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2017年8月

2017年8月30日 (水)

「事業資金調達の教科書」を中央経済社から出版しました

書籍を出版しました。

「事業資金調達の教科書」中央経済社 著者:金森亨

事業性評価という言葉が浸透しつつあります。資金は事業に活かしてこそ。

活かすには、その事業に「事業として成り立つ素質」があるかどうかを吟味し、資金をどこにどう使えばそれを発揮させられるかを考えなければなりません。

本書では、そんな事業性を念頭に、事業資金調達の考え方として、資金使途、リスク、金利予測等を解説し、後半に調達手段毎の活用方法を説明しました。

企業経営に携わる人のほか、資金調達をコンサルする診断士の皆さんにも指導要領として使っていただければありがたいと存じます。対銀行対策にも使えますよ。

よかったら、前著「為替リスク管理の教科書」「事業再生の現場プロセス(共著)」(いずれも中央経済社)もどうぞ。

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2017年8月11日 (金)

小池百合子氏の知事としての働きぶり

小池百合子氏は、ゴタゴタしたあげくにようやくオリンピックの開催施設問題が着地した際の記者会見。

 

「大山鳴動してネズミ一匹しか出なかったといわれていますが、いかがか」と質問した記者に対して、

 

「それは失礼ではありませんか。費用も削減できしたし・・・」と口だけ笑って反論しました。しかも、「あなた、なにを馬鹿なこと言ってるの。人が聞いたら嗤うわよ。」とでも言いたげに、淫蕩な嗤いを表情に出して。

 

「失礼」とはいったいどうしたことでしょうか。記者は削減できた費用等の成果を指し、それが大山鳴動の後のメズミだと評価する声が世間にあることを引合に出したに過ぎません。実際に世間の評価はそうであったと思います。失礼でもなんでもない。その評価が間違っているなら、事実を添えて間違っていると回答すれば済むこと。相手を馬鹿にしたような淫蕩な笑いを浮かべた失礼と言う方が、よっぽど失礼ではないだろうか。私にはかなり違和感がありました。

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小池百合子氏の都民ファースト、若狭の国民ファーストは無政策の政策で受け皿になるのか

都民ファーストが圧勝した都議選。何故、民進党は、支持率が低下した政権与党の受け皿になることができないのか。一度はなったけど、その期待を裏切ったからだというのが大方の見方でしょう。民進党の前身である民主党は、1年毎に首相が代わる自民党に嫌気がさした無党派票の受け皿となって大きく票を伸ばしました。それまで耳にしなかった「マニフェスト」には、小泉政権が取り入れた新自由主義の浸透で広がった格差是正を念頭に、国民生活の目線に沿った公約を掲げていました。概ね以下のような内容だったと思います。

 

Ÿ 目指すのは、コンクリートから人へ、直接給付型による人間の安全保障、外交では新時代の日米同盟とアジア外交強化

Ÿ その為の手段として、事業仕訳などによる財源確保と政治主導による戦略実行

 

消去法による民主党選択もあったと思いますが、上のマニフェストに大いに期待したむきもあったでしょう。しかし誠に残念なことに、理想に経験値と戦略がついていかなかった。そのうえ、リーマンショクの後始末と東日本大震災という不幸な出来事が重なり、小沢対反小沢の確執やら、唐突に口をついて思わずでてしまった「最低でも県外」が、当初のマニフェストを粉砕してしまった。誠に不幸としか言いようがありません。

 

都民はそんな民進党を見きってしまったといえます。なら、自分の票を都民ファーストに持っていくしかないと大方の人々が思ったのでしょう。

 

ところで、都民ファーストの政策は、・・・・・なんでしたっけ?

