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2012年6月 4日 (月)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第42章(全61章)

42.   組織の構成要素

42章・43章では、組織の「エンジニアリング」について述べる。

組織づくりの基本となる構成要素を決めるに当たっては、重要活動を抑える必要がある。そして、貢献内容の同じものは包括し、異なるものは別々にする。

(1)   構成要素

  組織の構成要素を決める際には以下の4つが課題となる。百年も前から変わらない。

a.  何を単位に組織をつくるか

b.  どの要素をまとめ、どの要素を単独のまま残すか

c.   各要素の大きさと形態はどう決めるべきか

d.  各組織単位をどこに位置づけ、どう関係づけるのが適切か

  組織の作り方は求める結果次第で決まる(単に職能を機械的に寄せ集めるだけでない)。⇒望ましい結果を考えることが組織づくりの出発点である。

(2)   組織の重要活動 ~組織をつくるに当たっては、重要活動さえ押さえておけばよい(全ての活動を取り込む必要はない)。

  そのためには、次のような問いかけが必要だ。

a.  全社目標を達成するためには、どの分野で卓越性が求められるか。

·  例:マークス&スペンサー(英)は、「上級向けと同じ品を労働者家族に開発」を自社の務めとした。このため、研究所が組織の中心に位置づけた。

b.  どの分野での成果が乏しいと、会社にとって大きなダメージになるか。

·  機能不全に陥ったら大きなダメージにつながる、「アキレス腱」。

·  例:NYの証券会社はバックオフィス機能不全によって危機に陥った。

c.   当社にとってかけがえのない価値は何か。

·  例:製品やプロセスの安全性、製品品質など。

  戦略を変えたら、必ず組織のつくりを分析しなくてはいけない。逆に戦略が変わっていないのに、組織を改編するのは余計な行いである。(従来組織の結果は別)

(3)   貢献分析 ~どの活動をまとめ、どの活動を単独のままにしておくかは、貢献内容を分析して決める。貢献内容は下記の4種類に分類できる。

  結果を生み出す活動 ~下記の3つある。

a.  収益に直結するもの :販売、市場調査、セールス研修、セールス・マネジメント等。

b.  結果貢献活動 :製造活動、人材募集・育成、購買や物流、利害関係者対応等。

c.   情報関連業務 

  支援活動

 通常、スタッフ部門を統括する人が務める。

 担当部門の舵取りではなく、社内に規範を示し、ビジョンを生み出す、「良心に関わる」活動である。

 助言や指導も支援活動であり、他社を感化して成果をあげさせる。

  補助的業務

 衛星・管理業務である。

 例:成員の健康管理、清掃、年金・退職金管理、政府から義務付けられた記録など

  経営トップの活動

~以下、(4)(5)(6)(7)は上記の貢献分析内容の特に説明を要する項目についての追加説明~

(4)   良心にかかわる活動

  この活動は、他活動の下に置いたり、他活動と一緒にしたりしてはならない。

a.  人材マネジメントとマーケティング、社会的責任や環境への影響、社会との関係など。大企業では技術や社会のイノベーションも含まれる。

b.  既存業務をよりよく遂行できるよう組織を助けることではない。何をすべきか、何をしてはならないかを絶えず思い起こさせるのが役目である。

  活動を担う人 :ビジョンや基準の設定などの良心に関わる活動は、原則経営トップが担うべきだが、マネジャー層全体との協働も必要。

a.  中規模以上企業では独立専任スタッフを置くが、スペシャリスト向け業務ではない。

b.  この活動の担い手は、自己規律が求められる。原則として任期制にすべきである。

(5)   スタッフ部門の成果を引き上げる~助言や指導

  助言や指導は、浅く広い分野ではなく、ごく一握りの最重要分野だけに限るべきだ。

  新しい活動を始める前には、従来の活動から一切手を引くべきである。(従来の活動を引きずったままでは二流人材を活用せざるを得なくなる)

  助言や指導に携わる部隊は、決して実務を手掛けてはいけない。

  同一人物を長く携わらせてはいけない。実務部門を見下しがちになるほか、自分では成果を上げられないため、いらだちも募る。

  専門知識は必ずしも必要ない。それより、学習意欲が高く、顧客との関係をじっくり考え、責任を持って組織に貢献しようという姿勢が大事である。

(6)   情報の二面性

  情報を巡る活動は、二面性を持っている。~ふたつの組織拠点を持つ必要がある。

a.  集権化 :情報を生み出す活動は情報を収集して中枢に集める。

b.  分権化 :情報活動は全体に関わり、末端まで行き渡る必要がある。

  しかし、情報活動をどのような組織で行うかは、満足いく方法が見出されていない。

(7)   衛生・維持管理

  専門性に乏しく結果にまったくつながらないため、周囲から軽視される問題点がある。

  上記への対処の方法として下記が考えられる。

a.  職場コミュニティに委ねる。~衛生・管理業務などは従業員の為の業務で、当人たちに管理させるのが最適との発想。

b.  他の業務と切り離す(工場用地選定、工場建設、不動産調達・管理など)。

·  理由:求められる人材や理念、評価尺度などが異なるほか、この活動に関わるマネジメント層の監督負担を軽減できる。

·  自社内で切り離すほか、子会社を設置する方法もある。

(8)   全般的なルール

上記全体に貫通するルールとして、

  同じような貢献をする諸活動は、たとえ専門分野が異なっても、ひとつの組織にまとめ、包括的にマネジメントして構わない。

  反面、貢献内容の異なる活動どうしは原則としてひとまとめにすべきではない。

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