外国為替相場の動向と変動要因分析

2018年1月 5日 (金)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年12月末現在)

【米ドル】・・・対円

12月は小幅での「往ったり来たり」でした。

月初112円台半ばではじまった後、トランプ大統領によるイスラエル首都認定やフリン前補佐官の虚偽供述問題など政治要因で111円台まで売られました。

その後は、米利上げへの期待や、米大幅減税への期待から買い戻され、113円台半ばから後半まで上昇しました。米利上げについては期待通り、FOMCが政策金利を0.25%切り下げて実現しましたが、物価の見通しなど、さらなる利上げ環境については悲観的な見方が多く、ドル円相場も再び112円台前半まで緩みました。

それでも、日銀の政策決定会合の緩和出口をみじんも匂わせない内容に再び113円台を回復。文字通り、「往ったり来たり」の相場展開になったのです。

年末にかけては、取引の薄いなか、ポジション調整から、結局112円台半ばで年を越しています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

12月は上昇しました。

月初1.19台半ばで始まった後、米国の大型減税によるドル買いに押され、月央にかけて一旦は1.17台前半まで弱含みましたが、その後はするすると上昇し、一時1.20台に乗せて1.19後半で年を越しました。

上昇要因は、欧州中央銀行(ECB)の緩和策縮小です。既に資産買い入れ縮小を決定して徐々に緩和策を緩めており(緩和策緩和?)、緩める環境(経済のファンダメンタルズ)も整っています。ECBは今月より資産(国債)買い入れ額を半分にする方針であり、9月にも量的緩和策の期限を迎える見通しです(1222日、日経朝刊参照)。

 

ドイツは、超長期国債の発行量を増加させる計画で、実際に増加すれば価格は緩み長期金利は上昇しますから、これに応じて€も上昇する可能性があります。

 

 

 

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短期的な材料には乏しそうです。引き続き、米FOMCや日銀金融政策決定とそれを左右する主要経済指標によって思惑売買はあるものの、値動きは小さいと見込まれます。

一方、中長期ではいくつか材料があります。

① 米国の大型減税効果

先月20日、米議会は10年間で1.5兆ドルの巨額減税法案を可決しました。併せて、海外子会社からの配当課税も廃止します。これにより米国に還流する資金や米国への投資も増えると見込まれます。単なる投機と異なり、実需を伴った資金の動きは短期的には小さくても、中長期にはボディブローのように効いてきます。過去の還流資金減税では、それだけが全部の要因ではないにせよ、10円以上の円安をもたらした記録もあります。

② 日本の経常黒字

日本の経常黒字は、長期にわたる世界経済の好調の恩恵を受けて増えています。貿易も黒転してから順調にその幅を膨らませているほか、対外直接投資残高の継続的な蓄積により、配当や利益還流も伸びているからです。

③ 日米金利差効果

米金利は今年も引き上げられますが、米国の政策金利の目線が徐々に下がり、これが長期金利の上昇を阻害するのではないかと見方が市場に出てきているようです。一方の日銀はいつまでも頑なに緩和を継続するわかにもいかず、出口論もささやかれるでしょう。そうなると、ドル上昇が抑えられ、円高要因となる可能性があります。

上の①は円安、②・③は円高と、影響は真逆です。どちらが勝るかはよく見守っていく必要があります。どちらかというと、円高でしょうか。

 

ユーロドル ・・・

緩和策の縮小(終了)はユーロを押し上げる材料となりますが、一方で不安材料もあります。

① ひとつは物価動向です。経済成長率は伸びていますが、ECBが重視している物価の動向は思わしくありません。ユーロ圏19ヶ国のHICPHarmonised Index of Consumer Prices調整済消費者物価指数~2015100)は、8月で前年同月比+1.509+1.5410+1.3911+1.55と、いずれもプラス値ですが、ECBが目標としている「2.0%未満でその近辺」に届いていないからです。

② 次に政治リスクです。オーストリアでは極右政権を含む連立政権が正式に立ち上がり、EU方針に沿うコメントを出しつつ、イタリア国境に接する自治区でやはり民族主義的行動にでているほか、カタルーニアでは議会選挙結果で独立派が過半数を占めて事が長期化する様相を呈しています。また、イタリアは議会が解散され、選挙の見通しが不透明です。

③ 米ドルとの関わりでは、先月米上下院を通過した大型減税とげい環流資金への課税廃止に伴う米への資金還流によって米ドルが上昇するなら、取引反対通貨としての€は中長期で弱含む可能性があります。

以上、好調な経済に支えられた€も、短期・中長期の両方において上値を抑える材料があることに注意する必要があります。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 3. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 4. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 米大型減税(2017/12可決)の効果による、米国への資金還流(多通貨からドル変換によりドル高材料となる)

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 5. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 6. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(資産買入)終了時期が201712月から延期された20189月に本当に終了するか

 

【長期的な材料(数年)】

 1. 米大型減税(2017/12可決)の効果による、米国への資金還流(多通貨からドル変換によりドル高材料となる)

 2. 好調な世界経済の恩恵を受けた本邦輸出促進効果で貿易収支改善、対外直堰投資蓄積による配当や利益の本邦送金を背景に、経常黒字拡大が再び円高を誘う。

 3. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

 

以  上

 

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2017年12月 4日 (月)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年11月末現在)

【米ドル】・・・対円

11月は円安一服しました。

9月、10月とドルが買われて円安に振れましたが、11月は前半にその勢いを保ったものの、後半では挫かれたようです。

前半にドルが買われた背景には、米金融当局の政策協議FOMCで年内の追加利上げが示唆されていることです。一方の日銀がさらに金融緩和を継続する意思を示していることから、日米金利差が広がってドルが買われて円安が進んだのです。年初の円安水準にまでは届きませんが、115円に迫る水準まで進みました。月初3日に発表された米10月雇用統計では、非農業部門雇用者数が26.1万人増と市場予想を下回る水準でしたが、コンスタントに増えているほか、失業率は予想を上回る4.1%まで下がったことなども利上げ環境に問題がないことを示しています。

ただ、一部には利上げペースが速いと逆に材料が早く剥げ落ち、逆にその先の警戒感からドル売り(円買い戻し)に走るむきもあるようです。理屈からすると、にわかには信じられませんね。しかし、現状の円安水準が投機筋の円売りポジションの積み上がりで成り立っているという面を考慮するなら、それもありかな・・・と。

IMMの為替投機筋の円売りポジションの積み上がりを「為替ドットコム」さんのグラフでみてみましょう。たしかに、直近ではここ数年で最高水準にまで積みがっています。乗り遅れないように早めのポジション調整タイミングを見極めようとする立場では、非常に神経質にならざるを得ません。2228日にかけては110円前後の水準まで円高に振れました。

ただ、これも月末にかけては戻しています。時期FRB議長に指名されたパウエル氏が利上げに慎重な発言をしたことや物価水準がおもわしくないことなどが原因として挙げられます。

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【ユーロ】・・・対米ドル

11月は反転しました。

今年は9月まで一貫してユーロが上昇した背景には、政治要因がありました。選挙の年と言われた今年、ひとつひとつ選挙の結果が出るたびに極右体制への不安が解消され、どん底にあったユーロをじわじわと持ち上げてきたのです。

この間、本来もっと注目されるべき材料である欧州中央銀行ECBの金融政策スタンスの変化は話題にはなるものの、上記政治要因の前にはあまり相場を動かす力がなかったと言えるでしょう。それが、一連の選挙が終わった今、金融政策要因が相場を動かす市場に戻ってきたような印象です。