 

よくわかりません。都政を変えるとは言ってたような気がします。都議会を改革するとも。でも、それは政策なのでしょうか。マニフェストなのでしょうか。都政が歪んでいるなら、とっととやればいい。都議会が腐っているなら、さっさと直せばいい。それは政策でもマニフェストでもありません。ことさら言い立てる必要のない、単なる方法論です。

 

政策とはなにか。間違っていた方法が正しい方法に変わったとして、その方法を使って、何をどうするのかが政策です。政策とビジョンがあって、それを実行するための方法の両方が揃ってはじめて知事の仕事が始まるのではないでしょうか。

 

私は別に民進党を支持しているわけではありませんが、上の民主党のマニフェストは少なくとも、政策と方法が網羅されていると思います。ところが、小池百合子氏も、都民ファーストも国民ファーストもそれがない。実行に失敗しても、政策がある民進党の方が、政策のないファーストよりまだいいような気がしますが・・・。

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2017年8月 7日 (月)

北朝鮮のICBM開発、国連安保理制裁決議の効果に疑問 立場を逆転できないだろうか

 

北朝鮮のICBM発射実験が続き、米国東海岸を射程に入れる核弾頭搭載ICBMの完成が間近いのはないかとの懸念が広がっています。しかし、これを阻止しようとする国際社会は足並みが必ずしも揃わず、制裁を強化して強制力に訴えようとする日米韓に対して、中露は対話による解決を主張しています。

 

 

 

対話で本当に北朝鮮が核武装を断念するなら、それにこしたことはありませんが、それは過去のいきさつからして実現可能なシナリオではないように思えます。なのに、中露はあくまで対話を優先する姿勢を崩そうとしません。

 

 

 

そんな状況から勘ぐると、ひょっとしたら、中露は北朝鮮を日米に向けて装備した攻撃手段として位置づけているのではないでしょうか。暴発して実際に攻撃しないまでも、予測不可能な懸案事項として、ずっと日米をその頸木の中に閉じ込め、次第に国力を損なっていくのを待っているのではないでしょうか。ならば、中露にとって北朝鮮は都合のいい外交ツールですから、当面はそれを今のまま温存するのが国益にかなうはず。彼らが国益を優先する限り、国際社会に協力するように見せて、ばれない方法で北朝鮮の核武装を支援する構図がしばらく続くような気がします。

 

 

 

但し、中露のそういった戦略が成り立つためには、なにをしでかすか予測不能な北朝鮮でも、中露に対しては敵対しないはずだという前提が必要です。かれらにはその前提が揺るがないという安心感があるのでしょう。

 

 

 

さてそこで逆転の発想です。

 

 

 

日米韓が逆に、現在の中露の立場に立つことは出来ないのでしょうか。北朝鮮は中露に敵対することはあっても日米韓に敵対することはないはずだから、我々にとって北朝鮮問題は心配するに値しない。むしろ、北朝鮮は我々にとって都合のいい対中・対露の外交ツールになっているという状況です。資本主義、社会共産主義というイデオロギーの違いや民主主義対一党独裁という体制上の違いはひとまず置いといて、経済支援など北朝鮮が最も必要としている利益を気前よく与え、彼らの利害を我々の方に近づけるのです。

 

 

 

ただ、そのためには、やはり対話が必要という皮肉なことになるかもしれませんね。まさに先が見えない、悩ましい問題です。

 

 

 

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2017年8月 1日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年7月末現在)

【米ドル】・・・対円

7月は、6月とは逆に動き、中旬以降下降しました(円高)。

前月のドル堅調の流れを受けて、112円台半ばで始まった米ドルは好調な米雇用統計の結果(非農業部門雇用者増加数予想比大幅増加)を受けて、さらに伸び、10日には114円台前半に乗せました。しかし、その後、下がっては少し戻りを何回か繰り返し、結局110円台前半で月末を越えています。

材料は、ほぼ日米の金融政策スタンスの違いに集約されます。

米FRBは利上げの機会をうかがい、買い取り資産の縮小を視野に入れるなど緩和策から出る方向が明らかであるのに対し、日銀は6度目となる物価目標達成の延期を決めて、緩和を継続する姿勢が明らかです。

