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2013年7月 2日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2013年6月末現在)

【米ドル】

6月は、「行って来い」の相場展開でした。

前月後半に、それまでの急激な円安が調整され、¥103台から¥100水準までドルが売られましたが、今月はその動きかさらに加速され、月央には¥93台にまで「行った」のです。

ここまで売られた背景にあった材料として2つ挙げておきましょう。

第一に月初の米雇用統計です。失業率が上昇したことで、緩和措置の縮小が遠のくと見られ、ドルを売って円買い戻す動きが強まりました。第二には日銀政策決定会合です。資金供給オペ長期化等さらなる緩和措置が打ち出されなかったことで円を売り越していた投機筋が買い戻しに出ました。この結果、一時¥93台まで円が買われたのです。

しかし、その後6/19のバーナンキ米FRB議長が「資産買い入れを今年終りにかけて徐々に縮小する」と具体的な縮小時期に言及したことから、縮小が現実的となり、米長期金利も上昇してドルが買われました。¥100までは届かなかったものの、結局¥99台半ばまで戻して月末を越えたのです。

 

【ユーロ】

6月は、ドル円の動きとは丁度正反対に、山を登って下る展開でした。

具体的には、1.30弱で始まったあと、月央にかけて、1.33の後半まで強含みになりましたが、下旬は再び弱含み、1.30の水準で月末を越えたのです。

動きがドル円と丁度正反対であった点に注目したいと思います。円も月央にかけて変われた後、再び売られたからです。

上旬にユーロが強含んだのは、6/6ECB理事会で政策金利が据え置かれ、当面は追加利下げがないとの見方が広がったことなどでした。そして、6/19FRB議長の発言で緩和縮小の具体的時期が示され、金利も上昇したため、つまり円が売り戻されたのと同じ材料でユーロもドルに対して売られたのです。その他、米の主要経済指標は円と同じ材料となって、ユーロに作用しました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・・

ここで日米金融当局のスタンスについて整理しておく必要があります。日銀は異次元の緩和措置を継続する方針にありますが、米FRBは失業率など見て回復力を確認しながらという条件付きながら、そろそろ緩和を縮小しようという方針にあります。

日銀のスタンスは円安を促進し、米FRBのスタンスはドル高を促進しますが、問題は回復力確認という条件です。その回復力を判断するものが、雇用統計や小売売上高など米の主要経済指標です。

つまり、米経済指標が良好であれば、米経済の回復力は確実であると見られ、FRB緩和措置縮小から金利上昇、ドル買い、円安となり、その逆は円高となります。特に失業率についてはFRB議長も具体的に6.5%という判定基準を打ち出している。実際、月初の失業率上昇は回復力が弱いことを示すとしてドルが売られました。

短期~中期では、この経済指標に注目しておく必要があるでしょう。

長期では、日米で異なる金融当局のスタンスやそろそろ定着してきた本邦貿易赤字から、円安傾向に変更はありません。

 

ユーロドル ・・・・・・

短期~中期では、ECBの追加利下げがあるかどうかに注目しておきます。十分に低い水準となっていますが、それでもECBではマイナス金利への準備を整えているなどの様子が伺えますので、注目が必要でしょう。その他、ドルの動向として円と同様、米経済指標によっては米FRBの金融緩和の縮小という基本スタンスが微妙に修正されてドル売りユーロ買いにつながる可能性があります。

しかし、長期では弱いと見るべきだと思います。その理由は、まず米FRBの緩和縮小スタンスが変わらず米金利も上昇していること。また、ユーロ圏失業率依然高止まりし、独GDP成長率見通しでは、2013年と2014年を共に下方修正しているなど、ファンダメンタルズが弱いことです。

ただ、ユーロの安定化に向けた施策は確実に進められているようです。日経新聞によると、ユーロ圏銀行監督一元化では、2014年夏までに大手130150行を検査対象とする新部局をECBに設置し、資産査定基準も統一する計画です。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済主要指標(雇用統計、製造業・非製造業景況指数、小売売上など)堅調なら米金利上昇でドル高。

 2. IMM投機筋の円売り越し積み上がり水準。高ければ、利食いの円買いが起こる可能性。

 3. ユーロのショートポジション調整の圧力。

 4. 中国など新興国の経済指標への反応。指標悪ければ、リスク・オフ動き活発となって円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米国の金融政策スタンス。経済指標にもよるが、緩和出口戦略の検討状況が進めばドル高。

 2. 中国など新興国の景気動向。減速するならリスク回避の円買いで円高。

 3. 2%物価目標を伴う本邦金融緩和策による円安効果:輸出回復・貿易収支改善で円安傾向に制約。

 4. スペインを含む南欧の政治動向:緊縮財政に疲弊した民衆の不満から不安定になればユーロ安。

 5. ドイツの総選挙(2013/9)。ユーロ圏支援に理解を示す新たな政権か、消極的な政権か。

 

【長期的な材料(数年)】

 1. 貿易赤字の定着化で、実需の面から円売りが進む。

 2. 日銀展望レポート(13/4月)より、12年のインフレ率は期待通りだが、その先は縮む。デフレ要素は再び円高要因になる。

 3. 進んでいる円安が輸出増加効果となって顕れ、行き過ぎる円安に歯止めをかける。

 4. 極端な金融緩和と政府・日銀の協力関係強化で、日銀の国債引受け体質が問題視されて利回り高騰し、財政が破綻。

 5. 米国:順次延長され2014年遅くを期限としていた低金利政策を2015年半ばまで延長(2012.09.13)。

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

以上

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