ECBは資産買い入れ縮小を決定し緩和策の出口に向かっています。その一方で物価水準が1%台に留まっていること等から、出口から引き返すような場面もあり、それがユーロ相場に反映されて往ったり来たり。

9月、10月は軟化傾向でした、再び11月は出口へ向かって動き出した感があります。

月初1.16レベルで始まり、下旬にかけて1.19前半まで伸ばした後、ほぼその水準のまま月末を越えました。

171201

 

10月も下がりました。

ただし、それは下旬に入ってからです。上旬中旬では1.17から1.18半ばの間を往ったり来たりする動きでした。

9月のユーロも円同様、米FRBの予想外の利上げ言及にあおられて下落しました。また、独選挙結果などもこれに拍車をかけ、米ドルに対して売られた構造は円と良く似ていました。

この2つの材料が10月にどうなったかというと、まず、米利上げの材料が相場に織り込まれて色あせた点は円と同じです。しかし、他方の政治材料については、カタルーニャの独立騒ぎがあってさらに€売りの材料となった点が円と異なる展開となりました。

さらに、1026日のECB理事会とその後のドラギ総裁発言も€売り材料となりました。

理事会では資産買い入れの縮小を決定してテーパリング開始が明らかになりました。これは事前予想通りでしたが、ドラギ総裁の記者会見では、買入縮小するからといって緩和を止めるわけではなく、買入終了時期を201712月から20189月に延期したうえで、その後も緩和を続けることを匂わせる発言があったのです。この結果、€は1.160近辺まで下落し、1.16台半ばで月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短期では、米国の利上げ動向に注目します。これに関わるFOMCの動向、特に121213日に予定されているFOMCでは利上げを決めるとの強い観測が市場にあり、その通りになるかどうか。また利下げ環境として、なかなか水準維持できない物価動向等の指標にも目をやっておく必要があるでしょう。

このとき、注意しておかなければならないのは日銀のスタンスです。これまで、米利上げに対して日銀が緩和継続スタンスだったのがドル高円安の材料となってきましたが、先日の黒田総裁のスピーチはいよいよ日銀も緩和出口を模索し始めたのではないかと思わせるニュアンスだったので注目されています。投機筋の円売りポジション調整の兆しも敏感に感じ取らなければなりません。

中長期的には、そろそろ経常収支の様子も見守る必要があります。このところ日米の金融政策スタンスの差にばかり注意が集まっていましたが、その間に経常収支黒字がじわりと積み上がっています。基本的な円高要素です。

 

ユーロドル ・・・

金融政策スタンスは緩和の出口を模索している方法で決まっているものの、それを許す経済環境が整うかがひとつのポイントです。

その意味では、失業率は改善を続ける(11月は8.8%、20091月(8.7%)以来、89カ月ぶりの低水準)ほか、貿易なども堅調に推移していますが、物価水準はECBが目標としている2%近い水準になかなか達しません(11月は1.5%)。

微妙なのは、米FRBの金融政策スタンスとの相対的位置です。先に書いたようにFRBも緩和出口にありますから、両方が並行して同じ方向に同量だけ進むなら、€・ドル相場が€の対ドル相対値であることを考えると、相場変動はないということになります。

さて、注目点は政治要因にもあります。カタルーニャの独立騒ぎは、1221日に予定されている州議会選挙で一定の方向が見えそうです。両者拮抗しており予断を許しませんが、決着の仕方によってはユーロ全体の体制にも影響を及ぼしかねません。また、先の選挙でなんとか第一党を確保したドイツのメルケル首相も連立政権の組立てで苦労しており、こちらもどちらに転ぶかで、将来への影響が心配です。

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 121213日のFOMC :米利上げ決定か否か

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 6. ドイツ :メルケル首相の連立政権の行方、スペインのカタルーニャ州議会選挙(2017.12.21

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 5. FRB議長の後任指名されたパウエル氏のスタンス(利上げに慎重か、積極的か)

 6. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(資産買入)終了時期が201712月から延期された20189月に本当に終了するか

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 3. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

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2017年11月 1日 (水)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年10月末現在)

【米ドル】・・・対円

10月も円安に振れました。

9月のような勢いは見られなかったものの、引き続き円が米ドルに対して売られました。但し、9月の円安材料は少し色あせ、ふらふらと迷っているようにも見えます。

9月のドル高円安材料は・・・

Ÿ FOMCで年内の利上げにまで踏み込んだ発言があったこと(日米金利差拡大予想によるドル買い円売り)

Ÿ 衆議院選挙で、消費税の使途変更や凍結が公約に挙げられ、財政再建が遠のくとの見方から円への信頼が少し揺らいだ

などでした。特に、利上げに関しては、FRBのイエレン議長の後任に利上げに積極的なテイラー氏が有力であるとの予想も、将来に向けた日米金利差拡大を予感させ、それを見越した円売りが加速しました。

10月は112円台半ばで始まり、前半の冴えない米国経済指標を受けて111円台半ばまで緩む場面があった後は、じりじりとドルが買われ、一時114円台半ばまで上昇(円安)しました。

しかし、月末にかけては弱含み、結局113円台半ばまで月を越えています。上記9月の材料に関しては・・・

Ÿ 米利上げ観測 :イエレン議長後任として緩和策に理解を示しているパウエル氏がテイラー氏より有力しされるように少し状況が変化したこと

Ÿ 衆議院選挙は、結局自公の勝利に終わり、財政再建への不安は残るものの、野党が主張する引き上げ凍結などの芽はなくなったこと

で、色あせてドル買いの勢いはさほど大きくならなかったと言えそうです。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

10月も下がりました。

ただし、それは下旬に入ってからです。上旬中旬では1.17から1.18半ばの間を往ったり来たりする動きでした。

9月のユーロも円同様、米FRBの予想外の利上げ言及にあおられて下落しました。また、独選挙結果などもこれに拍車をかけ、米ドルに対して売られた構造は円と良く似ていました。

この2つの材料が10月にどうなったかというと、まず、米利上げの材料が相場に織り込まれて色あせた点は円と同じです。しかし、他方の政治材料については、カタルーニャの独立騒ぎがあってさらに€売りの材料となった点が円と異なる展開となりました。

さらに、1026日のECB理事会とその後のドラギ総裁発言も€売り材料となりました。

理事会では資産買い入れの縮小を決定してテーパリング開始が明らかになりました。これは事前予想通りでしたが、ドラギ総裁の記者会見では、買入縮小するからといって緩和を止めるわけではなく、買入終了時期を201712月から20189月に延期したうえで、その後も緩和を続けることを匂わせる発言があったのです。この結果、€は1.160近辺まで下落し、1.16台半ばで月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短期では、米国の利上げが材料です。これが年内にあるか、年内にあるという動きがさらに出てくるかで115年をうかがうドル買い円売りがおこるかもしれません。その後は、FRBイエレン議長後任が利上げに積極的なテイラー氏になるかに注目が集まっています。FRB議長の後任は長期的な米国金融政策スタンスにも影響があるはずですから、この後任選びは相場の中長期動向を占うことにもなるでしょう。

一方で、米経済指標や物価動向はいまだに安易な利上げを許さない状況にあります。根中で利上げを続けると、新興国を含む世界から資金が米国に還流する速度が速まると、世界経済が減速し、出口を出た緩和トンネルに再び入っていくことも考えられます。

