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2012年4月23日 (月)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第39章(全61章)

39.   管理手段、方向付け、マネジメント

(1)   管理手段と行動

  「コントロール」は単数形と複数形で意味が異なる

a.  複数形の場合 :「測定や情報」⇒手段を指す。事実、つまり過去の出来事を扱い、過去から現在までの分析に関わる。

b.  単数形の場合 :「方向付け」⇒目的を指す。期待や予想などの将来を扱う。

  大量のデータを速やかに処理し分析する手法が発展したこと等により、企業などの社会組織は、複数形のコントロールを実践する力は急速に伸ばしている。

  マネジャー任務において、複数形のコントロールは専ら手段であり、目的はあくまで単数形のコントロ-ルである。

(2)   管理手段の特徴 ~下記3つの特徴がある

  管理手段は決して客観的でも中立でもない。

a.  企業が社会状況に直面すると複雑な事象を知覚することになる。

b.  その中から、重要な事象を管理の対象とするとき、重要と見なす行為そのものが既に主観的である。

c.   企業では管理手段を使う際には、目標と理念を揚げなくてはいけない。これには必ず善悪の判断が伴うために客観的ではありえないのである。

  管理手段を用いるためには結果を重視しなくていけない。

a.  企業活動の結果は、経済、社会、顧客など社外しか求められない(利益を生み出せるのは顧客だけ)。

ž すべての社内活動は費用しか生まず、社内はコストセンターだ。

ž 一方、事業成果は社外に表れる。

b.  しかし、社外に及ぼす効果については記録や定量化手段は限られている。

ž 効率(=活動ぶり)は記録を取って定量化するのは簡単だが、事業成として外に表れる、様子は社内の各領域と比べてはるかに掴みにくい。

c.   このため、今日の組織は、外に向けた統合的な感覚器官を備えておく必要がある。

  管理手段は、測定可能な事象だけでなく、測定に馴染まない事象にも必要とされる。

a.  測定可能な結果とは、①過去に生じた、②主として内部の出来事を指す。

b.  一方、将来についての事柄や、外部の重要な出来事は測定困難である。

c.   このため、測定不能な要素(将来や外部)についても変数や制約条件などの仮定を設けておくべきだ。

(3)   管理手段に求められる条件
管理手段からの情報をもとに行動を起こすには、それに先だって情報を翻訳する(ある種類の情報をべつの種類の情報に翻訳する)する、「知覚」が必要。そのための管理手段の条件は下記の7つである。

  少ない費用ですむ。

a.  管理は経済原理にそっていなくてはいけない。⇒管理手段の数がすくないほど効率があがる。

b.  このため、管理手段を検討したり利用したりする際に、マネジャーはまず「管理をするのに必要な最小限の情報は何か」を考える必要がある。

  有意義である。

a.  測定対象は、①それ自体として重要であるものか、②一大事に発展しかねない動きの兆候であるべき。

b.  管理手段は常に、大きな目標、優先順位の高い目標、主な活動、良心が問われる領域などに関係していなくてはいけない。

c.   そのため、「当社の事業は何か、将来は何か事業になるだろうか、何を事業にすべきか」の答えを土台にしているべきだ。

  的を射ている。

a.  管理手段は測定対象の性質に合わせて設けなくてはいけない。

b.  望ましいビジョンを生み出し、効果的な行動を引き起こすためには、測定も適切に行わなくてはいけない。実態を正しく反映している必要がある。

  適合性がある。

a.  対象となる事象に適した測定を行わなくてはいけない。

b.  例えば、努力しても低い精度でしか検証できない事象については、「測定できず、範囲や概算でしか示せない」ということ情報こそ重要である。

c.   事象ごとにふさわしい測定を行うためには、一見もっともらしい細かい数字よりも、概算値や「大きい-小さい」「早い-遅い」など比較表現が正確な場合も多い。

  タイムリーである。

a.  頻繁な測定や、迅速な報告で、より管理が実現するとは限らない。

b.  最近は、「リアルタイム管理」が話題になるが、大抵の事象には、リアルタイム管理は役に立たない。

c.   測定の間が空いても、経験豊かなマネジャーはその合間にも目配りを絶やさない。

d.  逆に、測定の間隔をあけ過ぎる危険もある。適切なタイミングが必要なのである。

  簡潔である。

a.  管理手段はシンプルでなくてはいけない。

b.  複雑な管理手段はうまく機能せず、混乱を招く。人々は管理の対象から目をそらし、管理の仕組みや手法にばかり気を取られる。

  業務に根ざしている。

a.  管理手段は実務に根ざし、行動に焦点を合わせている必要がある。

b.  報告、調査、数値など何にせよ、管理手段(複数形コントロール)は必ず、管理行動(単数形コントロール)をとれる立場の人が手にしなくてはいけない。

(4)   組織における究極の管理

  組織は人によって構成されており、人々の行動は報償や懲罰によって形作られる。

  人事面での判断は、組織における究極の管理であり、これだけが効果を持つ。

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コメント

先輩様
難しすぎます
もう少し平易に(きっとその点、留意なさったと思いますが)簡便に記してください。
世の中、先輩ほどレベル高くありませぬ。

投稿: 後輩 | 2012年6月 8日 (金) 00時54分

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