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2015年7月 1日 (水)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2015年6月末現在)

 

【米ドル】

 

6月の米ドル相場は、上昇後下降しました。

 

もう少し詳しく言うと、月初は最近の高値を更新するほど上昇し、すぐに修正されてしばらく小康状態を保った後、月末にかけて、一段下降したといった展開です。この3局面をさらに具体的に見ていきましょう。

 

Ÿ まず月初の上昇局面

 

前月(5月)は、米FRBイエレン議長講演(趣旨:年内利上げが適切)をきっかけに124円台半ばまでドルが買われ、そのまま.124円台で月末を超えました。これを受けて6月に入ってすぐに125円台を付けた後、5日に発表された米雇用統計が幅広い項目にわたって良好だったことから、環境面でも利上げが支持されて一時126円に迫るまでドルが買われたのです。

 

Ÿ 修正後小康状態

 

しかし、8日にはオバマ大統領がドル高を問題視する発言があり、9日には日銀黒田総裁が実質実効為替レートのさらなる円安へ疑問を投げかけたことで、122円台に急修正されました。その後は、米FOMC前後や日銀政策決定会合、米経済指標などを材料に上下する場面がありましたが、ほぼ123円を中心とした小動きでした。

 

Ÿ 一段下降した月末

 

ところが、先月も書いたギリシャ支援再開条件協議期限が迫ってくると徐々に緊張感が増します。そして協議が決裂し、月末の返済ができないことが確定すると、避難先通貨としての円が買われて、一時121円台までドル安円高となったのです。結局、122円台半ばで月末を超えました。

 

 

 

【ユーロ】

 

6月は、ふらふらしました。

 

上へ振れる材料と下へ振れる材料が月を通じて交錯したというのがその背景ですが、その材料は、ギリシャ問題に関わるものと、ユーロ圏と米国の異なる金融政策スタンスに関わるものです。両方に相場を上下させる要素がありました。材料毎に見ていきましょう。

 

Ÿ ユーロ圏と米国の異なる金融政策スタンスに関わる材料

 

まず、金融政策スタンスですが、これは5月に遡ります。すなわち、米FRBイエレン議長が講演で年内の利上げが適切だと述べたことで、5月に米ドルが対ユーロで買われ、1.1を切る水準で6月が始まりました。月初定例のECBドラギ総裁会見でも、ユーロ圏経済回復勢いが弱いとの発言があり、これがさらなる金融緩和を予感させて同じ方向に作用しています。

 

しかし、中旬には逆にイエレン議長が利上げ適切としたうえで状況次第と述べたことで、ユーロ買いドル売りとなり、1.14水準まで上昇しました。

 

Ÿ ギリシャ問題に関わる材料

 

ギリシャ問題は月末の支援再開協議期限に向けてその進展具合がどうであるかが注目されました。すなわち滞ればユーロ売り、進展すれば買い戻しという具合です。具体的には、上旬に欧州委員長が「進展あり」と発言する場面では1.13台まで水準を上げました。しかし、月末には協議は決裂し、月末返済の延滞が確定すると1.11台前半まで売られそのまま月を超えたのです。

 

 

 

【今後の短期~長期予想】

 

ドル円 ・・・

 

先月は、5月の米FRBイエレン議長講演「年内利上げが適切」が4円以上のドル高をもたらすほどのインパクトであるかどうか疑問だと書きました。6月上旬は良好な雇用統計も手伝って確かに4円以上のインパクトをもたらしましたが、その後123円を中止とする動きに落ち着きました。そのとおりになったでしょと言うつもりはありませんが、実際に長期的には現在の円安水準を維持する米利上げ以外の材料は強くありません。

 

その利上げについては、それが実現するまで(年内か)は、投機筋を動員した円売りドル買いが機会を捉えて散発的に発生するでしょう。それでも一度125円に乗せた達成感がありますから、上値はそれほど軽くはありません。

 

逆に長期的にはアベノミクスへの期待と信頼からアセットアプローチ的に円が買われ、超長期的にはインフレ格差による円高に向かうというのが僕の見方です。

 

 

 

ユーロドル ・・・

 

専らギリシャ問題に注目が集まっています。しかも、償還や返済が集中するのは6月よりむしろ7月から8月にかけてなので、しばらくは見守る必要があるでしょう。しかし、基本的は一定の着地を見るまで時間の問題であtt、離脱するとかユーロ通貨への信頼を極端に損なうということはないと思います。

 

ドイツなどユーロ圏のリーダーはギリシャの離脱を許さないからです。それはギリシャに限らず他のどの南欧諸国についても同じでしょう。ユーロはむしろもっと見通しの効かない国への拡大を続けています。

 

そして、その間に着々と金融一元化、財政統合へ向けて体制固めが進んでいます。ですから超長期的にはユーロは、一般的な金融経済理論の説明するところとは矛盾をかかえたまま政治的に強制力を働かせながら、最終的には経済的にも安定するのではないでしょうか。

 

さて、相場ですが超長期的は着地するので破綻を前提にした暴落はないが、中期的には専らユーロと米国との金融政策スタンスの違いへの注目を続けるべきです。スタンスの違いは歴然としており、中期的に変わることはないとみられることから、結局ユーロはドルに対して1.00水準をめざして売られていくというのか見方です。

 

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 

 1. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 

 2. ギリシャ支援再開条件受け入れを問う国民投票(2015/7/5受け入れないなら短期的なユーロ売り。受け入れるなら徐々に安定化。

 

 3. 米FRB金融政策:量的緩和縮小(2014/10)と金引上げ時期に関する発言や議事録開示内容。

 

 4. 米経済主要指標(雇用統計、製造業・非製造業景況指数、小売売上など)が堅調ならリスク挑戦行動が活発化し、株価上昇とともに円から他通貨にポジションシフトして円安。

 

 5. 中国など新興国の経済指標への反応。指標悪ければ、リスク・オフ動き活発となって円高。

 

 

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 

 1. 日銀の緩和策実行による効果(通貨量、物価等)とアベノミクス3本目の矢の実現

 

 2. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(2015/32016/9)の進行度合い。

 

 3. 一連の欧州安定化策枠組み(国債買入プログラム合意2012.9.6、銀行監督一元化提言2012.9.6、ESM始動2012.10.8)の実施状況。懸念が生じればユーロ安。

 

 4. 米FRB金融政策動向:量的緩和縮小(2014/10)と金引上げの実行状況。

 

 5. ユーロ圏経済の動向(貿易収支、個人商品の伸び、物価指数等)良ければユーロ買い

 

 

 

【長期的な材料(数年)】

 

 1. 円安による輸出促進効果で貿易収支の改善、経常黒字拡大が再び円高を誘う。

 

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高

 

 3. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 

 4. 極端な金融緩和と政府・日銀の協力関係強化で、日銀の国債引受け体質が問題視されて利回り高騰し、財政が破綻。

 

 5. 欧州議会選挙(14.5/2225)の結果(EUに懐疑的な勢力が台頭)、ユーロ圏財政統合等安定化策の進捗が阻害されればユーロの信頼失墜。

 

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

 

 

以  上

 

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