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2013年10月 1日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2013年9月末現在)

 

【米ドル】

 

9月は、山を描いて登って(¥100台半)降りる(¥9798)展開でした。

 

といっても、山はどちらかというと月の前半にありましたので、山と言うより、「前半高値(円安)、後半安値(円高)」と言った方がいいかもしれません。その高値から後半の安値に移ったきっかけは、米FOMCでした。918日、FRBバーナンキ議長が「金融緩和策の縮小は予定しているわけではない」と発言したのです。このため、それまでは9月にも具体的な縮小打ち出しを期待していた向きが売りに回り、反対通貨の円が買われ、その調子のまま月末を迎えたわけです。なぜドル売り円買いか。米緩和策縮小⇒米金利高(市中の流動性増えれば金利が上がる)⇒円金利が低いままドル金利高くなり金利平価説からドルが買われるという基本筋書きでした。

 

その他の脇役的変動材料としては、下記がありました。

 

ドル買い材料=①シリア情勢で、軍事介入回避の見通しが立った(月前半)。②米新規失業保険申請件数6年ぶり低水準となったなど米経済指標、但し、雇用統計はあまりよくありませんでした。

 

ドル売り材料=①時期FRB議長候補に緩和支持派の可能性。②米下院暫定予算案否決で政府機関一部閉鎖可能性(月末)。

 

 

 

【ユーロ】

 

9月は、前半安く(1.311.33)、後半高値(1.35台)という展開でした。

 

米ドルに対しては、円と同じように動いたと言えます。つまり、FRBバーナンキ議長の発言(金融緩和策の縮小は予定されているわけではない)をきっかけにして、米ドルが売られ、ユーロが買われた為、9/18には、今年2月以来の1.35台回復して、1.35台半ばまで上昇したのです。その後も比較的堅調に推移し、1.35台を維持したまま月末を超えました。

 

他の材料は以下のとおりです。

 

ユーロ買い材料=①独と伊の消費者信頼感指数等主なユーロ経済指標が予想上回った。②ユーロ圏貿易収支が堅調。

 

ユーロ売り材料=①月初、ドラギECB総裁がECBで利下げが協議されたと述べた。②イタリアの政局混迷(連立解消の兆し、月末にかけ)。

 

なお、注目していたドイツの総選挙は、大方の読みの範囲を大きく逸脱しておらず、市場への影響は限定的でした。

 

 

 

【今後の短期~長期予想】

 

ドル円 ・・・・

 

ここ数ヶ月は、米国の金融政策スタンスと日本の金融政策スタンスが注目される相場でした。その筋書きは、米国が現状の緩和策を縮小しそうなので金利が上昇し、緩和の手を緩めようとしない円との金利差が開くだろうというものです。金利差が開いて米金利が高くなると、金利平価説からドルに資金が流れてドル高円安となります。このスタンスが米国の場合は、FRB議長の会見やFOMCなどに見られ、彼らが失業率を見て判断するというものだから、月初の米雇用統計発表に注目が集まるわけです。一方の円は日銀の政策決定会合です。

 

さて、短期では依然この筋書きで相場が動くと考えます。9月は緩和縮小感が少し遠のきましたが、これは市場の過剰反応を牽制しただけで、基本方針は縮小に違いありませんから、数ヶ月スパンでは緩やかなドル買い円売りだと思います。

 

その後も、新興国からの資金還流が進むと予想されることから、この方向は変わりません。中~長期では、日本の貿易収支がJカーブ効果期間を過ぎても改善しない赤字定着、NISA普及による海外投資活発化、日銀の緩和継続等の円売り材料が、消費税デフレ効果による円実質金利上昇等の円買い材料を凌駕して進むので、やはりドル高円安の方向であろうと考えます。

 

 

 

ユーロドル ・・・・・・

 

ドイツ総選挙は、長期の両方の材料として注目していました。南欧諸国への支援が継続されるか、それとも、他国支援の犠牲となるドイツ国民の不満に配慮する勢力が伸ばすのかが、長期的にユーロの結束が得られるか否かを占うものだったからです。

 

これは長期材料としてだけではなく、長期の方向を見込んだ短期投機資金の動きにも影響します。

 

結果として、メルケル側が勝利して政権が維持されることになり、一定のユーロ結束への余地が残されることになりましたので、短期的には動揺はありませんでした。

 

しかし、まだ連立の動向が不透明であるため、今後数ヶ月間は見守る必要があるでしょう。

 

短期材料としては、やはりECBの緩和スタンスと米FRBの緩和縮小です。ECB利下げ可能性高い一方でFRBの緩和縮小はいずれ実行されるので、短~中期では弱含む可能性があります。その後は、イタリア政局不安(ユーロ売り材料)、ドイツ連立政権動向(方向不詳)など不透明感ありますが、長期的には確実に進んでいる金融行政統合やユーロ財政統合の動き、国際収支の傾向がユーロを底堅く支持するでしょう。

 

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 

 1. FRBの金融政策方針に関する議長証言や講演への瞬間的な市場の反応。(縮小ドル高)

 

 2. 米経済主要指標(雇用統計、製造業・非製造業景況指数、小売売上など)堅調なら米金利上昇でドル高。

 

 3. 中国など新興国の経済指標への反応。指標悪ければ、リスク・オフ動き活発となって円高。

 

 4. イタリア政局不安、連立政権崩壊ユーロ売り

 

 5. 欧州中銀(ECB)の金融政策スタンスに関する発言など :緩和ならドルとの金利差からユーロ売り

 

 

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 

 1. 米国の金融政策スタンス。経済指標にもよるが、緩和出口戦略の検討状況が進めばドル高。

 

 2. 本邦貿易収支:Jカーブ効果許容期間を超えても赤字解消せず、赤字が定着しつつある円安

 

 3. ユーロ圏の経常収支 :黒字を維持できるなら、ユーロは底堅く推移。

 

 4. ドイツ選挙(13/9月)後の連立政権の方向

 

 5. 中国など新興国の景気動向。減速するならリスク回避の円買いで円高。

 

 

 

【長期的な材料(数年)】

 

 1. 貿易赤字の定着化で、実需の面から円売りが進む。

 

 2. 日銀展望レポート(13/4月)より、12年のインフレ率は期待通りだが、その先は縮む。デフレ要素は再び円高要因になる。

 

 3. 進んでいる円安が輸出増加効果となって顕れ、行き過ぎる円安に歯止めをかける。

 

 4. 極端な金融緩和と政府・日銀の協力関係強化で、日銀の国債引受け体質が問題視されて利回り高騰し、財政が破綻。

 

 5. 消費税引き上げの影響(5%8%10%)

 

 6. NISA普及で、日本の対外投資活発化円安

 

 7. 米国:順次延長され2014年遅くを期限としていた低金利政策を2015年半ばまで延長(2012.09.13)。

 

 8. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

 9. ユーロ圏、財政統合の行方(2014銀行監督一元化~2012/10合意、各国予算編成への関与)順調ならユーロ評価に。

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

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