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2014年3月 6日 (木)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2014年2月末現在)

【米ドル】

2月は狭いレンジで行ったり来たりのボックス相場でした。

月初は、米金融当局の金融緩和縮小が与えた新興国への悪影響や中国経済指への懸念からリスクを回避する動きがでて円が買われた前月を引き継ぎ、101円を切る円高水準で始まりました。

その後、米FRBイエレン議長が議会証言で、量的緩和縮小方針に変更がないと発言すると、102円台半ばまで米ドルが反発しましたが、中旬にはウクライナ情勢、アジア株軟調に推移したこと、本邦第4四半期GDPが予想を下回ったことなどから再びリスク回避の動きが強まって101円台半ばまで緩みました。

しかし、その後は、日銀の金融緩和維持方針の発表に加え、新政権発足等ウクライナ情勢終息期待から、再度102円台後半まで円安となったのです。

ウクライナ情勢については、大きな波乱要素をはらんでいます。下旬になると、ロシア軍の介入が始まり、欧米をまきこんだリスク要因に発展、相場もリスク回避から円買いに動き、再び101円台にはいって月を超えました。

 

【ユーロ】

2月は米ドルに対してユーロ高が進みました。

前月に、米金融緩和措置縮小を背景とした新興国経済不透明感や、ユーロ金利の引き下げ期待からリスク回避の動きが活発となり、2月は1.35近辺のユーロ安水準で始まりました。

この水準は、2012年のユーロ危機で1.22台にまで下落していた後に1.3台に反発し、2013年秋以降1.35から1.38の間で動くボックス相場の中では底値の水準にあたります。2月はこの底値水準から、ボックス相場の天井に近い水準まで戻した動きであったと言えます。

そうなった材料としては、上旬のECB理事会で金利を据え置き、ドラギ総裁の会見でも金融緩和に関する言及がなかったことで、利下げ期待が裏切られたため、ユーロの買い戻しが出てきたこと、中旬に発表されたユーロ圏第4四半期のGDPが市場予想よりも高かったことなどがありました。

ただ、大きな懸念材料としてウクライナの問題があり、リスク回避の動きが出てきており、このボックスを飛びぬけてユーロが買われることはなさそうです。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

近時、新たに浮かびあがった材料として、ウクライナ情勢があります。2月中旬には、親欧州政権が立ち上がって、収束するかに見えましたが、下旬にはロシア軍が介入して再び緊迫化し、一部には冷戦後最大の危機だとも言われています。

当面は、この動きを注視。危機に際しては、リスク回避の動きが活発になり、リスクチャレンジ通貨(新興国通貨やユーロ)からリスク逃避通貨(円)で資金が流れますので、円高圧力となります。

一方、円安材料は変わりません。特に円安後のJカーブ効果が剥げてくるころから貿易赤字が縮小し、これに伴って国際収支説でみた円安材料が減退するだろうとの予測もここへきて説得力をなくしつつあります。物量でみても輸出不振だからです。Jカーブ効果は物量でみた輸出が増加しつつあるが急激な円安で金額ベースの輸入が一時的に増えてしまうことによって起こりますから、これが単に価格だけの問題だけではなく物量においても入超ということになれば話は違うということです。

したがって、短期・中期ではリスク回避から円高圧力が増すものの、長期ではやはり円安を予測します。

 

ユーロドル ・・・

ユーロについても、ウクライナ情勢が影響しています。また、金融政策においては当面の金利引き下げはなさそうです。そして、IMMの投機ポジションは長期にわたったショートポジションのまき戻しが終わり、現在はほぼ中立です。

これらの諸点から、短期・中期では、1.35から1.38程度の間で行ったり来たりが続くのではないかと思います。

それ以降は、5月に予定されている欧州議会選挙の行方と、ユーロ圏財政統合や銀行監督体制構築の行方によって改めて予想してみる必要があるでしょう。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

  1. ウクライナ情勢。欧米巻き込んで緊迫するとリスク回避から円高、ユーロ安。

  2. FRBの金融政策の新興国への影響(量的緩和措置縮小進行新興国経済が不安定リスク回避行動円に逃避して円高)

  3. 米経済主要指標(雇用統計、製造業・非製造業景況指数、小売売上など)が堅調ならリスク挑戦行動が活発化し、株価上昇とともに円から他通貨にポジションシフトして円安。

  4. 欧州中銀(ECB)の金融政策スタンスに関する発言など :緩和ならドルとの金利差からユーロ売り

  5. 中国など新興国の経済指標への反応。指標悪ければ、リスク・オフ動き活発となって円高。

     

    【中期的な材料(数ヶ月)】

  1. FRBの金融政策の新興国への影響(量的緩和措置縮小進行新興国経済が不安定リスク回避行動円に逃避して円高)

  2. ウクライナ情勢。欧米巻き込んで緊迫するとリスク回避から円高、ユーロ安。

  3. ユーロ圏の経常収支 :黒字を維持できるなら、ユーロは底堅く推移。

  4. 本邦貿易収支:Jカーブ効果許容期間を超えても赤字解消せず、物量でも輸出低迷。円安

  5. 欧州議会選挙(20145月)、米国中間選挙(201411月)

  6. 中国など新興国の景気動向。減速するならリスク回避の円買いで円高。逆は逆。

  7. 日中関係、防空識別圏を巡る日中関係緊張が極度に達して仮に戦闘状態に入ると円売り。

     

    【長期的な材料(数年)】

  1. 貿易赤字の定着化で、実需の面から円売りが進む。

  2. 極端な金融緩和と政府・日銀の協力関係強化で、日銀の国債引受け体質が問題視されて利回り高騰し、財政が破綻。

  3. 本邦輸出量の動向 :生産拠点の海外移設や世界経済回復遅れが続けば輸出伸びず、円安は続く。

  4. ユーロ圏、財政統合の行方(2014銀行監督一元化~2012/10合意、各国予算編成への関与)順調ならユーロ評価に。

  5. 米国:順次延長され2014年遅くを期限としていた低金利政策を2015年半ばまで延長(2012.09.13)。

  6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

     

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