対する日本は、一向に緩和出口の話は出てきません。このまま出口を模索することなく、再び米国が緩和トンネルに入るなら、円は大きく買われることになるでしょう。

 

ユーロドル ・・・

ユーロを支える経済的な材料は豊富です。10月のユーロ圏経済景況指数は17年ぶりの高水準になったようですし、失業率も改善が続いています。経常黒字も相当に積み上がり、中長期的なユーロ高材料を形作っています。

しかし、政治的材料はネガティブです。政治は経済も破壊する可能性がありますから、いくら経済ファンダメンタルズが良くても政治要因であっという間にひっくり返ってしまいます。

短期的にはカタルーニャ独立騒ぎですが、長期的には、その動きがイタリア北部、ベルギーのフランドル地方、ユーロ通貨には関係ありませんが、イギリスのスコットランドと地域の政治不安定が大きく揺らぐ可能性があります。先月も書いたように、各国とも現政権を維持することには成功したものの、この1年、反移民や極右勢力が大きく勢力を広げたことも根っこは同じです。

ユーロを占う中長期的材料としてきた、銀行行政の統合や財政の統合の行方など、これら政治の動きの前にはひとたまりもありません。ユーロに関しては、ECBの金融緩和などの政策スタンスや経済指標より、これらの政治的な材料にしばらく注目していく必要がありそうです。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動の動向ユーロ圏不安からユーロ売り要因

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 5. FRB議長の後任指名の動き(利上げに積極的なテイラー氏か緩和に理解示すパウエル氏か)

 6. 欧州中銀(ECB)の量的緩和策(資産買入)終了時期が201712月から延期された20189月に本当に終了するか

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 3. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

 

以  上

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2017年10月 2日 (月)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年9月末現在)

【米ドル】・・・対円

9月は円安になりました。

月初、110円台前半で始まったドル円相場は、しょっぱなに発表された米国雇用統計のぱっとしない数字に米FRBの緩和出口策への不安が市場に広がり、その後の1週間で107円台後半まで弱含みました。9月の米FOMCでは、年内での量的緩和を収束させて買入資産を圧縮するよう決定されるというのが半ば既定路線になっていますが、このところ不安定な物価動向もこの規定路線に不安をもたらしています。

ところが、21日に開催されたFOMCでは、規定路線であった量的緩和の収束を決めたばかりは、それはないだろうと思われていた年内の利上げにまで踏み込む発言があり、112円台半ばまで上昇しました。一時は113円台前半もつけました。

FOMCの内容は下記のとおりです。

 2008年危機後の量的緩和政策を完全に終結し、保有資産の段階的縮小開始を決定

 6月に続く利上見送り、FF誘導目標は年1.001.25%据置いたが、同時に公表した金融政策見通しでは、会合参加者の多くが年内1回の追加利上げを予想

市場は12月の会合で再び利上げに踏み切るとの観測が強まり、その結果、ドルが買われたのです。9月はそのまま112円台半ばで月末を越しました。

円が売られた要因はもう一つあります。それは、消費税の使途修正です。衆議院が解散され、解散によって信任を問う内容の柱に10%への引き上げが予定されている消費税の使い道を一部修正して教育に充てる方針が持ち出されました。これにより、2020年までの基礎的収支均衡の目標達成が一層困難になり、財政悪化が円への信頼を失わせたのです。さらにそれに輪をかけ、野党も引上げを当面凍結するなどの選挙公約を上げる様子。選挙で与党が政権を維持しても、仮に野党が政権を取るようなことになっても、いずれの場合も国家財政を悪化させる方向であるということなのですから。これは9月の相場変動要因としてだけでなく、長期的な円相場の方向感を修正せざるを得ません。

なお、21日に開催された日本銀行の政策決定会合では、短期金利▲0.1%、長期金利ゼロ%程度に誘導する長短金利操作の現状維持を決めています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

9月でピークを越えたようです。

前半は強かったユーロが後半は弱含んだというのが9月のまとめです。

前半の強かった原因は、ECB(欧州中央銀行)の理事会の動きです。7日理事会では、今の金融政策を維持したものの、10月の理事会では資産買い入れ策に言及し、具体的にテーパリング(資産買い入れによる量的緩和策を徐々に縮小すること)に触れたことで、間枠の出口がいよいよ現実のものとなり、ユーロ圏経済も安定して堅調に推移していることから、対外金利相対水準と経済ファンダメンタルズの両方からユーロ買いを誘った形です。

ところが、後半にはこれに水を指す材料が2つ出されました。

1つは、米FOMCです。【米ドル】でも述べたように、既定路線であった買入資産の年内縮小に加え、市場が予想していなかった年内利上げ観測もだされたことから、これまで円を除く主要通貨に対して弱かった米ドルが強さを取り戻しました。これまで買われてきたユーロを売るポジション調整が進んだのです。

他の一つは、独選挙結果などユーロ圏政治要因です。924日に行われた独連議会選挙では与党は第一党の地位を確保したものの、移民政策などの異を唱える勢力が存在感を示し、連立教義の難航も予想されています。ユーロ圏をまとめる筆頭である独の基盤が弱くなるとユーロそのものへの信頼も揺らぎ、売りにつながったのです。

結局、前半に1.20台前半まで買われたユーロは、後半に1.17台半ばまで弱含み、1.18台前半で月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

当面の主な判断材料は下記のとおりです。

a. 米、年内利上げ可能性と来年の利上げ速度

b. 本邦、財政再建をめぐる選挙、及び選挙の政策決定

c. 北朝鮮などの政治リスク

d. 経常収支と対外投資の動向

まず、米国の年内利上げの可能性は9月のFOMCから想定を超える形で浮き彫りになった議論の動向です。物価や雇用がさえないなか、買入資産の縮小は既定路線通り実行しても利上げまではないだろうとしていた市場の期待を裏切っています。所謂ハト派といわれているFRBイエレン議長の任期切れで後任は利上げに積極的になる可能性があるというのも、付随材用です。これらが当面の米ドル押し上げ要因になります。

本邦の財政再建をめぐる議論もここ数週間で出た材料です。積極的な経済政策への期待がある一方で財政は大きな問題です。政権が思っているほど、世界の目は甘くないのではないでしょうか。現に日本国債の長期格付けは低迷したままでこれに慣れっこになってしまっています。円安要因になります。ただ、これは長期的な材料として捉えておく必要があります。

長期的材料としては、経常収支と対台投資の動向にも注意しておく必要があります。貿易は新興国経済に依存しつつあまり大きな期待はできず、対外投資は国内のカネ余り現状を反映してとても活発です。当面は短中期では円安要因となり、長期では経常収支黒字を支えて円高要因になります。

以上から、短中期では、ドル高円安、中長期では財政要因と経常収支要因のせめぎ合いの中、どちらとも言い難い状況と言えます。

 

ユーロドル ・・・

ユーロは9月の1.20台を以って、当面のピークを越えたとく見方が市場に出ています。ここまで主要通貨(円を除く)に対して弱かった米ドルが利上げ可能性を機に強みを発揮し始めていることで、ユーロを買い進めていた向きがポジションを調整しつつある、つまり溜まった買いを売り始めたという見方です。

