にそうだなと思ってしまいます。

それは、ギリシャ国内の問題ですので、自分でなんとかしてほしい訳ですが、本件は当然ですがユーロ圏全体で考える必要があります。

その際に考えなければならない事は、これも当然ですが、ユーロが今後も安定して存続し続けるには、今どういう対応すればいいかということです。その視点で見たとき、ギリシャを含めた今のユーロ首脳の対応の仕方は間違っているのではないでしょうか。

·           まず、ギリシャが財政内容を粉飾していたという事実の精算が終わっていないということ。

·           それから、対策が市場の評価を尊重する自由主義に基づいていないということです。

前者については、それを理由に遡ってユーロ加盟をはずすという対応ができないのであれば、他に解決方法はないので、議論の余地はありません。

後者について、もっと話を進めてみます。

そもそもユーロは資本主義経済の枠組みの中で運用される国際通貨です。そうであるからには、資源の最適配分が行われる自由な市場で評価されているものでなければなりません。ユーロ経済圏も、それが前提となっているはずです。

ならば、そのルールの中で存続ができなくなっているギリシャは市場から退場しなければなりません。市場の「資源の最適配分」という大切な機能を損なう危険があるからです。それはユーロという通貨の将来にとっても禍根を残すことになると思われます。

市場からの退場を認めないというルールが、ギリシャの前例で定着し、退場すべき参加者にかかるユーロ圏全体の負担が、将来の第2第3のギリシャ問題によってのしかかるだろうと市場が予測するからです。市場の評価がユーロの価値を決定しますから、市場がそのように予測するなら、今後のユーロは下落の一途をたどるでしょう。

ですから、ユーロの首脳が、将来のユーロの安定と存続を望むなら、ユーロから離脱する方法とルールを明確に設定し、ギリシャには離脱を許してあげるというのが一番いいと思います。

ギリシャ国民にとっても、その方がいいはずです。ユーロの一員として全員が背伸びして汲々とした生活を続けるよりも、自分たちの身の丈に合った生き方をする方が幸せだと思うし、なによりも自分たちで国家を再建設しなければならない状況に追い込まれることで本来の自治に目覚めると思うからです。

だから国民投票しましょう。投票によって救済パッケージの受け入れを拒否するなら、ユーロ首脳も離脱を認めるルールを用意せざるを得なくなるでしょう。そして、その枠組みの中でギリシャがユーロを離脱することになります。その時、ユーロの救済パッケージである他力救済はなくなり、正式にデフォルトとなって自力で立ち直る道のスタートラインにつきます。国民は自分で選択した道ですから、もういやとは言えない。そうして国民が一体となって本気で走り出せば、国力を回復し再びユーロに返り咲くことが出来るかもしれません。粉飾しなくても。

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