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2012年3月11日 (日)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第34章(全61章)

34.目標による管理(MBO)と自己管理

(1)   共通の目的へ方向付けすることが必要

  企業の各メンバーは、貢献内容は異なっても、みな共通のゴールを目指さなくてはいけない。成果をあげるためには「組織全体の目標を達成する」という旗印のもとで個々の職務をこなすことが求められる。

  「石切り職人」の言い伝え :「何をしているのか」と尋ねられた3人の石切り職人の回答⇒3人目こそが真のマネジャーである。

a.  「生活の糧を稼いでいる」 :

自分が仕事に何を求めているかを心得ており、実際にそれを手に入れている。

報酬に見合った仕事をするだろうが、マネジャーにはなり得ない。

b.  「この国で最高の石切り職人としての仕事をしている」

生粋の職人やプロは技量を発揮するだけで「成果をあげている」と思い込む

企業は技量を育てなければならないが、組織全体のニーズと関連付けが必要

c.   「大聖堂をつくっているのです」

  技量面での優秀性を追い求め、あらゆる層のマネジャーを共通の目的へ着実に方向付けする両方が求められるのだ。

a.  職能別マネジャーは会社への貢献ではなく、プロフェッショナルとしての基準に照らして技量を測るだけになりがち。

b.  職能別マネジャーが技量を追求するのは道理にかなっているが、釣り合いを欠くと、会社を分裂させ、職能別の帝国が緩やかに結びついただけの状態となる。

(2)   誤った方法

  上司による誤った方向付け

a.  上司の言動、何気ない言葉、習慣が、部下の目には計画された意味あるものと映ることがあり、成果に悪影響が及ぶ。

b.  解決するには、マネジャーとその上司の目を、上司ではなく職務が求めるものに向けさせるような仕組みが求められる。

  マネジメント階層による間違い

a.  多彩なマネジメント階層ごとに懸案事項や役割が異なるために誤った方向付けが起きることがある。

b.  コミュニケーションも、共通の理解や言葉がなければ解決法にならない。

  報酬が誤った方向付けになる:報酬や報酬体系はマネジャーへの合図として強力

a.  日本の例:45歳前後まで年功で報酬が決まり、成果が報酬に直結しないため、45歳以降も取り立てられようとするために、上司の関心を買うことに腐心する。

b.  ある化学会社の例:ROI連動型の賞与だったので、初期には投資だけがかさむ製品開発活動は意欲を削ぎ、新製品開発が滞った。

  脅しによるマネジメント

a.  脅しをやめて3週間もすると、状況は戻ってしまう。

b.  威嚇によるマネジメントは、「狼が来るぞ」という叫びに耳を貸さなくなり、水面下で結託して上を無視するか、上が求める仕事をこなすため本来業務をないがしろにする。

(3)   MBOと自己管理の大切さ MBO=Management by Objectives~目標管理

  マネジャーは何を目標とすべきか

a.  上司は配下のマネジャーに何を期待すべきか、把握しておく必要があり、部下は結果を出すうえで自分が何に責任を負うべきか、心得ておかなくてはいけない。

b.  目標は常に会社のゴールをもとに決める。

事業成果は、いくつもの分野の努力と成果のバランスで決まることを理解する。

そのため、目標には、配下チームがどんな業績を目指すかも盛り込み、

自分が目標を達成するために、他部門にどう貢献するかも明確にする。

c.   短期と長期、両方の視点が求められる

目に見える目標だけでなく、組織化、育成、働き手の成果や姿勢、社会的責任のような見えにくい目標を反映させるべきである。

  マネジャーの目標は誰がどのように設定すべきか

a.  目標を承認する権限は、より上位のマネジメント層が持つが、目標設定そのものはマネジャーの責任範囲に含まれる

b.  人間関係学派の主張のように、単に「参加意識を持たせる」ようにすれば良いのではなく、配下のマネジャーが、目標を決める取り組みに責任を持って参加させる必要がある。

c.   取り組みの例~「マネジャーの手紙」:

年に二回、「マネジャーの手紙」を書かせ、それを本人の業務上の憲章とする・

手紙内容 :上司と自分の業務上の目標、自分に課せられた業務基準、目標達成のためになすべき事柄、上司・会社の行為から自分の助けになっている事柄、足を引っ張っている事柄、次年度は何を実行するか。

  測定をとおした自己管理

a.  MBOは支配によるマネジメントに代えて、自己管理によるマネジメントを可能にする。(ある人が別の人を支配する「管理」ではなく、自分と自分の仕事を方向づけること)

b.  尺度は厳密に定量的である必要はなく、分り易く、理にかなっている必要がる。

c.   自分の業績を測るため、上司ではなく、マネジャー本人に届けられる情報をもっているべきである。あくまでも自己管理のためのツールである。

  自己管理と業績基準

a.  MBOと自己管理には自己規律が欠かせない。寛大さとは無縁である。

b.  MBOは、「人々は責任を引き受け、成果をあげて貢献したい。」と望んでいるという仮定の上になりたっている。

(4)   マネジメントの哲学

  MBOと自己管理をとおして、共通の利益が全マネジャーの目標になる。

  外からのコントロール(管理)に代えて、より厳しく効果的な、内側からのコントロールが実現し、自由人として行動するのである。

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