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2012年4月30日 (月)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第40章(全61章)

40.   マネジャーとマネジメント科学

(1)   マネジメント科学の役割

  マネジメント科学は、ツールの一つである。マネジメント分析と言ってもいい。しかし、あくまでツールに過ぎず、マネジャーはこれを利用して意思決定する役にまわる。

  とはいえ、マネジマント科学は本来きわめて大きな可能性をもったツールである。

(2)   しかし、マネジメント科学は、これに応えていない。
その理由として以下の2つある。

  マネジメント科学の特異な成り立ち

a.  他の学問分野は、何を対象にすべきかを探るという素朴な取り組みから始まり、その後に研究に必要な概念やツールを設けた。

b.  しかし、マネジマント科学は、他の多くの分野でそれぞれの目的に沿って生み出された概念やツールを応用することから始まった。

·  企業とマネジマントは何を行い、何を必要としているかを問う前に、他学問分野の既存概念やツールをどこに応用できるだろうかということばかり考えてきた。

c.   本来科学は、まず科学の世界を合理的に定義し、その後に一貫性と適切性のある網羅的な仮説や公理を打ち立てるものであるべきだ。

·  定義 :企業は人間によって成り立っているから、人材、とりわけマネジャーたちの仮説、意見、目標、誤りなどが定義の根幹にあるべきだ。

·  仮説や公理 :「企業は経済や社会に根ざしている」を前提としたうえで、下記を反映させる。

企業が生み出すのはモノでもアイディアでもなく人間が決めた理念である。

企業が用いる測定手法は極めて複雑である。

経済活動を行うためには、リスクを負わなければならない。

絶えず起きている変化に適応するために意図して進化し、革新を推進すべきだ

  マネメント科学はリスクを最小限に抑え、取り除くことを狙いとしてしまっている

a.  企業のリスクを取り除こうとするのは無意味な試みである。将来への期待をもとに手持ちの経営資源を投じる以上、当然ながらリスクが伴う。経済発展とはより大きなリスクを取れるようになることだ。

b.  マネジマント科学は、正しいリスクを取れるように企業を導くことを主な目標にしなくてはいけない。

(3)   マネジャーがしっておくべきことがら
マネジマント科学が可能性を十分に発揮できないのは、マネジャー側にも責任がある。
マネジマント科学を実地に活かす為には、以下の4つの要望ないし期待内容がカギを握る。

  マネジメント学者に仮説を検証してもらう

a.  まずマネジャーの側で基本的な仮説を立てなければならない。

b.  そのうえで、マネジマント科学者にその仮説を検証してもらうのだ。

  どのような問いを抱くべきかを見極める

a.  マネジャーの側が、「どのような問いを抱くべきかを見極めるように」注文を出す。

b.  マネジャーが正しい問いを投げかけていないにもかかわらず、マネジメント科学に応えを導き出すよう求めているのが実情だ。

c.   マネジメント科学は、マネジャーの視点(問い)が間違っていることを指摘し、マネジャーもマネジマント科学にそれを許すべきだ。(←とかるや注釈)

  解決策ではなく選択肢を示す

a.  マネジメント科学は、いくつかの選択肢を示すことができる。どの行動プランも完璧ではなく、リスクや不透明さを伴い、それぞれに努力や支出を要する。

b.  それらをもとにマネジャーは、会社としてどのようなリスクを取り、何を守り、何を犠牲にするかを見極める。

c.   マネジメント科学に解決策を求めてはいけない。解決策はマネジャーが見極めるのだ。

  体系化ではなく理解の醸成に力を入れる

a.  マネジャーはマネジマント科学者に対し、方程式ではなく洞察を期待すべきだ。

b.  方程式はマネジメント科学者にとてのツールであり、マネジャーが関心を寄せるものではない。そこに関心を持つのではなく、判断の本質をめぐる洞察に関心を持つべきだ。

(4)   マネジメント組織(閑話休題)

  組織のつくりは古くから研究され、職能別組織、タスクフォースなど様々な組織モデルがある。

  しかし、組織は構造ありきではなく、構成要素が先にくるはずだ。

  まず、構成要素として自社の使命や戦略にふさわしい重要活動を柱に据え、そのうえで下記をポイントにふさわしい組織をつくるべきだ。

 ・業務運営、イノベーション、経営の舵取りとう3つの異なる仕事をまとめ上げる。

 ・課題と人材に重点を置きながら権限と責任のふたつを軸にして決める。

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