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2016年4月 2日 (土)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2016年3月末現在)

【米ドル】

3月はあまり動きませんでした。

前月(2月)は121円台から110円台に、大きく円高に触れましたが、先月は、113円を中心にほぼ12円程度上下する静かな相場でした。市場は材料を探しており、これはというものを見つけては仕掛けるけど、方向感を決めるような大きな動きにならずにまた落ち着いてしまうといったような感じです。

例月注目される材料を月初から見ていきましょう。

まず、月初第1金曜日の米国雇用統計です。非農業雇用者数と労働参加率は上昇した一方で時給の平均は減少するという具合に、好材料と良くない材料が入り混じり、市場は一旦114円台前半までのドル買いに出たのち113円台半ばまで売るという反応で応じました。

上旬の欧州中央銀行理事会は、金利引き下げや資産買い入れ額増量という追加緩和措置を発表したため、ユーロ全面安となりまし。つれてドル円も114円台半ばまで強含みましたが、直後の総裁記者会見では、今後の追加緩和は考えていないとの発言にユーロドル急騰し、ドル円も112円台半ばまで緩みました。

中旬は日銀政策結滞会合です。事前には緩和を期待する向きがあっただけに、現状維持発表とその後の総裁会見をうけ、114円台から112円台に下落しました。この流れは、さらに日欧株価軟調推移と米金利低下ではずみをつけ、17日には110円台半ばまで下落したのです。前月(2月)の円急騰場面では111円を割ったところで反転したので、今回は110をチャレンジするのかと思われました。しかし、その勢いはありませんでした。

下旬には、イエレンFRB議長の講演内容に反応する場面もありましたが、結局112円台半ばで月末を越えています。

 

【ユーロ】

3月はユーロが買われました。

ドル円は動きませんでしたが、ユーロは月末にかけて、じりじりとユーロ高の方向で動きました。ドル円は、動かない中でも、なにかあると円に対してドルを売る方向にチャレンジしようとする姿勢がうかがいしれましたが、それはユーロにも見て取れます。ユーロの場合はドルと違って、IMM先物投機でユーロ売り持ち高が相当量積み上がっているという事情があり、ポジション調整の機会をうかがう場面が時々ありました。

具体的にみていきましょう。月初は1.08後半で始まりました。

注目されていた、10日の欧州中央銀行理事会では、市場の予想を上回る緩和措置が発表され、一時1.08の前半まで弱含みましたが。発表直後の会見でドラギ総裁が、追加の利下げは考えないと発言したことを材料に一気に1.12台まで、上昇しました。

月末には、米FRBのイエレン議長が、世界経済の下降リスクを懸念する内容の講演をすると、またこれに反応して1.13半ばまで上昇し、そのまま月末を越えました。

 

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

3月は方向を占うような動きがありませんでしたので、予想の方向も変わりません。

短期では、日米欧金融当局の金融政策スタンスの違いが金利差を予想させる形で、金利選好の理屈に沿った相場の動きになるでしょう。その中で、より深刻な問題として、中国経済の失速からくる新興国はじめ世界経済の後退リスクを回避する動きに注意。

注目材料

Ÿ 米金融当局(FRB)の利上げ姿勢:米経済は悪くないが、世界が悪い。

Ÿ 原油価格の動向:協調減産が難しいなど、当面は不安が続きリスク挑戦しにくい。

中長期的には、米大統領選挙や日本でも消費税導入があやしくなってきたなどの政治的要因がありますが、経済要因だけでみますと、日本経済のデフレリスク継続と経常収支の安定から、円安材料に乏しいと考えます。

 

ユーロドル ・・・

ユーロ経済が比較的底堅く推移していることと、デフレ脱却が難しいことから、中長期的にはドルに対して堅調な方向だと考えます。

短期でも、IMMのユーロ売り投機ポジションの積み上がりがいつ巻き戻しにでるか不透明です。前述のように、最近はちょっとした要人の発言も、市場はポジション調整の材料にしたがっているように見えます。

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 2. 中国はじめ新興国の経済失速、株価動向心理的な不安がリスク回避行動となり、円買いに流れる。

 3. 石油価格下落に伴う資源国経済の先行き懸念リスク回避による円買い(短・中期)

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 2. 中国はじめ新興国の経済失速、株価動向心理的な不安がリスク回避行動となり、円買いに流れる。

 3. シリア、中東諸国の混乱状況。リスク回避機運高まれば、米ドル売られる。

 4. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(2015/32016/9)の進行度合い(2017/3まで延期を決定(20151203ECB理事会))。独など主要国債の利回り、物価景気動向、貿易収支の変化。

 5. 欧州の政治要因:テロ対策や難民対策など、リスク退避先として評価されつつあるユーロに不安。

 

【長期的な材料(数年)】

 1. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 2. 円安による輸出促進効果で貿易収支の改善、経常黒字拡大が再び円高を誘う。

 3. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

 

以  上

【米ドル】

 

3月はあまり動きませんでした。

 