したがって、経済指標がこのスタンスを後押しするような形で現れるなら、ドル高円安です。それが7月上旬の形でした。

しかし、米国では物価上昇の兆しが弱く、買い取り資産の縮小こそ年内にも実施されるとの見通されるものの、金利については二の足を踏んでいます。対する日本では「景気」は回復基調を続けているもののやはり物価が伸びないという状況です。いずれも両国の金融政策スタンスを思惑通り進めることの難しさを象徴し、中旬以降は当局のスタンスとは逆の方向でだらだらと流れていく結果となりました。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

7月はじりじりと上昇しました。

先月も書いたように、ここ当面は201612月の1.04台を底値に、その後毎月1段ずつ上昇してきました。7月もその続きです。

ユーロ圏の経済は、結構前から堅調に推移しています。ファンダメンタルズを考慮するなら通貨ユーロはそれなりに評価されてしかるべき。それなのに、上値を抑えつけられていたのには2つ理由があります。

1つは、政治リスクです。英国の国民投票でEU離脱が決まってしまった悪夢を欧州各国の選挙で繰り返すのではないかとの懸念が年初にはありました。これがオーストリア、オランダ、フランスとひとつずつつぶされていくに従って、安心感が広がってきたのです。

もうひとつは、ECBの金融政策スタンスです。経済が堅調に推移しているのだから、そろそろ緩和策を出てもいいのではないかと声に対して、ドラギ総裁の発言は徹頭徹尾慎重でした。それが、ここへきて少しずつ打ち出すようになってきました。20ECB理事会後の会見では、テーパリング(徐々に量的緩和策を縮小すること)を検討することを明言し、さらにユーロを押しあげました。月初1.14台前半で始まり、月末には1.18台前半で終えています。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

しばらくは日米金融当局の政策スタンスを反映した動きになるものと思われます。ただ、7月も思惑通りに進まなかったように、そのスタンス推進を許す環境にあるかどうかが相場動向に影響するでしょう。

その意味で物価動向や雇用統計などに引き続き注視すべきなのは言うまでもありませんが、米国の場合はそれを動かす、経済運営もみておく必要がありそうです。雇用が促進され物価も上昇するためには、積極的な経済運営が大事です。この点では、トランプ大統領が公約している、減税や公共投資など経済刺激策がスムーズに実行されるかどうかがポイントです。そもそも、トランプ大統領当選で、それまでの予想に反してドルが買われたのは、その積極政策に期待したからでした。また、7月に米ドルが伸び悩んだのは、政権運営がぎくしゃくしてそれがなかなか進まないからでもあります。ここへきて、就任したばかりの広報部長をわずか10日で解任するなど、混乱は収拾するどころかますます拡大しているようです。米ドルの上値は重いと言わざるを得ません。

また、北朝鮮や対露・対中の政治リスクも大きくなってきました。ちょっと前までは、制裁や軍事行動など対応策がありましたが、いまは先が見えない状況です。ただ、これが有事の円退避と出るか、それとも日本も危ないと見られて円売りと出るかは判断しにくいところです。

 

ユーロドル ・・・

ECBのスタンス舵取りが緩和縮小方向に明確に切られ、具体的にテーパリングの検討段階に入ったことで、市場ではシナリオの組立てが始まりました。

年内に量的緩和の縮小段取りを検討して固め、来年初から夏にかけて実行するというものです。この間、物価などの経済指標がしっかりしていれば、利上げも検討されるでしょう。米国が躊躇しているのに比べて、EUの足取りはしっかりしているようにも見え、リスクがなければ、米ドルに対して引き続き伸ばすのではないかと思います。

リスクは、秋に控えるドイツの選挙と来年夏のギリシャ向け第三次支援期限です。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い、もしくは日本への不安からくる円売り。

 3. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況:混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。

 3. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 英のEU離脱交渉の行方

 6. 第3次ギリシャ支援期限(2018年夏)の再交渉の行方

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. ギリシャ問題:2018年に第3次支援終了

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. 北朝鮮、中東の政治リスク:リスク回避は円買い。但し、北朝鮮リスクは日本の当事者なのでいちがいには言えない。

 

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