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2014年2月

2014年2月 4日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2014年1月末現在)

【米ドル】

1月は、上下しながら水準を下げていく展開でした。

下げる要因からまいりましょう。構造的なものとして、米国FRBの緩和縮小の影響と中国経済指標悪化に伴うリスク回避の2つあげます。

FRB緩和縮小による影響は、新興国の通貨安という形で顕われ、下旬にはトルコリラや南アフリカランドの急落がニュースでも報道されました。この不安によりリスク回避する動きが強くなって円が買われたのです。下旬には2月の債権買取額をそれまでの750億ドルから650億ドルに縮小するとしたFOMCの結果も拍車をかけました。

中国経済指標については、月初にHSBCサービス業PMI Purchasing Managers' Index)、下旬には同製造業PMIが発表され、いずれも悪化したため、中国株をはじめアジア株が下落。これもリスク回避の動きを促しました。

このため、105円台で年超えした相場は月末には102円台前半に下落したのです。

他に、上旬の米国雇用統計も予想を下回って米ドル売られ、このときは103円台に入りました。

では、上げる要因はというと、日銀の政策決定会合で追加緩和策が発表されるのではないかとの期待に基づく投機です。しかし、これは結局発表されず、売っていた向きの持高調整からかえってドル安円高に振れることとなりました。

 

 

【ユーロ】

1月は、下旬に強含む場面がありましたが、月末にかけて売られました。

全体として短期的に乱高下を誘う材料はあまりなかったといっていいでしょう。

あっても、ふらふらと付和雷同する印象です。例えば、上旬に定例のドラギ欧州中央銀行総裁の記者会見で、低迷が長期化することへの懸念を表明すると、1.35台半ばまで売られ、その後のECB理事が楽観的見通しを発言すると、1.37近くまで買われるという場面がありました。

月中の流れでは、中盤に独GDPが予想を下回るなどを材料に一旦、1.35台の前半まで弱含みました。その後下旬に入って、堅調なユーロ圏PMIをきっかけに、再び1.37近辺まで戻しましたが、月末にかけ、独CPIIMFが新興国混乱への緊急政策が必要とのしたことでリスク回避の動きから1.35を切った水準となって月を越えました。

 

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短中期では、経済指標を材料に仕掛けれられるポジション形成に注意する必要があります。IMMの円ショートポジションは積みあがるばかりですから、今後これを巻き戻すただ、米経済指標についてはその捉え方により下記2つの波及経路がありますので、判定は簡単ではありません。

  • 米経済指標が予想より好結果となる場合は、この量的緩和縮小がやりやすくなるため、米金利上昇から米ドルが買われて円安になるという波及経路が想定されましたが、今は、指標の好結果は株価を上げ、リスクに挑戦するマネーが動き出すため、逃避先の円が売られるという経路となっています。いずれも円安です。

  • 米経済指標が好結果となって、量的緩和縮小が進行すると、海外からの投資に依存しながら成長してきた新興国の経済が悪化し、リスク回避行動を促して、逃避先である円が買われる。つまり円高です。

    また、このところ中国経済の動向も注目されており、中国のPMIなどの指標が弱いと、アジア株が軟調となり、これもリスク回避行動を強めることになるため、円高材料となります。

    また、今月からFRB新議長に就任したイエレン氏の金融政策スタンスも次第に具体的になってくるでしょうから、注目しておきましょう。政治面では、11月の中間選挙も要注意です。

     

    ユーロドル ・・・

    このところのユーロは底堅く推移しています。大きな流れとしては、ひところの財政不安が落ち着いて短期的な投機材料がないこと、ユーロ圏の財政不安に対する、銀行管理一元化など根本的な打開策が進みつつあるがそれらは短期では見極めが難しいこと、一方、国際収支の黒字化などファンダメンタルズでは、信頼を取り戻しつつあることなどから、当面は、超短期的な投機マネーの動きから小幅での振れがあるものの、総じて底堅く推移するのではないでしょうか。

    この中で、5月に予定されている、欧州議会の選挙は上記の大きな流れのスタンスに変更があるかないかという視点で注目しておきべきです。

    なお、IMMの投機ポジションは長期にわたったショートポジションのまき戻しが終わって、現状はほぼ中立となっています。

     

    【短期的な材料(1ヶ月前後)】

  1. FRBの金融政策の新興国への影響(量的緩和措置縮小進行新興国経済が不安定リスク回避行動円に逃避して円高)

  2. 米経済主要指標(雇用統計、製造業・非製造業景況指数、小売売上など)が堅調ならリスク挑戦行動が活発化し、株価上昇とともに円から他通貨にポジションシフトして円安。

  3. 欧州中銀(ECB)の金融政策スタンスに関する発言など :緩和ならドルとの金利差からユーロ売り

  4. 中国など新興国の経済指標への反応。指標悪ければ、リスク・オフ動き活発となって円高。

     

    【中期的な材料(数ヶ月)】

  1. FRBの金融政策の新興国への影響(量的緩和措置縮小進行新興国経済が不安定リスク回避行動円に逃避して円高)

  2. 本邦エネルギー政策の変化。原発への批判から天然ガスなどエネルギー輸入額高止まりによる貿易収支赤字の定着円安。

  3. ユーロ圏の経常収支 :黒字を維持できるなら、ユーロは底堅く推移。

  4. 中国など新興国の景気動向。減速するならリスク回避の円買いで円高。逆は逆。

  5. 欧州議会選挙(20145月)、米国中間選挙(201411月)

  6. 日中関係、防空識別圏を巡る日中関係緊張が極度に達して仮に戦闘状態に入ると円売り。

     

    【長期的な材料(数年)】

  1. 貿易赤字の定着化で、実需の面から円売りが進む。

  2. 極端な金融緩和と政府・日銀の協力関係強化で、日銀の国債引受け体質が問題視されて利回り高騰し、財政が破綻。

  3. 本邦輸出量の動向 :生産拠点の海外移設や世界経済回復遅れが続けば輸出伸びず、円安は続く。

  4. ユーロ圏、財政統合の行方(2014銀行監督一元化~2012/10合意、各国予算編成への関与)順調ならユーロ評価に。

  5. 米国:順次延長され2014年遅くを期限としていた低金利政策を2015年半ばまで延長(2012.09.13)。

  6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

     

    以上

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