前月(2月)は121円台から110円台に、大きく円高に触れましたが、先月は、113円を中心にほぼ12円程度上下する静かな相場でした。市場は材料を探しており、これはというものを見つけては仕掛けるけど、方向感を決めるような大きな動きにならずにまた落ち着いてしまうといったような感じです。

 

例月注目される材料を月初から見ていきましょう。

 

まず、月初第1金曜日の米国雇用統計です。非農業雇用者数と労働参加率は上昇した一方で時給の平均は減少するという具合に、好材料と良くない材料が入り混じり、市場は一旦114円台前半までのドル買いに出たのち113円台半ばまで売るという反応で応じました。

 

上旬の欧州中央銀行理事会は、金利引き下げや資産買い入れ額増量という追加緩和措置を発表したため、ユーロ全面安となりまし。つれてドル円も114円台半ばまで強含みましたが、直後の総裁記者会見では、今後の追加緩和は考えていないとの発言にユーロドル急騰し、ドル円も112円台半ばまで緩みました。

 

中旬は日銀政策結滞会合です。事前には緩和を期待する向きがあっただけに、現状維持発表とその後の総裁会見をうけ、114円台から112円台に下落しました。この流れは、さらに日欧株価軟調推移と米金利低下ではずみをつけ、17日には110円台半ばまで下落したのです。前月(2月)の円急騰場面では111円を割ったところで反転したので、今回は110をチャレンジするのかと思われました。しかし、その勢いはありませんでした。

 

下旬には、イエレンFRB議長の講演内容に反応する場面もありましたが、結局112円台半ばで月末を越えています。

 

 

 

【ユーロ】

 

3月はユーロが買われました。

 

ドル円は動きませんでしたが、ユーロは月末にかけて、じりじりとユーロ高の方向で動きました。ドル円は、動かない中でも、なにかあると円に対してドルを売る方向にチャレンジしようとする姿勢がうかがいしれましたが、それはユーロにも見て取れます。ユーロの場合はドルと違って、IMM先物投機でユーロ売り持ち高が相当量積み上がっているという事情があり、ポジション調整の機会をうかがう場面が時々ありました。

 

具体的にみていきましょう。月初は1.08後半で始まりました。

 

注目されていた、10日の欧州中央銀行理事会では、市場の予想を上回る緩和措置が発表され、一時1.08の前半まで弱含みましたが。発表直後の会見でドラギ総裁が、追加の利下げは考えないと発言したことを材料に一気に1.12台まで、上昇しました。

 

月末には、米FRBのイエレン議長が、世界経済の下降リスクを懸念する内容の講演をすると、またこれに反応して1.13半ばまで上昇し、そのまま月末を越えました。

 

 

 

 

 

【今後の短期~長期予想】

 

ドル円 ・・・

 

3月は方向を占うような動きがありませんでしたので、予想の方向も変わりません。

 

短期では、日米欧金融当局の金融政策スタンスの違いが金利差を予想させる形で、金利選好の理屈に沿った相場の動きになるでしょう。その中で、より深刻な問題として、中国経済の失速からくる新興国はじめ世界経済の後退リスクを回避する動きに注意。

 

注目材料

 

Ÿ 米金融当局(FRB)の利上げ姿勢:米経済は悪くないが、世界が悪い。

 

Ÿ 原油価格の動向:協調減産が難しいなど、当面は不安が続きリスク挑戦しにくい。

 

中長期的には、米大統領選挙や日本でも消費税導入があやしくなってきたなどの政治的要因がありますが、経済要因だけでみますと、日本経済のデフレリスク継続と経常収支の安定から、円安材料に乏しいと考えます。

 

 

 

ユーロドル ・・・

 

ユーロ経済が比較的底堅く推移していることと、デフレ脱却が難しいことから、中長期的にはドルに対して堅調な方向だと考えます。

 

短期でも、IMMのユーロ売り投機ポジションの積み上がりがいつ巻き戻しにでるか不透明です。前述のように、最近はちょっとした要人の発言も、市場はオジション調整の材料にしたがっているように見えます。

 

 

 

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 

 1. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 

 2. 中国はじめ新興国の経済失速、株価動向心理的な不安がリスク回避行動となり、円買いに流れる。

 

 3. 石油価格下落に伴う資源国経済の先行き懸念リスク回避による円買い(短・中期)

 

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 

 

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 

 1. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 

 2. 中国はじめ新興国の経済失速、株価動向心理的な不安がリスク回避行動となり、円買いに流れる。

 

 3. シリア、中東諸国の混乱状況。リスク回避機運高まれば、米ドル売られる。

 

 4. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(2015/32016/9)の進行度合い(2017/3まで延期を決定(20151203ECB理事会))。独など主要国債の利回り、物価景気動向、貿易収支の変化。

 

 5. 欧州の政治要因:テロ対策や難民対策など、リスク退避先として評価されつつあるユーロに不安。

 

 

 

【長期的な材料(数年)】

 

 1. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 

 2. 円安による輸出促進効果で貿易収支の改善、経常黒字拡大が再び円高を誘う。

 

 3. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 

 5. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

 

 

 

 

以  上

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