そこには、ユーロ圏経済の基礎力は底堅く、堅調に推移しているものの、それを背景した緩和策の収束はもう市場に織り込まれているという判断があります。

長期的材料としては、政治に目を向けておく必要があります。ここ1年近く、2016年暮から2017年の独連邦議会選挙までの一連の主要国選挙に焦点が集まっていました。どの選挙においても、移民に不寛容な極右勢力が政権を握るのではないかとの不安があり、それがユーロ通貨を抑えていました。しかし、選挙結果は、いずれも現政権を維持するものとなり、不安がひとつずつつ片付いていくに従って、ユーロには不安解消の買いが入ったのです。このことが、金融管措置収束という材料に加えてユーロ高に寄与してきたことは明らかです。

しかし、直近の独連邦議会選挙では移民に不寛容な勢力が存在感を示したことに注目されました。この点は、実は他の選挙でも同じように言えることだったのではないでしょうか。仏や蘭、オーストリアでも極右が票を伸ばし、一定の勢力を確保しています。

極右とか極左とか両方の言われ方がされますが、その主張するところは移民を排除し、労働者階級を含む自分たちの生活を一番に考えようという民族主義的な一面です。極右と極左はこの点を共有していると言えます。反グローバリズムはユーロ圏の結束を不安定にするでしょう。通貨統合に続く、銀行検査の統一や財政統合など現在進めようとしている各政策は円滑にすすまなくなると考えられます。これらの政策はユーロ通貨の信頼を強める効果があるはずでしたから、結果としてユーロ売りにつながると予想できます。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 消費税の使途修正や引上げ可否の論議など財政悪化から円通貨への信用を損なう

 4. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動の動向ユーロ圏不安からユーロ売り要因

 5. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 4. 英のEU離脱交渉の行方

 5. 欧州政治の不安定化:スペインカタルーニア独立運動や、一連の欧州主要国の選挙結果で極右・極左勢力が存在を示し始めていることなどユーロ圏不安からユーロ売り要

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 3. 消費税の使途修正や引上げ可否の論議など財政悪化から円通貨への信用を損なう

 4. 2016暮~2017年独選挙まで、一連の欧州主要国選挙の結果は、政権こそ維持されたものの、極右・極左勢力が存在を示す結果となった長期的にはユーロ経済運営に悪影響

 5. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 6. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 7. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 8. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

 

以  上

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2017年9月 5日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年8月末現在)

【米ドル】・・・対円

8月は、箱型相場でした。

しゃにむり日本語にしましたが、所謂ボックス相場といことです。北朝鮮のICBM発射で108円台前半まで下落したほかは、概ね110円台半ばから109円台後半の間を往ったり来たりする相場でした。

ボックス相場ですから、上げ下げ両要素が絡み合ったということになりますが、上げ(ドル買い)要素は、ずっと話題にのぼっている日米金融政策スタンスの明確な違いです。日銀は緩和スタンスを変更しないと言い続けている一方、米FRBは、年内の再利上げこそ微妙になってきているものの、買い取り資産の縮小を今月にも決定すると見られていることから日米のスタンスの違いははっきりしています。中期的には引き締め通貨は買われるとの理屈から、ドル買いの要因になります。

それに対して、ドル売りの要因は、米FRBの再利上げは指標次第とされている中、このところインフレ指標が落ちていることです。また、北朝鮮問題もリスク退避先である円買い要因となっています。

結局、110円近辺で月末を越えました。なお、高値は月初の良好な雇用統計によるものでした。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

8月はまた引き続き上昇しました。

中期的には、201612月を底に、毎月目に見えてユーロが買われています。

月初は1.18台半ばで始まりました。その後、欧州中央銀行ECB理事会議事録に、ユーロ高を懸念するむきがあったことから、月央に1.16台まで弱含む場面がありました。しかし後半は、好調なユーロ圏経済の各指標から、金融緩和を徐々に(テーパリング)脱する方針が間違いなく貫かれるだろうとの期待感にじりじりと上昇し、一時20151月以来の1.20台をつけました。

ユーロ圏経済は、GDP成長率や失業率低下はこのところずっと続いていますし、長い間金融緩和出口を危ぶむ材料となってきたインフレ率も伸びている状況です。

相場は結局1.19の前半で月末を越えました。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

当面は、以下の上げ下げ要因が相半ばするものと思われます。事態の進展や報道のタイミングによっては乱高下する可能性がありますが、相反要因が相半ばするなかではやはりボックス相場が続きそうです。

・米米金融スタンス

日銀の緩和スタンスは当面変化しないでしょうから、注目するのは米国です。特に9月19~20日はFOMCが開催されます。焦点は資産買い取り規模の縮小を決定するかどうか。市場は決定すると見ていますので、これが外れるとドル売りです。

・米予算案と債務上限引き上げ承認動向

米再利上げなどの金融スタンは基本的に、指標を見ながら判断するというのがFOMCメンバーの考えですが、その指標に影響を与えそうなのがこの要因です。トランプ氏の議会運営が混乱している中、予算が承認されないと政策が執行できずに停滞し、経済にも悪影響を及びかねません。また、例年問題となる債務上限の引き上げも認められないということがあれば、同様に行政が止まり、金融緩和から出ることが困難になる。困難になると日米スタンスの開きが縮まってドル売りとなります。

・北朝鮮リスク

いわゆる知政学リスクが高まると、リスク回避先の円に資金が逃げ込む為、円が買われるというのが影響の仕方ですが、中東のリスクと北朝鮮のリスクでは事情が異なるはず。北朝鮮は日本も巻き込まれる可能性があるため、円に逃げ込むより円から逃げるインセンティブが働くだろうという予想です。しかし、実はこれも微妙です。数年前、東日本大震災では日本が当事者であるにも関わらず、円が一時高騰しました。保険金支払い準備の為に海外投資資金を国内に還流されるだろうとの思惑が働いたためです。

以上は、短中期の要因ですが、展開の仕方によっては長期要因にもつながるかもしれません。特に政治リスクは転び方によってその後の体制を大きく変えてしまう可能性があり、その時には長期シナリオも大きく書き換えなければならなくなるでしょう。その意味ではトランプ政権の行方も気になります。

 

ユーロドル ・・・

上記のように201612月を底に毎月上昇し続け、中期的な相場動向の傾向がはっきりしています。上昇を裏付ける経済の基礎力はユーロ通貨の信用力を支えていますが、相次ぐ各国の選挙の動向が右傾化リスクをはらみ、これが上値を重たくする要因になっていました。それが1つずつ安堵する形で片が付いたおかげで上値を押さえていた重しが外れたという流れになっているような気がします。話題にのぼる選挙の最後であるドイツ(924日)も一時低迷したメルケル氏の支持率が盛り返しており、市場もこれを懸念していません。当面はユーロ強含みという方向は変わらないと思います。

もちろん、中長期的なリスクはあります。経済ではユーロドル相場はあくまでドルとの相対比較で決まることから、米政権が思いのほか安定して経済積極政策が効き、FRBのスタンスが一気に引き締めに向かうなら、それがユーロの重しになる可能性があります。長期では英国の離脱交渉の行方とその影響、移民政策の影響などです。特に移民政策は将来、移民二世の不満がユーロ社会の根幹を揺るがしかねません。そうなると、地位を脅かされそうな中間層に再び右傾化思想が広がっていく可能性があります。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米予算案・債務上限引上げの議会承認可否 :円滑に承認されれば経済積極先に期待集まりドル買い

 2. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 3. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. 20179月の米FOMC :資産買い入れ規模の縮小が予想通り決定されるか否かされなければ期待外れのドル売り

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況 :混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。円滑なら経済説教先が執行されドル買い要因に。

