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2012年9月30日 (日)

ドラッカー「マネジメント」サブノート、第54章(全61章)

54.   規模に応じたマネジメント

(1)   「大組織」の定義 ~規模をきめる基準はいくつもある

  企業規模を測るには、従業員数、売上高、付加価値、製品構成複雑さ、市場の数、技術の複雑さなど様々な要因を見る必要がある。どれか一つでは決め手にならない。

  総合的な規模はマネジメントとその体制によく表れる。

a.  小規模企業では、職能業務に携わらず経営課題に専念する1人で十分な場合で、1人がキーパーソン全員を把握している。

b.  中規模企業では、1人のトップがキーパーソン全員を深く知るのは難しい。3~4人かがりならできる。

c.   大規模企業では、組織図や資料をみたりしなければ分らない。

(2)   小規模企業 ~規模が小さいなら、体系的なマネジメントはむしろ大企業より必要。下記が求められる。

  戦略

a.  小さな企業は、取るに足らない存在になったら終わり。そうならぬ為に他にはない特別な企業になるための戦略が必要。

b.  大多数の小規模企業は、日々持ち上がる問題への対処に追われて、戦略を持たない。このためほとんどは繁栄とはほど遠い。

c.   戦略として;

·  自社に有利なすきまを見つけて、競争をしのがなくてはならない。

·  小さいが重要なサービス分野で卓越した存在を目指す戦略もある。

  経営層の課題を体系的にとりまとめることがこと。

a.  大多数は、重要活動をしきりに話題にするが、実際には対処していない。

b.  対処するには、少しの検討、簡単な体制、シンプルな管理と報告の制度(チェックリスト程度)さえあればよい。

  経営トップから高い成果を引き出すこと。

a.  他に任せられない2つの課題がある。

·  社内の人材にまつわる課題。

·  市場、顧客、技術など事業環境にかかわる課題。

b.  上得意客トップセールスや銀行交渉など社外関係より、市場、新事業機会、環境変化などを探ることに時間をかけるべきだ。

  独自の管理手段や情報システム。

a.  人材も資金も限られるので、結果につながる分野にこれらを投入する。

b.  通常の会計データに加え、キャッシュフロー把握する必要がある。将来の資金需要を把握する。

c.   数値データは少なくてよい。しかも高い正確性は不要。ただ、必要な数字は原則として通常の会計処理からは得られない。必要なのは、経営資源の配分状況を将来の動向と関連付け、事業機会を見極めたり、危険を避けるための数字である。

(3)   中規模企業

  下記の3つのタイプにそれぞれ要件がある。

a.  単一技術、限定的な数の製品、単一市場

·  組織をどのように構成するかが最大の課題。

·  自律的な複数の損益主体から成り立っている訳ではないので、連邦分権制ではなく、製造などには疑似分権制を取り入れ、タクスフォースで補完するのがよい。

·  経営層は、チームで対応する。

b.  自律性を持ったいくつもの事業部が異なる製品ラインをもとに異なる市場に参入しているが経済特性は全事業で共通

·  個々の事業に職能別組織を、全社に連邦分権制を取り入れる。

·  経営層は、各事業部に経営チームを設け、事業部の経営チームはには本社の経営メンバーも含む。

·  事業部長が率いる。

c.   異なる市場で活動するいくつもの事業から成り立ち、それらが互いに依存し合っている(事業間で相乗効果)

·  2つの軸に沿って組織する必要がある(①全体としてひとつのまとまりのある事業なので一枚岩で統一のある力ある経営層、②事業はそれぞれ自律性を保ちながら相互に依存し合う)

·  各事業部は、他の事業への貢献によって存在意義を認められる。

·  3種類の経営チームを設ける(①全社の経営チーム、②事業部にごとの経営チーム、③各事業部長が本社の経営陣とともに経営チームを形成する)

  上記3つのタイプに共通する要件

a.  贅肉をつけないこと。(成功の秘訣は特定分野への集中。余計な周辺事業に手を出さない)

b.  卓越性がなければ目標を達成できない分野では、強さ、経営資源、高い要求水準、業績への執念をもってあたる。

c.   中くらいの規模はイノベーションを成功せさるのに適している。イノベーションをとして事業の結束を強めるべきだ。

(4)   大規模企業

  目標に沿って適切に組織を編成しなくてはいけない。

a.  関係性や人材についての情報を組織に反映させ、人々の熱意を引き出すため、方針、目標、職務、貢献等をめぐる抽象的定義や型にはまった手順などに頼る必要がある。そのため人間味は乏しくなり、明快さが求められる。

b.  出来る限り連邦分権制を採用し、馴染まないなら疑似分権制を試みる。チーム組織も欠かせない。

c.   マネジャー職務を、貢献や任務だけでなく、意思決定や情報の流れのなかで位置づけ、関係性ん観点から決める事が求められる。また、マネジメント開発とマネジャー育成がともに決定的に重要となる。

d.  経営層は大人数で構成するとともに、彼らに情報、活力、アイディア等を提供する組織(秘書室や事業調査室)を設ける。

  大規模企業は原則として小さなベンチャー事業を手掛けるべきではない。手掛ける場合には、そのチームを他組織とは独立した形で設け、それを許容する。そのような柔軟性や無秩序を社内に取り込み、組織としてまとめあげる仕組みが必要である。

  経営層は、全社の人材と接するよう努力し、人材どうしの交流を深める。これにより硬直的な官僚体質に染まらず柔軟性をもたらし、相互努力を根付かせる。

  表面積と体積の法則(体積が増えても表面積はそれほど増えない)により、内向き意識が強くなる。その対策として下記が必要。

a.  経営層は、組織の耳目となって社外の出来ごとを敏感に察知する責任をおう。

b.  社外に人材をもとめ、組織そのものにも社外の新鮮な発想を取り込む。経営層の一歩手前あたりのポストがよい。

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