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2012年3月19日 (月)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第35章(全61章)

35.ミドル・マネジメントから知識を柱とした組織へ


(1)   ミドル・マネジメントは増加したが、質の変化が求められている

  1950年代、60年代、最も早いペースで増加した人材層はミドル・マネジメントだった。

a.  米国では、製造業において報酬は工場長より少ないが、職長よりは多い人々が増えた。

b.  経済の中心や成長拠点が入れ替わり、新たに中心となった業界では、1950年時点で産業界をリードしていた業界と比べて、従業員全体に占めるミドル・マネジメントの比率が高い。

  これは、数だけの問題ではない。質の面でも変化が求められている。

a.  「仕事とその組織化」というテーマを検討して軌道を修正しないかぎり、数が増えるだけでは、無駄や重複、組織の肥大化が起きる。

b.  大量採用した若手のミドル・マネジメント層(マネジャーやプロフェッショナル)は、報酬や待遇の面では恵まれているが、仕事は不十分で挑戦の機会も少ない。

c.   ただ忙しいだけで、組織に貢献して達成感を得られる機会は滅多にない。自分の仕事をするのではなく、仲間と慌ただしく「やりとり」をする人ばかりが目立つ。

(2)   どのような変化が求められているか⇒知識の提供が主な役割

  成長分野

a.  ミドル・マネジメント層で増加率が高いのは、製造プロセス専門家、税務会計やマーケット分析プロなど、1世代前には知られていなかった職能分野である。

b.  新・旧ミドル・マネジメントの違いは、

旧 :指揮命令を主な役割とした定型的な仕事で、自分で判断を下すのではなく、決まった中身を実行に移す役であった。

新 :知識の提供を主な仕事とし、横方向と上方向の人々に責任を負う。

  新世代ミドル・マネジャーは知識プロフェッショナルであり、彼らの行動や判断は、業績や事業の方向性に直接的な影響を及ぼす。

(3)   具体的に、どのような内容か

  知識を柱とした組織

a.  旧来型のミドル・マネジメント層は、知識を柱とした組織へ変革されつつある。

b.  この変化を推進するためには、個々の職務の中身を改めるだけでなく、組織とそのつくりを再構築する必要がある。

全階層の職務の焦点を、社の目標に合わせる。

仕事の割り振りに応じた、職務の体系化をする。

意思決定は、上意下達ではなく、多次元のものとして捉える。

  知識を柱とした組織では、意思決定の権限を明確にする必要がある。

a.  知識を柱とした組織は、より大きなリスクを取れるように設計されている。

事業オペレーションは、もはや定型的な仕事ではない。

大きなリスクに対処するために、随所に判断を改める箇所があり、判断者に権限を与えておかない限り、機能不全は避けられない。

b.  そのため、あらゆる施策・計画に関し、ミドル・マネジメント層に権限を移し、「軌道修正の権限は誰にあるのか」を明確にしておく必要がある。

c.   仮に、権限を持たない部分があるなら、その指揮命令権が誰にあるかを明確にしておかなくてはいけない。

(4)   知識組織における経営トップの役割

  知識組織においては;

a.  経営トップは、中間管理者が自分たち自身で判断を下すことを認め、

b.  組織の側は、経営トップの判断を理解し、経営トップを啓蒙する責任を負うべきだ。

  経営トップは、知識組織について理解を深め、組織内の知識労働者を重視し、コミュニケーションを図るため、年に何回か会合を持ち、

a.  彼らの生産性を最大限引き出すためにトップに望むことは何かに聴き、

b.  経営に情報提供し、啓発することを自分達の責任と捉えるよう理解させるべきだ。

  また、知識の動員、体系化、配置、方向付けなどを行わなければならない。

要するに、マネジメントとは、腕力の代わりに思考力を、社会の慣わしや迷信の代わりに知識を活かすことを意味する。

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