 3. 北朝鮮情勢:さらに緊張高まれば、リスク回避先として短期i円買い、もしくは日本への不安からくる中期円売り。

 4. 英のEU離脱交渉の行方

 5. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. ギリシャ問題:2018年に第3次支援終了

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. ユーロ圏移民政策の将来の影響 :移民二世の不満などがユーロ社会を不安定にさせるならユーロ通貨の信用力に影響。

 

以  上

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2017年8月 1日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年7月末現在)

【米ドル】・・・対円

7月は、6月とは逆に動き、中旬以降下降しました(円高)。

前月のドル堅調の流れを受けて、112円台半ばで始まった米ドルは好調な米雇用統計の結果(非農業部門雇用者増加数予想比大幅増加)を受けて、さらに伸び、10日には114円台前半に乗せました。しかし、その後、下がっては少し戻りを何回か繰り返し、結局110円台前半で月末を越えています。

材料は、ほぼ日米の金融政策スタンスの違いに集約されます。

米FRBは利上げの機会をうかがい、買い取り資産の縮小を視野に入れるなど緩和策から出る方向が明らかであるのに対し、日銀は6度目となる物価目標達成の延期を決めて、緩和を継続する姿勢が明らかです。

したがって、経済指標がこのスタンスを後押しするような形で現れるなら、ドル高円安です。それが7月上旬の形でした。

しかし、米国では物価上昇の兆しが弱く、買い取り資産の縮小こそ年内にも実施されるとの見通されるものの、金利については二の足を踏んでいます。対する日本では「景気」は回復基調を続けているもののやはり物価が伸びないという状況です。いずれも両国の金融政策スタンスを思惑通り進めることの難しさを象徴し、中旬以降は当局のスタンスとは逆の方向でだらだらと流れていく結果となりました。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

7月はじりじりと上昇しました。

先月も書いたように、ここ当面は201612月の1.04台を底値に、その後毎月1段ずつ上昇してきました。7月もその続きです。

ユーロ圏の経済は、結構前から堅調に推移しています。ファンダメンタルズを考慮するなら通貨ユーロはそれなりに評価されてしかるべき。それなのに、上値を抑えつけられていたのには2つ理由があります。

1つは、政治リスクです。英国の国民投票でEU離脱が決まってしまった悪夢を欧州各国の選挙で繰り返すのではないかとの懸念が年初にはありました。これがオーストリア、オランダ、フランスとひとつずつつぶされていくに従って、安心感が広がってきたのです。

もうひとつは、ECBの金融政策スタンスです。経済が堅調に推移しているのだから、そろそろ緩和策を出てもいいのではないかと声に対して、ドラギ総裁の発言は徹頭徹尾慎重でした。それが、ここへきて少しずつ打ち出すようになってきました。20ECB理事会後の会見では、テーパリング(徐々に量的緩和策を縮小すること)を検討することを明言し、さらにユーロを押しあげました。月初1.14台前半で始まり、月末には1.18台前半で終えています。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

しばらくは日米金融当局の政策スタンスを反映した動きになるものと思われます。ただ、7月も思惑通りに進まなかったように、そのスタンス推進を許す環境にあるかどうかが相場動向に影響するでしょう。

その意味で物価動向や雇用統計などに引き続き注視すべきなのは言うまでもありませんが、米国の場合はそれを動かす、経済運営もみておく必要がありそうです。雇用が促進され物価も上昇するためには、積極的な経済運営が大事です。この点では、トランプ大統領が公約している、減税や公共投資など経済刺激策がスムーズに実行されるかどうかがポイントです。そもそも、トランプ大統領当選で、それまでの予想に反してドルが買われたのは、その積極政策に期待したからでした。また、7月に米ドルが伸び悩んだのは、政権運営がぎくしゃくしてそれがなかなか進まないからでもあります。ここへきて、就任したばかりの広報部長をわずか10日で解任するなど、混乱は収拾するどころかますます拡大しているようです。米ドルの上値は重いと言わざるを得ません。

また、北朝鮮や対露・対中の政治リスクも大きくなってきました。ちょっと前までは、制裁や軍事行動など対応策がありましたが、いまは先が見えない状況です。ただ、これが有事の円退避と出るか、それとも日本も危ないと見られて円売りと出るかは判断しにくいところです。

 

ユーロドル ・・・

ECBのスタンス舵取りが緩和縮小方向に明確に切られ、具体的にテーパリングの検討段階に入ったことで、市場ではシナリオの組立てが始まりました。

年内に量的緩和の縮小段取りを検討して固め、来年初から夏にかけて実行するというものです。この間、物価などの経済指標がしっかりしていれば、利上げも検討されるでしょう。米国が躊躇しているのに比べて、EUの足取りはしっかりしているようにも見え、リスクがなければ、米ドルに対して引き続き伸ばすのではないかと思います。

リスクは、秋に控えるドイツの選挙と来年夏のギリシャ向け第三次支援期限です。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い、もしくは日本への不安からくる円売り。

 3. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. トランプ政権の運営状況:混乱続けば、経済政策進まず、利上げ機会も遠のく。

 3. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 英のEU離脱交渉の行方

 6. 第3次ギリシャ支援期限(2018年夏)の再交渉の行方

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. ギリシャ問題:2018年に第3次支援終了

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. 北朝鮮、中東の政治リスク:リスク回避は円買い。但し、北朝鮮リスクは日本の当事者なのでいちがいには言えない。

 

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2017年7月 5日 (水)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年6月末現在)

【米ドル】・・・対円

6月は後半に少し伸びました。

市場の事前の予想は、月央にFRBが市場予想通りの利上げ決定を発表し、ドル買い材料がそこで剥げて円の買い戻しにでるというものでしたが、実際にはそうではありませんでした。

月初110円台後半で始まり、円が買われたのは、FRBの発表後ではなく、その前。前月から引きずっていた政治リスクのうち、コミ―前FBI長官の証言あたりで108円台後半までドルが売られました。その後FRBが予想通りの利上げ(+0.25%)を発表しましたが、同じタイミングでイエレン議長が年内にも資産縮小を開始する旨示唆しました。これが市場には予想外でした。緩和解消の材料が1つはげた後ですぐに別の緩和解消材料が提供された状態となり、円買い戻しに待ったがかかったのです。

FRBは200年のリーマン・ショック後、量的金融緩和で米国債などを大量に買い、資産がそれまでの約5倍(約45千億ドル)にまで膨らんでいます。量的緩和が終了しても、国債の満期ごとに再投資を繰り返してきたため、いまでも資産規模は膨張したままです。いつかこれを止めなければなりませんが、今回、FRBは具体的にその方法まで示して記事前倒しを示唆したのです。

これに対し、日銀は16日の政策決定会合で緩和維持を決定(維持決定は連続6回目)し、日米金融政策スタンスの違いがより明確になりました。一方で円買い材料であった前月までの政治リスクが色あせたこともあり、6月後半はじりじりとドルが買われ、結局、112円台で月末を越えています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

