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2012年3月29日 (木)

かみ合わない、参議院予算員会。答えているのに、「答えになっていない!」

先週の金曜日(2012年3月23日)、事情があって会社に行けませんでした。別に蟄居謹慎を食らったわけではありませんが、暇を持て余していたので、普段は・・・、特にサラリーマンにはほとんど見る機会のない国会中継をテレビで見てました。
ヤジがひどいのは、昔からなので話題になりませんが、政治家とはこんな人達なのかと思ってしまった場面がありましたので紹介します。それは、民主党議員2人の後に質問に立った、自民党議員と政府とのやりとりでした。

【質疑の内容~背番号制導入】
話題は、背番号制度の導入です。納税や社会保障費徴収、勘定管理、給付などは国民一人一人に番号を付し、銀行の口座番号のように、その番号で管理すると漏れもなく、しっかりした管理ができるということで、その導入が検討されています。しかし、その番号を書いたカードの交付は、本人が希望する場合だけで、希望しない場合は交付されないんだそうです。
自民党議員の質問はそこのところを指摘したものでした。つまり、全員にカードを交付しないというルールでは、背番号制度そのものの実施が徹底されないのではないか、ということを問いただしたものです。

【その答弁は的を射ていた。】
それに対して、安住財務大臣や古川特命担当大臣の答弁は、「銀行で口座を開設する場合でも、番号は採るが希望しない場合は通帳を交付しない。それでも、管理は口座番号によってキチンと管理されている。本件もそれと同じで、カードを交付しなくてもしっかりした管理は可能である。カード交付と管理精度は別の問題だ。」という趣旨のものでした。
見ていた私は、なんてつまらない質問をするのだろうと思いつつも、答弁については「う~ん、きちんと的を射た答弁であるなあ。」と関心していました。

【なのに、質問者は「答えになっていない」と】
ところが、質問者であるその自民党議員は、その答弁が終わるや否や、勢いよく立ちあがって、答弁者を指差し、ものすごい剣幕で「それでは、答えになっていない!」と怒鳴りつけたのです。で、同じ質問を繰り返し、ちゃんと答弁するように要求しました。安住大臣や古川大臣はまた答弁に立ちましたが、内容は先の答弁と同じにならざるをえません。
当然です。だって、ちゃんと質問に答えていて、それが的確な答えになっているのですから。すると、自民党議員氏は、またすぐさま立ちあがってまた、「それでは答えになっていない!」と。彼の前の質問者がたんたんとこなして、質疑応答がスムーズに運んでいたので、それと対照的なこのやりとりに委員会は騒然となり、各会派の代表らしき何人かが議長の前に集まってきました。

【派手なパフォーマンスで存在誇示したがる性質】
この状況を国民はどのようにみるでしょうか。
「お、おもしろくなってきたぞ。もっとやれやれ。」とけしかけるでしょうか。
「自民党議員氏は、国民に代わってしっかりと政府をたたいている。よしよし。」と思うのでしょうか。
そんな風に思う人もいるかもしれませんが、私は思えません。ボクシングやプロレスじゃあるまいし・・・・・。むしろ、この場面を見て、政治家の悲しい性を垣間見たような気がしました。
議論は、論点を明確にし、それがずれないようにしながら、対話をかみ合わせることが前提にあるはずです。この点、先の安住大臣も古川大臣も相手の質問の趣旨をよく理解し、それに的確に答えることで、かみ合った対話をしていたと思います。
しかし、それに対して、自民党議員氏はかみ合っている対話を、敢えてぶち壊し、派手なパフォーマンスを見せて、自分のプレゼンス(或いは存在感)を高めることだけにやっきになっている。そこが政治家の悲しい性かな・・・と。

【活躍している様子を国民にアッピールするなら】

100歩譲って、政治家なら自分が活躍している様子を選挙民に見せたいのは自然だということにしましょう。でも選挙民は、どんな時に彼が活躍しているな・・・と思うのでしょうか。
それは、さきほどの国民の見方に戻ります。国会議員を評価する基準は・・・・

A.  「お、おもしろくなってきたぞ。やれやれ。」や「国民に代わってしっかりと政府をたたいている。よしよし。」と見るのか、

B.  それとも「しっかりとかみ合った議論を展開して、本当に国の為になる法案づくりに貢献しているな。」と見るのか、

というところですね。

【政治家は選挙民の水準を想像しながら活動している】
自民党議員氏は、東京大学法学部出身だそうです。その辺はよ~く考えたのでしょう。その結果、国民の大半は「A」のタイプで、「B」のタイプはごく少数でしかない。だから、次の選挙で票を得る為には「A」タイプの国民を対象にした行動を取った方が得策であると。

私は、民主党支持者ではありません。プレゼンスの高さを活かした人気投票で当選してきた、頭数稼ぎの議員が多すぎるからです。しかし、この手のプレゼンスがやっぱりこの国を動かしていると思うと、自民党に対してもやりきれない気持ちになります。

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