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2012年3月26日 (月)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第36章(全61章)

36.成果への意欲

(1)   組織と成果

  組織の目的は平凡な人材から非凡な成果を引き出すことである。

a.  組織は天才を頼るわけにはいかない。(いつも天才を確保できるとは限らないから)

b.  人間組織において成果への意欲を発揮するとは、全体として各人の努力の総和よりも大きな成果をあげるという意味である。

  成果をあげるための士気の高さは、以下のような行動の原理に裏打ちされていなくてはいけない。

a.  組織は成果を重んじなくてはいけない。ただし、毎回必ず成功するという意味ではなく、平均打率として捉えるべきだ。

b.  組織は問題点よりも機会に注意をむけなくてはいけない。

c.   人材配置や報酬、昇進、降格、退職金などは組織の理念や信条を反映したものでなくてはいけない。

d.  人材をめぐる判断(人材登用)に際しては、誠実さを何よりも優先すべきだ。

(2)   「ほどほどでよい」という発想の危険性 :高い成果を求めなければならない。そのためには;

  百発百中を目指す成果ではなく、長い期間にわたって様々な課題をこなす、安定した能力を目指す。

  決して失敗せず、つまずくことのない人材は疑うべきだ。成果を欺いているか、無難で大したことのない仕事しかしていないかのどちらかに違いない。

  常にほどほどの成果しかあげられない人材は、早めに今の職から外すべき。

  組織の全員を、成果をあげないマネジャーに突き合わせるわけにはいかない。

(3)   「分別ある判断」

  会社に長く勤務し、忠誠心を尽くしてきたが、もはや貢献する能力を内なってしまった人材は、分別ある判断をもって、その職から解く必要がある。
例 :草創期から何十年も経理業務を続け、会社とともに成長し、いつの間にか大企業の経理部長となっていた。小規模企業の経理部長としては十分だから大企業の経理部長としては力不足である。

  ただし、人に関する判断であるので、慎重に深い思いやりをもって対処すべきだ。
例 :レンリー・フォードⅡは、刷新した組織には刷新前の幹部を付けなかったが、代わりに社内の専門職のポストを用意した。

(4)   機会を重視する~問題点より機会を重視

  問題点への対応は大切だが、そればかりでは守りの組織となってしまう。

  事業機会に組織のエネルギーが向かっていれば達成感が得られるだろう。

(5)   人材をめぐる判断:組織のコントロール

  人材配置、給与、昇進などの人材をめぐる判断は組織をコントロールする手立てである。人材をめぐる判断が、経営層が何を望み、何に価値を置いて報償の対象にしているか、その事実を組織のメンバーに伝える役割を果たす。

  とりわけ、ミドル・マネジメントの最上位(工場長、市場調査部門長、研究所の責任者など)の昇進についての判断は重要だ。
若手マネジャーなど組織の下の方にいる人々は、経営トップではなく、これらミドル・マネジメント最上位層を大切にするからだ。

(6)   高潔さという試金石

  マネジメント層が自分達の誠実さや真剣さを証明するには、人間としての高潔さに依存する。次のような人は高潔さを欠くと言える。

a.  人材の強みではなく弱みばかりに着目するような人物。

b.  「何が正しいか」より、「誰が正しいか」に大きな関心を持つ人物。

c.   高潔さより知性を重んじる人物。

  この章ではあえて「リーダーシップ」について触れていないが、それは強いリーダーシップを持つ人物はいつも確保できるとは限らないからだ。これに対して、上記に述べてきた慣行を実践すれば、必ず確保できる。

a.  適切な慣行は、適切なリーダーシップを生み出す土壌となる。

b.  リーダーシップは、人々を磁石のように惹き付ける力ではない。かかる人物は扇動家と紙一重だ。

c.   リーダーシップは仲間作りに長け、人々に強い影響力を及ぼすものでもない。これは「へつらい」や「機嫌とり」と変わらない

d.  リーダーシップは人々の視野を広げ、成果を引上げ、人間力を飛躍的に高めることを意味する。

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