6月はまた一段買われました。

ここ当面の動きでみると、201612月の1.06台を底値にその後毎月1段ずつ買われ、直近の1.14台の水準まで確実に山を登ってきたイメージです。

月初1.12台前半で始まり、その後1.11台まで弱含む場面がありましたが、全体としては買われ、結局1.14台で月を越えました。買われた要因は以下の3つです。

 ギリシャへの支援が合意されたこと

 仏議会選挙でマクロン大統領率いる勢力が議席を伸ばして安定化したこと

 ドラギECB総裁が「デフレはリフレに変わった」と発言したこと

このうち、①について少し説明しましょう。毎年この時期になるとユーロ経済の懸念事項として持ちあがってくるのがギリシャ財政問題です。

ギリシャは財政内容を偽ってユーロ入りした無理がたたり、継続的な財政不安に悩まされていました。ギリシャを受け入れたユーロは全体への影響を恐れ、過去に何度も支援を行ってきましたが、2015年、国民投票の結果が財政緊縮反対となった時点では財政不安がピークに達しました。ユーロ通貨もこのとき、それまでの1.36台から1.07台まで急落しています。あわやギリシャ離脱かという事態にまで発展したところえで、チプラス大統領が譲歩し、第3次支援が合意されました。その後、毎年夏になるときまってこの延長、再開、継続問題がもちあがるようになりました。今年も例外ではありませんでしたが、問題を先送りしつつ、最終的には再開合意したようです。

 

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

市場の注目は政治リスクから金融政策に移りつつあります。6月、利上げ決定後にイエレン議長が資産縮小時期を前倒しするようほのめかしたためです。米国は資産縮小(緩和出口)、ユーロ圏も緩和政策を収束させる動きを示す中、日銀だけが、緩和維持を言い続けているという構図が鮮明になってきました。こうなると、当面は金利に敏感に反応する相場が続く(ドル高円安)と予想せざるを得ません。

これに加えて、本邦の対外投資活発化も円売りドル買いに加勢しているように思います。国債の価格変動リスクが高まった状況を嫌気し、いままで金融機関が大量に抱えていた国債を日銀が買い取るようになると、マイナス金利の環境下でいよいよ運用先を失った金融機関の資金の行き先は、海外しか残っていません。

短・中期的には115円台を目指したドル高展開になるのではないでしょうか。

ただし、米FRBが本当に緩和トンネルを出られるかは米経済動向次第です。物価や雇用はその意味で今後も注目していかなければいけません。先月書いたように、物価はここへきて上昇圧力の息切れが目立ち、この辺りが円高に含みを持たせています。日本企業の海外からの利益送金なども円買い材料です。

 

ユーロドル ・・・

市場はやはりECBの金融政策スタンスの動向に注目しています。

先月書いたように、物価動向などユーロ圏の経済指標は堅調に推移しており、金融緩和政策を縮小(テーパリングと呼ばれている。テーパーはtaperで次第に細くなるという意味の自動詞)する環境は整いつつあるのですが、ECBは市場への悪影響を恐れてなかなか本音を言いません。市場はドラギ総裁の一挙手一党独を細大漏らさず注視しています。

そんなところへ、先月下旬に開催されたECB年次総会で、ドラギ総裁が「デフレはリフレに変わった」と述べたのです(2017628日日経朝刊)。デフレを克服するために金融緩和策を講じ、その効果現れれば適度なインフレとなります。リフレはインフレ兆候ですから、金融緩和策を縮小する環境になってきた事を金融当局が自ら認めた発言となりました。市場はすぐこれに飛びつき、先月は1.14台に乗ったのです。

いよいよ、縮小が現実になれば金利も徐々に上昇して米との金融政策スタンスの違いは薄まりますから中期的なユーロ買いの材料となります。

懸念材料は2018年の第3次ギリシャ支援の期限です。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い

 3. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. 米経済指標(雇用統計、物価指数など):堅調なら、金利引上げ、積み上がり資産の縮小の環境が整い、ドル買い材料

 2. 英のEU離脱交渉の行方

 3. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 第3次ギリシャ支援期限(2018年夏)の再交渉の行方

 6. 欧州各国の重要な選挙動向(10月、ドイツ総選挙)

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 欧州各国選挙結果の新政権のEU統合強化策の行方(財政、金融)

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 7. 北朝鮮、中東の政治リスク:リスク回避は円買い。但し、北朝鮮リスクは日本の当事者なのでいちがいには言えない。

 

以  上

 

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2017年6月 1日 (木)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年5月末現在)

【米ドル】・・・対円

5月は小動きでした。

政治リスクから、108円台前半まで円が買われた前月とは異なり、一部を除いて、それらのリスクが和らいだ、或いは意識から離れた今月は、少し円安に振れました。

Ø 米軍によるシリア空爆(4/7) → 意識から離れた

Ø トランプ大統領の円安牽制発言(4/12) → 熱が冷めた

Ø 北朝鮮の弾道ミサイル発射実験(4/16) → 緊張続いているが、少し慣れた

米金利の利上げ期待もドル買い材料となり、上旬には114円台半ばまでドルが強含みました。利上げ判断の重要な指標である雇用統計では、失業率が4.4%まで低下し、非農業部門の雇用者も21.1万人増えました。利上げには十分と言えそうです。

しかし、その後はドルが売られ、15日前後には110円台後半をつけました。トランプ大統領へのロシアを巡る疑惑から弾劾の可能性もささやかれて再びリスクOFFの動きを呼び戻したのです。後は111円を挟む小動きが続き、結局110円台後半で月を越えています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

5月は一段買われました。

1月を底に、米ドルに対して再評価されてきたユーロは、5月も一段買われました。昨年の英国の国民投票によるEU離脱選択以降、各国でEU離れが進むのではないかと懸念され、選挙の年となった今年は、重要な選挙の都度心配のネタが広がっていましたが、オランダ、フランス・・・とひとつひとつ潰してきました。そのたびに安堵感が広がり、ユーロが評価されてきたのです。

月間の安値は、月初に近い上旬の1.08台半ば、高値は下旬の1.12台半ばでした。

上旬の安値は、フランス大統領決選投票などの材料出尽くし感によるものです。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

短期では、まず今月の利上げ実施を確認しておきましょう。市場では9割方利上げが実施されると見込んでいます。524日に発表されたFOMC議事録でも、「経済指標が想定通りなら、間もなく追加の利上げが適切になると指摘され、6月中旬(1314日)の次回会合で利上可能性がしめされました(525日付け日経朝刊)。先に見た通り、重要な経済指標である労働統計も良好です。ただ、中には物価動向が弱いことを指摘する向きもあります(図表参照、Index 1982-1984=100, Seasonally Adjusted)。

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米国が利上げすると、日米金利差からドルが買われると見てはいけません。市場は既に織り込み済みで、これを材料にして十分買い進んでいますから、発表されればドル売りに転じます。

その後は、早速次の利上げ予想に移るのですが、それが多少やっかいなようです。引き続きFOMC議事録を注視し、指標と併せてみていく必要があります。

もうひとつ、懸念事項があります。先日公表された米国の予算案は、減税など積極的に財政を出動させる姿勢を打ち出したものの、その財源として中間層への分配を後退させるという内容でした。

昨年11月の大統領選挙の前評判ではトランプが勝てばリスクOFFから円高ドル安、クリントンが勝てば安堵感から円安とみられていた事を思い出してください。それが予想に反してトランプが買ったにも関わらずドルが大きく買われ、その後もずっと堅調に推移してきたのは、トランプの積極的な経済政策が奏功するだろうとの予想が勝ったからです。

それなのに、トランプの主な支持基盤であった中間層に苦痛を強いるのは、支持者への裏切り行為ともみられ、このままスムーズに進むとは考えにくいのです。積極策が進まなければドルを買ってきた根拠を失いますから、再びドル安円高に向かうという心配があります。

 

ユーロドル ・・・

先月29日、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は、緩和方針を変更する理由はないってなことを話、それまでのユーロ評価の動きに水をさしました。しかし、欧州経済は堅調に推移しています。ECBの金融緩和策の縮小判断の基準で重要しされているのが物価指数ですが、これも徐々に上昇しています。

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このところ、市場や分析者が緩和縮小の条件は整いつつあると言っても、その都度ドラギ相殺が打ち消す発言をしてきましたが、実際にユーロは評価されつつあると感じます。心配していた選挙もひとつひとつ潰れ、残るはドイツの総選挙ですが、これはメルケル首相への支持が安定していて、フランスやオランダのようにEU離脱派が大きく勢力を伸ばす心配はなさそうです。

しばらくはドルに対して底堅い動きを続けるものと思われます。

 

 

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. FRBの利上げ:実施は織り込み済み発表後に材料剥げ落ちのドル売り円買い

 2. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い

 3. トランプ大統領のロシア疑惑の行方:弾劾など不安定になればリスク回避の円高

 4. 仏議会選挙:マクロン政権の安定を占うものとして注目

 5. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 6. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 2. 英のEU離脱交渉の行方

 3. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 欧州各国の重要な選挙動向(10月、ドイツ総選挙のほか、仏議会選挙、英議会選挙など)

 6. 中国はじめ新興国の経済動向 :一時の不調を達して堅調、ただし米金利動向や資源価格に左右されよくぶれる

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 欧州各国選挙結果の新政権のEU統合強化策の行方(財政、金融)

 3. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 4. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

以  上

 

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2017年5月 3日 (水)

:外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年4月末現在)

【米ドル】・・・対円

4月は行って来いの相場展開でした。

「始め」から一方法に動き、結局元の水準に戻ってくることを、業界では「行って来いの相場」と言います。始め、つまり月初の水準は111円台前半でした。その後、円高方向に向かい、108円台前半から反転し、また元の水準111円台半ばまで戻ってきたのです。

円高に向かった原因は、下記3つでいずれも経済的要因ではありません。

 米軍によるシリア空爆(4/7

 トランプ大統領の円安牽制発言(4/12

 北朝鮮の弾道ミサイル発射実験(4/16

①と③は所謂地政学リスクです。リスク回避先の円買いが活発になった結果108円台前半まで円高が進みました。上記3つのうち、一番円高に進めたのは③の北朝鮮です。それにしても不思議ですね。北朝鮮問題は日本も当事者です。下手すると核戦争に巻き込まれて日本経済が破綻するかもしれないのに、何故円がリスク回避先になるのでしょうか。ちょっとわかりません。

反転は、仏大統領選挙です。ユーロ離脱派の2人による決選投票が避けられたことで、安堵感が広がったことによるリスク回避の巻き戻しと、米国経済の好指標が発表されたことによる米金利利上げ期待が、再び円を111円台まで戻しました。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

4月は安堵のユーロ買いが出ました。

ユーロは201612月の安値1.04台前半か徐々に買われてきました。ユーロ圏経済の底堅さが買い動機となっています。一方、ユーロ離脱派が台頭するのでないかとの心配が選挙のたびに頭をもたげ、それがユーロ買いの足を引っ張っています。

4月もその延長線上にありました。

月初1.06台半ばで始まり、しばらくは膠着状態が続いていましたが、4/23の仏大統領選挙の結果がユーロ買いを促しました。大統領選は、はじめルペン氏とマクロン氏の決選投票とみられていましたが、直前になって左派だがユーロ離脱を訴えるメランション氏が突如顕れて支持を伸ばしたことから、あわや離脱派同士の決戦となって将来はユーロ崩壊かというところでしたが、結果はユーロ強調派マクロン氏がルペン氏に一定の差をつけて支持を維持しました。まだ決選投票がありますが、市場は安堵したというわけです。月末は1.09の水準でした。

 

 

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

4月に発表された米雇用統計は、就業者伸び急減したものの、失業率4.5%まで改善し、完全雇用とみる水準を下回っています。FRBのイエレン議長も講演でこの点を指摘、利上げを長く待ち過ぎたくはないと述べ、公表されたFOMC議事録にも参加者が景気過熱感を懸念している内容が明らかになりました。6月には利上げをするというのが市場の見方です。利上げはドル高円安です。

一方、トランプ大統領の円安牽制圧力も強くなっています。417日日経新聞WEB版によると、実効レートで見た円はここ2週間でもっとも上昇した通貨とされる、一方米財務省報告は、歴史的平均値からまだ20%も割安だとしています。

試しに日銀の長期時系列データから相場推移をグラフにしてみました。どうやら、80円の水準は例が位置として排除するとしても、円高に進んだのは極短期で、長期的にはそうでもなさそうです。tだ、実質実効レートは超長期傾向としては右下がりに見えますね。

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4月は米FOMCが開催されません。短期的には利上げペースを占う米経済指標がドル円相場を左右すると思います。中長期的には、トランプ大統領の積極政策の進捗遅れが深刻です。大統領選挙以来の相場押し上げに積極政策が大きく作用しただけに、その期待が少しでも裏切られるようなことになれば、相場への影響はとても大きいでしょう。トランプ大統領の公約のブレは特に外交面に表れています。経済政策は国内マターですから外交のような壁は少ないかも知れません。それでも、懸念材料としては小さくありません。

どう影響するかというと、それはドル売り円買いです。

利上げは景気過熱を抑制するものですから、積極政策が遅れることになれば、景気の過熱への心配も遠のきます。利上げの必要がなくなれば、金利から米ドルが売られるわけです。3月後半の動きがそうでした。

もちろん、金利差による相場変動は短中期的なものですから、長期の方向は実需に基づいて判断しなければなりません。

 

ユーロドル ・・・

ユーロ圏のファンダメンタルズは底堅く、ECBの金融政策スタンスもそろそろ出口を探し始めています。米国の利上げと方向が同じですから、これまでのように、米国の引き締め、ユーロの緩和という違いが際立つ状況からは脱しつつあります。

先月のECB理事会では、金融政策の変更はしなかったものの、ドラギ総裁が会見で「下ぶれいリスクは後退した」と述べた他、日経新聞によれば6月の会合では緩和出口に向けた言い回しも検討されているとのこと。これらを受けて、ユーロ通貨は少しずつ買われていくというのが市場の大方の見方のようです。

ただ、以上は中期予想。ユーロの行く末は政治が握っていますので、長期~超長期的には政治材料に引き続き注意しておく必要があります。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. 北朝鮮情勢やシリア情勢:緊張高まれば、リスク回避先として円買い

 2. 仏大統領選(決選投票):ユーロ協調派マクロン氏か離脱派ルペン氏か

 3. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 4. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 5. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 2. 英のEU離脱交渉の行方

 3. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 欧州各国の重要な選挙動向(5月フランス大統領決選投票、秋ドイツ総選挙):極右勢力伸ばすならユーロ売り

 6. 中国はじめ新興国の経済動向 :一時の不調を達して堅調、ただし米金利動向や資源価格に左右されよくぶれる

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 欧州各国の重要な選挙動向(45月フランス大統領、秋ドイツ総選挙)

 3. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)

 4. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 英離脱後のEU各国への影響(2017年、主要国の重要選挙予定されている)

 7. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 8. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

以  上

 

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2017年4月 4日 (火)

外国為替相場推移と今後の為替動向判断材料(2017年3月末現在)

【米ドル】・・・対円

3月は円高傾向でした。

2月に引き続いて、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げに関する動向が相場を上下させ、結局月間のトレンドで見ると、115円前後の水準から111円前後の水準にドルが売られて円が強含んだという流れとなりました。115円前後の水準を支えたのは利上げ環境が整っていることを裏付ける米経済市場と、実際の利上げです。

毎月初に発表される米ISM製造業景気指数は良好でしたし、やはり恒例の米雇用統計では失業率低下や賃金上昇が確認され、いずれも米経済が順調に回復していることを示し、過熱を牽制する必要が出てきたのです。NY連銀総裁をはじめとする米FRB高官の、3月利上げを支持する発言も前月末から続いていました。そして、実際に3/1415の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.751.00%への利上げが決定されました。

しかし、市場では、実際に利上げが発表されるとその材料はすぐに剥げてしまいます。次の材料が気になってしょうがない。次の材料は、今後の利上げペースです。今年3回か、それとも4回か、それが問題です。

FOMCでは出席者による政策金利(Federal Fund Rate)の予想も注目されます。それが高ければ多くの利上げが必要ですし、低ければ少ない回数でもその水準に十分達することが出来るという具合にみます。で、今回はどうやら3回に分がありそうです。市場はすぐにドル売りに出ました。下旬にかけてじりじりと値(ドル)を下げ110円を切りそうな水準まで円が買われました。

これにはトランプ大統領も一役かています。3/23の日経新聞WEB版によると、オバマケアの代替案を巡って調整が難航し(その後、実際に撤回した)、遅れることによって他の刺激策も遅れ、積極策を掲げる大統領の思惑通りに進まなくなると見た市場がリスク回避の円買いに動いているとのこと。世間でも、トランプ相場が一巡したのではないかとの見方が広がっています。

結局、111円台半ばで4月に入っています。

 

【ユーロ】・・・対米ドル

3月はユーロ高傾向でした。

ユーロも対米ドルで強含みました。3月は米国の金融政策スタンスが相場を動かしたと言えそうです。そのため、米ドル以外の通貨は概ね同じような動きを示したのでしょう。

ただ、ユーロ固有の材料もありました。ユーロ圏経済の堅調さを背景にした金融政策スタンスの変化とオランダ下院選挙です。

ユーロ圏経済は結構堅調に推移しています。3月のPMI(Purchasing Managers' Index:企業購買担当者の景気動向判断指数)は、ドイツをはじめとする主要国で判断の分かれ目となる50を大きく上回る結果となりました。特にユーロ圏全体のPMI2011年以降の好結果だったようです。これを受けて、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和措置もそろそろ出口に差し掛かっているとの見方が市場に広がっています。米国の利上げペースが落ちて、ユーロの緩和策が卒業すると金利差から、当然ユーロが買われます。

選挙も相場に影響しています。今年は欧州の選挙の年です。各国で極右を中心とする反ユーロ勢力が伸びており、これに対する懸念がユーロ通貨への不安にもなっています。右翼へ傾くとユーロ安、保守が頑張ればユーロ圏経済の好調もあってユーロ高というのがシナリオです。既に昨年末、イタリア国民投票とオーストリアが終わり、イタリアでは改憲案否決されて反ユーロ勢力が評価されましたが、オーストリアでは反ユーロ勢力が予想ほど伸びませんでした。これに続いて3月には15日にオランダ下院の投開票が行われ、極右「自由党」が事前予想ほど伸びませんでしたので、次第にユーロへの負担が払拭されつつあるというのが見方です。

相場の流れとしては月初の安値1.05台前半から下旬には1.08台半ばまでユーロが買われた後、1.06台半ばで月末を越えています。

 

【今後の短期~長期予想】

ドル円 ・・・

4月は米FOMCが開催されません。短期的には利上げペースを占う米経済指標がドル円相場を左右すると思います。中長期的には、トランプ大統領の積極政策の進捗遅れが深刻です。大統領選挙以来の相場押し上げに積極政策が大きく作用しただけに、その期待が少しでも裏切られるようなことになれば、相場への影響はとても大きいでしょう。トランプ大統領の公約のブレは特に外交面に表れています。経済政策は国内マターですから外交のような壁は少ないかも知れません。それでも、懸念材料としては小さくありません。

どう影響するかというと、それはドル売り円買いです。

利上げは景気過熱を抑制するものですから、積極政策が遅れることになれば、景気の過熱への心配も遠のきます。利上げの必要がなくなれば、金利から米ドルが売られるわけです。3月後半の動きがそうでした。

もちろん、金利差による相場変動は短中期的なものですから、長期の方向は実需に基づいて判断しなければなりません。

 

ユーロドル ・・・

引き続き2つの材料に注目しましょう。

1つは、ユーロ圏経済の動向とそれを背景に変化する欧州中央銀行(ECB)の金融政策スタンスです。金融政策はインフレとデフレのバランスで決定されます。ユーロ圏の経済が好調で、いくらPMIや工業生産が良くても通貨供給量が見合って、物価が変わらなければ金融政策スタンスを変更する理由はありませんから、物価指数も重要な指標です。

もうひとつは、選挙です。イタリア、オーストリアと済ませたところで不安定化要因は一定程度弱まりつつありますが、45月の仏大統領選挙と秋のドイツ総選挙は注意しておかなければなりません。相場による影響の形は、上に述べた通りですので繰り返しませんが、この選挙は短中期だけでなく、場合によっては超長期の変動にも影響があります。反ユーロ勢力によってはユーロ体制そのものの崩壊がないとは言い切れませんから。フランスのエマニュエル・トッド氏の指摘はいちがいに荒唐無稽とは言えません。

 

【短期的な材料(1ヶ月前後)】

 1. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 2. 仏大統領選(第1回投票2017/4):極右勢力が伸ばすと、ユーロ圏不安定化を懸念してユーロ売り

 3. 日銀金融政策の変化(政策決定会合の議論内容や発表内容)米国の金融政策スタンスとの比較。

 4. IMM(シカゴ投機筋)の円売り持ち高の積み上がり:巻き戻するなら円高。

 

【中期的な材料(数ヶ月)】

 1. トランプ新政権の経済政策。積極策は金利引上げにも通じ、ドル高につながる。

 2. 英のEU離脱交渉の行方

 3. FRBの段階的・継続的利上げペースを占う、米経済主要指標。好調なら、ペース早くドル高。

 4. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)、その後の延長の行方:価格軟化は資源国経済に悪影響し、リスク回避の円買い

 5. 欧州各国の重要な選挙動向(45月フランス大統領、秋ドイツ総選挙)):極右勢力伸ばすならユーロ売り

 6. 中国はじめ新興国の経済失速、株価動向心理的な不安がリスク回避行動となり、円買いに流れる。

 

【長期的な材料(数年)】

 1. トランプ大統領の金融・経済政策の具体化の状況とその内容

 2. 欧州各国の重要な選挙動向(45月フランス大統領、秋ドイツ総選挙)

 3. 原油価格の動向とOPECの動き(2016/11/30の合意は2017/1から期間半年)

 4. 中国など新興国の景気動向。改善・成長本邦輸出促進貿易収支改善円高(短期的な影響と異なる)。

 5. 本邦人口減少が進行するなら人口オーナスによるデフレ効果で円高(購買力平価説)

 6. 英離脱後のEU各国への影響(2017年、主要国の重要選挙予定されている)

 7. 日本:貯蓄率低下・国債残高膨張による国債消化力低下財政破綻超インフレ(円安)。

 8. 南海トラフ地震による大災害。対外資産取り崩して資金の国内還流が起これば円高騰。

 

以  上

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